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愛媛好きな
ウド鈴木さんが食す、
愛媛県産米とごはんのオトモ

米農家の長男・ウド鈴木さんのお米への想い

 

――ウド鈴木さんは、実家が山形県のお米農家ですよね。小さい頃から美味しいお米を食べていたんですか?

ウド鈴木:山形県出身で、実家がお米農家なんです。小さい頃からお米が好きで食べていたけど、出来のいいお米は全部出荷して、家では出荷できなかったお米ばかり食べていましたね。野菜農家もきっとそうですよね。農家あるあるですね。お米が好きだから、たまに熱く語る時があるんですけど、「ウドちゃん継いでないよね?」って言われるんですよ(笑)。農業高校も行ってるんですけどね〜。今は弟が継いでくれています

 

――農業高校出身なんですね。それはお米や農業について熱く語ってしまいますね

ウド鈴木:今は生産農家さんが、野菜やお米を直接お届けできる世の中になってきたから、やりがいが全然違うと思います。昔は、作ったお米を集めて「県のお米」「地域の◯◯米」という感じで販売していたけど。今は、生産者の顔が見える時代になりましたね。消費者の「おいしかったよ」という声も直接届くのは嬉しいですよね。昔、父に美味しいお米を作る秘訣を聞いたら、「俺は何もしてない。土が全部やってくれて、いい米を作ってくれるんだ。俺はそれを手伝っているだけ」と。生き生きと力強い土を作ることが大事なんだと。

カッコいいなと思いましたね。豊かな土を作ることがおいしいお米を育てる。自然の恩恵があっての農業。だから、自然に感謝するという気持ちが常にあるんですね。人間の力では思うようにならない天候に寄り添って感謝して。すごい精神力だなと、その時思いました。子どもの頃は、1日何回も田んぼを見に行って、天気を気にしている父を見て、「子供より米が大事なのか?」なんて思っていましたけど。よくあそこまで愛情を注げるなって

 

 

――カッコいいですね!「キャイ〜ン米」もあったそうですね

ド鈴木:「法律」が改正されて個人で販売できるようになった時、いち早く動いて、勝手に「キャイ〜ン米」を作っちゃって(笑)。電話がかかってきて、「キャイ〜ン米を作ったからよろしく。事務所に送ったから」って。届いて見てみたら、僕たちのイラスト入りのパッケージまでできていて。事務所の先輩の車だん吉さんが描いてくれた2人のイラストがあるんです。所属タレントの皆さんを描いてもらっていて、それをプリントしたタオルを事務所でお世話になった方々にご挨拶にお配りしていたんですが、それを実家にも送ってもらったんです。タオルを勝手にコピーして使っちゃって。「勝手にこういうことやっちゃダメなんだよ」って言ったんですけど。父は何にも知らないですからね、そういうことは。当時、木場公園で開催されていた農産物のフェスティバルに出展すると聞いてPRを手伝おうと思って行ったら、さらにのぼりまで作っていました(笑)。今はもう「キャイ〜ン米」は、一般販売はしていないんですけど

 

お米好きが語る、炊き方とごはんのオトモとは?

 

――お米はどんなふうに食べるのが好きですか?

ウド鈴木:小さい頃から、ご飯のオトモはすじこが好きなんですよ。山形の人はすじこが大好きで、よく食べていると思います。だから、おにぎりの具といえば、すじこ。東京に来て、すじこっていうと「え?」って言われることが多いけど。おにぎりにすると、すじこの粒が潰れるものもあって、その旨みがまわりのお米に染みて美味しいんですよね〜

 

――それは美味しそうですね。炊き具合は好みがありますか?

ウド鈴木:硬めに炊いたのも噛み締める美味しさがあるけど、僕は水分豊富なのが好きですね。柔らかいというか、もちもち感を味わえるような水分を含んだ炊き方が好きですね

 

――ご自身でお米を炊くことはありますか?

