FunTable Kitchen
地元の食材だけでなく文化も大切にするお店
ライターの眞弓莉沙子です。
「今治タオル」やサイクリングの聖地「しまなみ海道」などで有名な今治市。
今回やってきたのは、今治駅から車で5分ほどに場所にあるFunTable Kitchenです。こちらはお弁当やお惣菜、パン、スイーツ、などの食品を扱うお店。店内はとってもオシャレです!
聞いたところによると、今治市民に愛される銘菓も置いているのだとか。
まずはFunTable Kitchenのことが知りたい!ということで、どのようなお店なのか、代表取締役社長の河野秀俊さんにお話を伺います。
眞弓:FunTable Kitchenはどんなお店か教えてください
河野さん:元々「波止浜スーパー」というスーパーを昭和39年に僕の祖父が創業して、今治市の中北部にある波止浜という地域でお店を開いていました。昔、波止浜では塩田が盛んだったんですが、塩田を埋め立てた土地に「波止浜スーパー」を作って、2019年11月末まで営業していました。
先代がスーパーを経営していた頃から今治の地域の方に「安全安心でおいしいもの」を提供していたので、その想いに特化したお店を開こうということで、2020年1月末にこのFunTable Kitchenをオープンさせました
眞弓:「波止浜スーパー」時代の想いが受け継がれて、今のFunTable Kitchenができたんですね。お店には、地元の食材を活かしたお惣菜やパン、スイーツなどが並んでいますよね
河野さん:そうなんです。僕は、関東の食品メーカーで開発をしていたんですが、30歳ごろに今治へ帰ってきて、「波止浜スーパー」で働き始めました。「波止浜スーパー」の時から商品開発をしていて、このお店の商品の開発もしています
お店には、河野さんが地元の食材を使って開発した商品が所狭しと並んでいます。特に私が気になったのは「かわら塩」を使ったスイーツ。
眞弓:「かわら塩」が使われたスイーツ、どれもおいしそうですね
河野さん:実は「かわら塩」は、FunTable Kitchenが開発した塩なんです
眞弓:そうなんですか!
河野さん:今治市菊間という地域は瓦が有名なのですが、その菊間の瓦を使用してできた塩なんです。昭和初期に作られていたそうで、その製法を再現して作ってみたんです。
「かわら塩」は、大粒でまろやかな味わいに作っているので、クッキーやクリームチーズケーキなどのスイーツに使っています
眞弓:先代の「波止浜スーパー」も塩田のある土地から始まったということで、お塩とは何か縁がありますね
地元の食材というだけでなく、文化も垣間見える「かわら塩」。こういった商品が身近なお店で販売されているのは、今治市民の方も地元の良さを発見できていいですよね。
こだわりの商品たちをいざ実食!
さて、せっかくなのでお買い物!
買い物かご片手に店内を見て回りますが、どれもこれもおいしそう・・・!思わずあれもこれもと手が伸びてしまいます。
今回いただくのは、お店でも人気のしまなみエコわっぱ弁当と、今治市大島宮窪地域の方が常備菜として食べている「えび味噌」を使った、海のごちそう えび味噌 焼きカレーパンです。
まずは、しまなみエコわっぱ弁当から!
せんざんきや鯛めし、酢大豆、地元の野菜など、愛媛を感じられるおかずがたくさん入った贅沢なお弁当です。
続いては、海のごちそう えび味噌 焼きカレーパン!
地元ではご飯のお供として知られる「えび味噌」ですが、『カレーパンに「えび味噌」を入れたらおいしいのでは?』と考えて実際に作ってみたところ予想以上においしくできたとのこと!中には大きな海老が入っています。
これは、えびの風味とカレーが口の中で広がって、おいしい!シーフードカレーみたいで、とてもおいしいです。
今治市民が長く愛し続けるお菓子とは?
おいしすぎるお弁当やパンに大満足。ですが、忘れてはいけないのは、今治市民に愛される銘菓!今回はそのお菓子を探しにきたんです!
