DD4D FACTORY & CURIOSITIES
好奇心+ユニークで創り出す
オリジナルクラフトビールで
今よりも少し豊かな人生を味わう!
こんにちは!まじめしライターの岩畑です。
前回、まじめし店で伺った「ゲストハウス&バー 内子晴れ」で出会ったオリジナルのクラフトビール。
普段スーパーやコンビニで購入する大手のビールとは違う味わいと香りが印象的で、クラフトビールのことをもっと知りたい!(いや…本音は味わいたい!)と思い、愛媛県の港町・三津浜へやってきました!
三津駅から三津浜港側へ。穏やかな海を眺めながら歩いていると見えてきたのが、今回の目的地「DD4D FACTORY & CURIOSITIES」です!
DD4D FACTORY & CURIOSITIESの内部に潜入!!
出迎えてくださったのは、営業・マーケティングを担当している村上慎さん。まずはDD4Dの中核とも言える、ビールを作っている工場を案内していただきました。
シルバーの大きな機械やタンクが並ぶここは、醸造所。
DD4Dのクラフトビールを作っています。
そもそも、クラフトビールはどうやって作られているのでしょうか?
知りたい欲が湧き上がってきたので、見学させていただきました。
最初は「粉砕」。
その名の通り、海外から仕入れた麦芽を細かく砕くことからビール作りは始まるそうです。
この階段を上がって、写真の穴から麦芽を入れて粉砕するそうです。
次は「マッシング」。
先程粉砕した麦芽と約60度のお湯を混ぜ合わすことで、麦芽のデンプンをさらに小さな糖へ分解します。
これは、後に混ぜ合わせるビール酵母が糖を吸収しやすい大きさにするための作業だそう。
タンクの中は見えないのですが、温かいお湯と混ざっているからか、麦芽の香ばしい香りが漂います。
そして、マッシング装置で混ざった麦芽とお湯を隣のタンクへ移して「ろ過」していきます。
ちなみに取材日も醸造作業中。写真に写っているのは醸造長のマイクさんです。
ろ過された液体を、もう一度マッシング装置に戻して100度のお湯で「煮沸」します。
煮沸が終わった液体を麦汁といい、ビールの元がようやく完成しました!
この麦汁を発酵タンクに投入しビール酵母を入れて1〜2週間ほど「発酵」させ、その後ホップで香りをつけたらクラフトビールの完成!
缶・ビンに詰め、ラベルを貼ったものが店頭に並びます。
元々、米を保管する倉庫だったこのコンクリートの無機質な空間に、綺麗に磨かれた巨大なステンレスタンクが並ぶ様はド迫力!!
私たちが美味しくいただくビールは、まるで我が子のように手間をかけてじっくりと作られていました。
DD4Dって、あのDD4D?
さて、愛媛県に住む方は「DD4D」と聞いて、あれ?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
そう、こちらのお店は松山市千舟町にあるおしゃれなアパレルのセレクトショップDD4D BREWING & CLOTHING STOREの姉妹店です!
実は、千舟町ではアパレルを販売する店内に醸造所を併設し、ファッションとクラフトビールを楽しめるお店として2019年にリニューアル。そして、21年11月にここ三津浜にオープンしたのが第二醸造所のDD4D FACTORY & CURIOSITIESなのです!
一体どんな流れでクラフトビールを作ることになったのか、気になることだらけ!笑
村上さんにお話を伺います。
岩畑:2019年からクラフトビールの醸造をスタートしたきっかけを教えてください
村上さん:現オーナーの山之内圭太は元々、東京の大手生活用品メーカーで働いていたのですが、クラフトビールが好きすぎて週末だけクラフトビールの会社の手伝いをしていました。 ちょうどその頃、東京でブリュワリーを立ち上げようとしている人と仲良くなり、意気投合。勤めていた会社を辞めて、一緒にブリュワリーを作ることとなりました。それが東京の代々木にある「Y.Y.G.Brewery & Beer Kitchen」です。そこでは初代醸造長を努めました。
その後、元オーナーから山之内がDD4Dの事業を引き継ぐ際、アパレルだけでなく自身が興味のある「クラフトビール」の会社を作りたいと考え、さまざまな可能性を探っていた時に、DD4Dの店内に醸造所を作ると面白いかもしれない!と思いついたことがきっかけです
セレクトショップの形態を残しつつ、現オーナーがやりたいことを実現したのが、千舟町のDD4D BREWING & CLOTHING STOREだったそう。ここまでのお話ですでにワクワクしてきました!