ウド鈴木:若い頃は、自分で炊いていましたよ。昔なぜか3合炊きの炊飯器を2つ持っていて。げんしじんっていう親友の芸人さんと、お互い1人暮らしで四畳半に住んでいたんですが、彼がいつもパンを食べてたんです。「お米を炊いて食べたらどう?」って言ったら、「炊飯器がない」って言うので1つあげて、使い方も教えてあげたんです。そうしたら電話かかってきて、「この炊飯器壊れてるぞ。スイッチを入れたら、ぱんぱん!って爆発してるぞ」って。「え?お米を研いで水を入れて、スイッチを入れたんでしょ?」って言ったら、「米を炊くのは、水を入れるんか」って。水を入れずに空焚きしちゃったんですよ。それじゃあ本当に原始人じゃないかって(笑)。人生でお米を炊いたことがなかったそうです。そんなこともありましたね

 

20年前に初めて訪れた愛媛。その魅力とは?

 

――これまでに愛媛を訪れたことがありますか?

ウド鈴木:はい、ありますよ。初めて行ったのは20年くらい前かな。当時旅が好きで全国各地をまわっていたんですが、事務所の先輩に「旅が好きなら、愛媛は行った方がいいよ」って教えていただいて。「愛媛は、街は美しいし、食べ物も海の幸・山の幸があって美味しい。空港から街も近くて、路面電車も松山城も道後温泉もある。人も優しいし、絶対行った方がいいよ」って。それがきっかけで行きました

 

――実際に訪れてみて、いかがでしたか?

ウド鈴木:その通りでしたね。あんなにすべて揃った県はないんじゃないかな。まさに、ハッピーシティ。空港から20〜30分くらいで、松山城に着くんです。松山市内を「坊っちゃん列車」という路面電車が走っていて、すぐ道後温泉にも行ける。街の中には、百貨店やアーケードがある商店街、繁華街もあって、人が行き交っていて賑やかです。歴史のある建物、温泉文化が昔からご当地の人や訪れる人を癒したんだなと感じましたね。仕事やプライベートで、いろいろなところに行かせてもらいましたけど、こんなにいい街はなかなかないですよね

 

――愛媛県での思い出を教えてください。美味しかった食べ物や印象に残っている場所はありますか?

ウド鈴木:うどんがおいしかったですね。愛媛の人はよく食べるそうです。じゃこ天や鯛めしも。あとは海が近いからお刺身が美味しい。松山城も好きですね。山の上にあって天守閣がきれいで、城下を見渡せるんですよ。街のどこからでも松山城が見える地形なのもいい。あと、テレビドラマ『東京ラブストーリー』のロケ地として有名な伊予鉄道高浜線の駅にも行きましたよ。 伊予って良い地名ですよね。「いよー!!」って力が入る感じ。元気が出ますね。愛媛は方言もいいんです。「元気にしとるけんね」とか、語尾の「〜けん」というのが好きですね

 

愛媛が誇る、お米とご飯のオトモを実食!

 

――今日は、愛媛県産のお米とご飯のオトモを用意しました。お米好きのウド鈴木さんに試食していただきたいと思います

 

 

ウド鈴木:いろいろな種類がありますね〜。まずは『田力米 ひめの凛』の新米をそのままいただきます。いい香りで、粒立ちがいい!ひと粒がしっかりしていますね。これはおいしい!甘みが豊かで、口の中に入れるとお米の甘みが広がります。舌触りも優しい。愛媛のお米、こりゃうめ〜! 噛んで、押し返してくるような弾力もあって、美味しいものをいただけていると意識できますね。お米の持っている良い気が立ち込めているのかな。いや〜いい名前だな〜。凛としてますね!

 

 

――ありがとうございます。ご飯のオトモも合わせてみてください

ウド鈴木:『日野出豚のっけごはん』はいい香りですね。丸みのある味噌の甘さが豚とよく合います。うまい!これはごはんが進みますね。何杯でもいけます。豚もだけど味噌もおいしいんでしょうね。『宇和島水産高校のぶりだいこん』は、パッケージのイラストもいい味出してるな〜。ぶり大根って好きですね。ぶりのたおやかな旨みが煮ることで見事に生かされていて。ぶりも喜んでますね。煮汁をごはんに染みさせて食べるのが、またいいですよね。水産高校があるっていうことは海洋漁業が盛んってことですよね。地元にもあって、通っていた友人が実習で半年くらい遠洋漁業に行っていました。帰ってきたら雰囲気が逞しくなっていて、ほかの学生とは何かが違うなと思いました。頼りになる感じ。それを思い出しました。最高ですね。宇和島水産高校、うわぁ〜!自慢したい!最高!