眞弓:今治の皆さんから愛されている銘菓があると聞いたのですが・・・
河野さん:「ラムリン」ですね。FunTable Kitchenでも人気の商品なんです。店頭に並べるとあっという間に売り切れてしまうんですよ
「ラムリン」は、ラム酒を使った洋酒ケーキで、1956年から現在まで地元の方に愛され続けています。お店で取材を行っている間も、お客さんが次々と「ラムリン」を手に取っていきます。本当に人気・・!
実はこのお菓子、大きな危機を乗り越えたお菓子だそう。
「ラムリン」は、元々今治市内の「くろふね菓舗」が販売していた洋菓子でした。
しかし、このお店が閉店することとなり、「ラムリン」がなくなってしまいそうになったところを、今治で75年菓子卸を続けている株式会社アリスタ・木曽さんが製法を継承したそうです。
河野さん:株式会社アリスタ・木曽さんの社長さんとは前から知り合いで、「ラムリン」を作ることになったというお話をお聞きした時に、今治のいいものをお店に置きたいという気持ちがあったので、ぜひFunTable Kithenで売らせてください、と話したんです。「ラムリン」の販売を一番にさせていただいたのが、うちのお店だったんですよ
「ラムリン」の製造方法を継承した、株式会社アリスタ・木曽 代表取締役の野間照博さんにお話を伺いました。
眞弓:「ラムリン」を復刻させようと思ったきっかけを教えてください
野間さん:今治お菓子博というイベントをした際にとても人気があり、私自身が美味しく、素材にこだわっている「ラムリン」のファンになり、後継者がいらっしゃらないとのことで承継の話を進めさせて頂きました
製法と味を変えず、今でも手作りで製造しているという「ラムリン」。素材である、バター、卵黄、ラム酒に至るまでこだわっている商品とのこと。そんな「ラムリン」のおすすめポイントは?
眞弓:野間さんが考える「ラムリン」のおすすめポイントを教えてください
野間さん:ラム酒を使った、大人のお菓子です。バター、卵黄をたっぷりと使い、手作りで仕上げたふんわり感をお楽しみください
聞くだけでもおいしそう!早速いただきたいと思います!
口に含んだ瞬間、ラム酒がフワッと香ってまさに大人なお菓子!カステラのようなふわふわな生地も柔らかくておいしいー!
「ラムリン」は1個から販売。8個入りの箱でも販売されているのですが、こちらもかわいらしくて、贈り物にもぴったりです。
「ラムリン」の人気はまだまだ衰え知らず。地元の方はもちろん、ぜひ県外の方にもこのお菓子の美味しさを味わっていただきたいです。
FanTable Kitchenにとって“まじめ”とは?
最後に、河野さんにとって、“まじめ”とは何かを聞きました。
河野さん:おいしくて、「安全安心」で、本当に食べてもらいたいものを売り続けていくこと、ですかね。
僕がお店を引き継いでから、先代の頃からお付き合いさせていただいている生産者の皆さんが変わらず受け入れてくれるんですが、それも先代が「安全安心」な食を届けたいという想いを持って、愚直にさまざまなことに挑戦してきた結果、その想いがきちんと生産者の皆さんに伝わったんだと思います。
今度は、僕たちがお客様へその想いを伝えていきたいです。お店の雰囲気作りやSNSでの発信もそうですが、商品開発でも地元の食材をスイーツやお惣菜に工夫して使うことで、少しでもお客様に知ってもらえるきっかけになればと思っています
地域の方へ安全安心な地元の食を届け続けているFunTable Kitchen。
今治へお立ち寄りの際は、地元の食を存分に楽しめるFunTable Kitchenにぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
FunTable Kitchen
〒794-0042 愛媛県今治市旭町3丁目2-3
電話番号:0898-55-8588
営業時間:10時〜20時
定休日:日曜日