岩畑:アパレルと醸造所が一緒になったお店を始めて見た時は、本当に驚きました!でも、アパレルを目的にお店に行ったら、実はクラフトビールも飲めるというスタイルは面白いですよね!意図していないものに出会ったからこその新しい発見がそこにありそう。
それでは、DD4D FACTORY & CURIOSITIESを新しくオープンさせた経緯を教えてください
村上さん:セレクトショップの中だけでビールを作っていたのですが、ありがたいことに需要に対して供給が追いつかなくなり、工場の拡大が必要となりました。
物件を探していた時、この三津浜の倉庫と出会ったのですが、思ったよりも建物の中が広く、醸造所を稼働するだけだともったいない。それならバーも一緒にやろう!となり、今の工場とバーが一体となったお店になりました
岩畑:一つのことだけに目を向けるのではなく、いろんな角度から物事を見て挑戦していくスタイルがとても面白いですね!
村上さん:「CURIOSITIES」というお店の名前にもあるように、ワクワクするような好奇心あふれる空間、ものづくりや挑戦をしながら、クラフトビールだけでなくさまざなサービスをお客様へ提供したいと考えています。それを体現したのがこの場所です!
DD4Dのクラフトビールでみんなハッピーに!
職人の技(クラフトマンシップ)を込め、じっくりと作られたクラフトビール。DD4Dで作るクラフトビールにはどんな特徴があるのでしょうか?
岩畑:DD4Dのおしゃれなラベルの缶ビールをお店でもよく見かけます
村上さん:定番の味5~6種類の他に、毎週新作のクラフトビールを作っています。1年間で50種類くらいですね。それがDD4Dの特徴の1つでもあります。
この醸造所で働いている工場長のマイクやセルゲイは腕のある醸造家です。このスパンでたくさんのクラフトビールを生み出せているのは、彼らの力でもあります
岩畑:すごい!毎週ですか!
村上さん:はい!毎週出る新作を楽しみにしてくれているお客様もいます。
いろんなフレーバーや味を作る中で、昨年、マイクの家族に娘のエマちゃんが誕生した際、「Welcome Emma(ウエルカム・エマ)」という生誕記念ビールをマイク自らが作り、販売しました
岩畑:それはとても素敵な企画ですね!
村上さん:みんながハッピーになる企画でした!常連さんや全国津々浦々にいるお客さんたちから、SNSで「おめでとう!」とビールの写真をアップしてくださり、とても嬉しかったです
岩畑:「ゲストハウス&バー 内子晴れ」でも、DD4Dで作られたオリジナルクラフトビールに出会いました
村上さん:県内外、さまざまな企業やお店のオリジナルクラフトビールを作らせていただいています
聞くと、ネスレ日本の「キットカット」、アパレルの「BEAMS」などともコラボレーションされたとのこと。す、すごい!!
岩畑:愛媛にある醸造所だからこそできたクラフトビールもあるのでしょうか?
村上さん:柑橘は全てそうですね!お客さんからの紹介で繋がった地元の農家さんから「これ使って~」と柑橘を持ち込んでくださいます。珍しい柑橘など、さまざまな品種の柑橘を使えるのは愛媛ならでわです
岩畑:クラフトビールを作る上でこだわっていることはありますか?
村上さん:多様性を持ち、ユニークなビールを作り続けることでしょうか。
DD4Dの理念として、ユニークさとチャレンジングなスタイルを武器にしているので、毎週新作を作ったり、思いもよらない組み合わせのビールに挑戦したり…
岩畑:思いもよらない組み合わせ?