 

――山形にも芋煮があると思いますが、愛媛には『いもたき』という郷土料理があるんです。ぜひ食べてみてください

ウド鈴木:香りからもうおいしいですね。うまい!里芋がとろりとしていて。松山揚げも美味しいな〜。具材も豊富ですね。芋煮とまた少し違いますね。このうまさの秘密はなんだろう。山形の芋煮は、豚肉を使った味噌煮と牛肉を使ったしょうゆ煮と、地域で分かれるんですよ。僕は庄内地方の海側で味噌煮でした。『いもたき』は、鶏肉なんですね。ぐわーっと抱き抱えるようなうまさ。後味も力強いなあ。コクもあるし、出汁がおいしいのかな。これからはいもたきの時代じゃないですか?参りました!

 

――ありがとうございます(笑)

ウド鈴木:『おともしいたけ』は、カレー味と山椒味があるんですね。愛媛はしいたけも美味しいんですね。カレー味は洋風な味付けで、美味しいですね。山形にも『醤油の実』ってあるんですが、同じなのかな。ご飯にのっけて食べたり、きゅうりや冷奴にも合わせていました。ちりめんと合わせるのも良いですね。懐かしいな〜。小さい頃からよく食べていました。

この芳醇な香り。山形を思い出すな〜。ここに故郷がありましたね。次は『旭醤油 ふりかけポン酢』をいただいてみます。これは不思議ですね。ポン酢が個体になっているのがすごい。ご飯にもいいし、他にもいろいろと使えそう。こりゃびっくりだ。『鬼味噌 辛辛味噌 鬼王丸』と『辛甘味噌 柚鬼媛』は、ゆずの風味なんですね。辛い!うまい!辛辛味噌の方はお肉料理に鬼合って書いてあります。鬼合って、お似合いっていう言葉とかけてあるんですね〜!お見事〜!

 

 

――特に気に入ったオトモはありますか?

ウド鈴木:全部美味しいですけどね。やっぱり、『いもたき』の衝撃が強いです。後半のクライマックスのうまさ。パンチがあるんですよね〜!一口目のうまさから、食べ進むほどに、うまさを感じてとりこになります!日本を飛び出して世界にお届けしたい味ですね

 

天才はまじめ!ウド鈴木さんの考える“まじめ”とは?

 

――最後に、愛媛県の県民性である“まじめ“について。ウド鈴木さんが考える“まじめ”とは?

ウド鈴木:何事も、一生懸命がんばっている人は、まじめだと思います!一生懸命がんばる人ほど、自然に努力していると思うんです!まじめに突き進んだ努力があるからこそ、研究しているからこそ、それを体現できているんじゃないかと思います。そして、例え結果が報われなくても、寄り添うようにその努力は、幸せな笑顔となるような気がします!まじめな人は会ったらすぐわかります。そして、まじめな人は優しい

 

――ウド鈴木さんはどうですか?

ウド鈴木:僕はまじめじゃないですね。自分に甘い人間なので(笑)。まじめになりたいですよね〜。まじめに取り組んだことあるかな。ないなぁ。恋愛にはまじめだったと思うけど(笑)。愛媛の人はまじめというのは納得です。愛媛出身の友近さんも本当にまじめ。あんなにお笑いにまじめな方いないですね。ロバートの秋山くんもそう。お二人は天才です!そして、思いやりがあって、まじめだからこそできることですよね。愛媛では一般の方にもお世話になって、友達になった方もいますけど、みなさん優しくてまじめでした。仕事ぶりもそうだし、人と接する時もすごく気遣ってくださって。「最近どう?いっぱい食べて、飲んでね」って、おもてなしの文化が息づいていますね。この度は、トキメキの時間をありがとうございました!美味しい!楽しい!人優しい!これからも、まじめなえひめ研究所から目が離せないです!

 

 

取材/高野瞳 写真/木原隆裕

 

 

ウド鈴木

1970年1月19日山形県鶴岡市生まれ。

1991年にお笑いコンビ・キャイ〜ンを結成。愛称はウドちゃん。

ウド鈴木さんの天性的なボケと、天野ひろゆきさんの鋭いツッコミが結成当初より巷のライブを騒がせていた。テレビ・ラジオ・映画など幅広いメディアに出演。

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