村上さん:チョコミント味のクラフトビールや、柚味のクラフトビールの商品名を「yuzuburo(柚子風呂)」にする等、お客さんがクスッと笑えるような商品開発とマーケティングに力を入れています。それがDD4Dらしさにもなっていると思います。
たくさんの選択肢がある方が人生がより豊かになるのかなと。大手ビールメーカーのビールももちろん美味しいですが、そこに小さな醸造所で生まれる、さまざまなクラフトビールの味わいも知った上で、より自分好みのものを見つけて欲しい。クラフトビールを通して、選択肢や多様性を提案しています
確かに。筆者が初めてクラフトビールを飲んだ時に感じた、「これがビール?」という驚き。
それは大手メーカーの喉越しすっきり・キリッと辛いあの味や香りとは全然違うものでした。
いくつかの種類を飲む中で、フルーティーで少し甘さのあるビールが好きなのかも…という新たな発見も。たくさんの選択肢があるということは、未知の領域に出会えるかもしれないということ!最高じゃないですか!!
DD4Dが作り出す唯一無二のクラフトビール
DD4Dの作るクラフトビールの話を伺っていたら、喉が乾いてきたような…笑
しかし、取材に伺ったのは1月下旬で、ちょうど冬季休業中。
ということで日を改め、まじめしライターの中でもビール大好き鉢嶺にバトンタッチして、松山市千舟町のセレクトショップ「DD4D BREWING & CLOTHING STORE」でオリジナルクラフトビールをいただきます!
店内は、おしゃれなセレクトアイテムが出迎えてくれます。
お店の奥まで進むと、この存在感抜群のタンク!本当にアパレルと醸造所が一体になっていました!
そして、カウンターにはこのタンクで作られた瓶ビールが並びます。
DD4Dの定番ビールに加え、新作ビールなどを楽しめるこの空間。
種類によってはテイスティングもできるので、いろんなフレーバーの中からより自分好みのビールを楽しめることができそうです!
それでは早速…笑
DD4Dの定番でもある「4 O’CLOCK LET’S CALL IT A DAY」と「DAILY DOSE」を。
4 O’CLOCK LET’S CALL IT A DAYは和製ドライフルーツとも言われる河内晩柑(かわちばんかん)を使用したクラフトビール。
村上さん:日本人は残業だったり、定時まで集中して仕事をするのが当たり前になっていますが、欧州では昼休憩にお酒を飲んでリフレッシュしたりします。そんな文化も面白いじゃん!ということで、ドライで爽快な口当たりのこのビールは、「4時になったから仕事を切り上げてお酒を楽しもうよ!」というネーミングで提供しています
鉢嶺:本当だ!一口目から爽快感があって、仕事終わりの1杯目に適した味わいですね。
河内晩柑のフルーティーな香りと、このドライな喉越しが最高!
続いて、伊予柑を使ったDAILY DOSEを。
鉢嶺:プレーンヨーグルトのような酸味を感じる味わい。酸味のあるビールは初めてだけど、さっぱりした飲みやすさがクセになりそう!
鼻から抜ける香りは伊予柑ならではの爽やかさで美味しい〜おつまみはクリームチーズが合いそうだな…
村上さん:4 O’CLOCK LET’S CALL IT A DAYもDAILY DOSEもどちらも愛媛県ならではの味わいを楽しめるビールです。
1年間安定して柑橘フレーバーのビールを作るのは実はとても難しいのですが、愛媛県は柑橘生産が日本一ということもあり、膨大な量の柑橘を仕入れることができます。柑橘を定番フレーバーとして作っているのはとても珍しく、愛媛県でクラフトビールを作る強みでもあります。
愛媛産といえば、3月おすすめビールの「Don Jalapeno」には東温市で作られたハラペーニョを使用しています!
ハラペーニョを使ったビール?!どんな味なのか気になります…。
Don Jalapenoももちろんいただきます!
村上さん:ハラペーニョの青っぽさを楽しめるます。パイナップルなどのフルーティーなホップを使っているからハラペーニョの香りと一緒にほんのりとフルーティーな味わいも感じるかと!
鉢嶺:唐辛子の辛さを感じるのかな?と思いましたが、ハラペーニョの爽やかな香りを真っ先に楽しめますね!ほどよい刺激で、ハラペーニョだ!と思ったあとにくるのはトロピカルな風味で…。一口で二度おいしい!タコスを食べながら飲みたいビールですね
村上さん:ハラペーニョを使うアイデアは現オーナーが東京で働いていた時にお客様からいただいたアイデアで、実際に作ってみるととても美味しかったことから、愛媛でも作り続けているフレーバーです
鉢嶺:お客様のアイデアが形になったビールだったんですね!
最後にいただくのは、「KEY TO THE NEXT DOOR」。新作のビールだそうです!一体どんな味わいなのでしょうか…
村上さん:このKEY TO THE NEXT DOORは愛媛県西条市にある全国でも有名な「成龍酒造」の「伊予賀儀屋」に使われる清酒酵母を使って作ったクラフトビールです
鉢嶺:ビールの苦味と日本酒の甘みがちょうどいい!ビールだけど日本酒の風味も味わえて、それぞれのいいとこ取り。日本酒に合うお魚をつまみにして飲むのもいいかもしれない…
お客さんの声を大切にしたり、愛媛ならではの食材を使ってDD4Dでしか作れないオリジナルクラフトビールを、こんなおしゃれな空間で楽しめるなんて本当に最高!
たくさんの人に、この空間を楽しんで欲しいな〜
今回紹介したビールはDD4Dのオンラインストアでも購入できるそうなので、足を運べない方も自宅で楽しんでください!
DD4D FACTORY & CURIOSITIESのこれからと“まじめ”
美味しそうなビールの数々…私もオリジナルクラフトビールを味わいたい〜
ということで、鉢嶺から岩畑にバトンタッチして、もう少しお話をお聞きします。
岩畑:先に聞いた話の中で、「クラフトビールだけでなくさまざなサービスをお客様へ提供したい」と言われていましたが、お店の今後のビジョンはありますか?
村上さん:去年1年間お店を営業して分かったことは、実はこの三津浜エリアってアルコールを提供するには少しハードルが高くて…。というのも、松山などの中心地からアクセスする際、電車を使うと駅から少し距離があり、車だとアルコールを楽しめない。
だったらそれを逆手に取って、クラフトビールだけでなく、特徴的なフードなどをテイクアウトするお店にしていきたいと考えています。飲食だけでなく雑貨などの販売もしながら、「三津浜におしゃれなセレクトショップができたよね!」、「あそこに行けばなんでもあるよね!」と言われるお店になるといいなと思います。それがこのお店の「好奇心をくすぐる」という部分にもつながってくるのかなと
岩畑:少しずつ変わっていく様子を、お客さんも一緒に楽しめそうですね!
それでは最後に、村上さんにとって“まじめ”とはなんでしょうか?
村上さん:DD4Dとして感じることは、嘘偽りなく、無理に自分を大きくも小さくもせず、ありのままを体現している部分です。相手の評価や数字を気にしたり、相手の様子を伺いつつ自分の考えをすり合わせていくことが多い中で、DD4Dは自分たちから出向くのではなく、DD4Dに魅力を感じてくれたお客様がドアを叩いてくれる、プル型営業のスタイルを貫いています。
自分たちらしさを嘘偽りなく、ちょっとユニークに伝える中で、そこに魅力を感じてくださるお客様と共に進む。それがDD4Dらしくもあり、僕らしい“まじめ”かなと思います
DD4Dでは、私たちの人生を少し豊かにするための「アクセント」を提供しているように感じました。
これからもどんどん進化していくDD4D FACTORY & CURIOSITIESで、あなた好みのクラフトビールをぜひ見つけてみては。
※ビール工場の稼働状況により営業日が変更になります。詳細はSNSをご確認ください。
DD4D FACTORY & CURIOSITIES
愛媛県松山市住吉2-12-19
営業時間:営業日時に関してはインスタグラムをご確認ください
※1月〜2月は冬季休業
インスタグラム
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電話:089-932-7764