祖父の代から創業140年、地元に親しまれるお菓子屋さん

梶原製菓

親から子、子から孫へ 大切に受け継いできたお店

おいしいものを、少しでも安くみんなに届けたい

こんにちは!愛南町役場総務課に所属している、まじめしライターの田村です。
愛媛県最南端の町、南宇和郡愛南町から今回ご紹介するのは「梶原製菓」さん。宇和島自動車の城辺バス営業所から徒歩わずか2分ほどの距離、城辺商店街に店を構えるお菓子屋さんです。愛南町の方なら「藻塩大福」や「藻塩まんじゅう」の名前でピンと来る方も多いのではないでしょうか?

店頭には大福やおまんじゅうなどの和菓子のほかにも、プリンやロールケーキなどの洋菓子も並んでいます。
愛南町のふるさと納税返礼品にも商品を登録している梶原製菓さん。お話を聞かせてくださったのは3代目店主の梶原岩雄さんです。作業場にお邪魔させていただき、お話を伺いました。

創業は約140年前、祖父の代から続くお店

田村:梶原製菓さんはどれくらい前からお店を開かれているのでしょうか?

梶原さん:現在の場所にお店ができたのは私の父の代(2代目)のときで、60年くらい前だと思います。その頃はまだ僕も子どもでしたが、薄っすらと記憶に残っています。

田村:もともとは別の場所でお店をされていたのですか?

梶原さん:そうですね。最初にお店を開いたのは祖父の代で、そのときは深浦にお店があったそうです。

田村:そうなんですね!城辺商店街のお店というイメージが強かったので、驚きました。

梶原さん:もうずいぶん昔ですから。深浦で祖父が創業してから140年くらいは経っていると聞いています。

※現在、梶原製菓さんがお店を構えているのは、愛南町城辺地域の市街地近くにある商店街。深浦という地区は、そこから車で10分弱ほどの距離にある海沿いの地域です。

田村:先代(お父様)からお店を受け継いだということですが、普段は1人でお店を経営されているんでしょうか?

梶原さん:いえ、僕以外にもパートの方が2人と、母親も手伝ってくれています。今日はいませんが、母はよく店頭にも立っています。うちの看板娘なので。

田村:皆さんで支え合っているお店なんですね。梶原さんの中で、お店をやっていく上で大事にしていることなどがあれば教えてください。

梶原さん:僕が子どもの頃の話ですが、駄菓子屋さんとか、安くておいしいお店を見つけるとすごく嬉しかったんですね。そのときの気持ちを大事にして、お店をやっています。お客さまにとって買いやすい価格で、本当においしいものを届けたいというのが僕の考えです。

こだわりのあんこ

田村:お菓子を作る上で、梶原さんがこだわっていることを教えてください。

梶原さん:ぱっと思いつくのはあんこですね。厨房の奥に機械があるんですけど、すごく古くて。父親の代から使っているものです。

田村:お父様の代から!? すごいですね。

梶原さん:もしかしたら祖父も使っていたかもしれません。それくらい古いものなんですよ。

田村:あんこを作る上で難しいのはどんなところでしょうか?

梶原さん:火加減も難しいですが、何より焦げないようにするのが気を遣います。掻き混ぜていないと焦げてしまうので、注意深く見ておかないといけません。付きっきりで見ていられたらいいんですが、他の仕事も並行しながらやるとなかなか難しいです。

田村:とても丁寧に作っていらっしゃるんですね。

藻塩大福はこうして生まれた!

田村:いろんなお菓子を作られていますが、おすすめの品はありますか?

梶原さん:やっぱり藻塩大福が人気です。自分で食べてもおいしいと思います。

田村:何年くらい前から販売されているんでしょうか?

梶原さん:僕が30代の頃だったと思うので、売り始めてまだ20年くらいかなと思います。

田村:藻塩大福を作ろうと思ったきっかけはあったんでしょうか?

梶原さん:発案は母親だったんですよ。その頃、ちょうど『ゆらり内海』(町内の温泉休憩施設兼お食事処)さんで潮湯が始まって、潮(塩)をPRできる商品を何か作ってみようという声がかかったんです。そのときは塩大福ブームもありまして、うちも藻塩を使った「藻塩まんじゅう」はすでに作っていました。そこで母親が「ちょっとここにクリームを絞ってみて」というので、作ってみたのがきっかけでした。

田村:お母様の発想で生まれたお菓子だったんですね!使われている藻塩には何かこだわりが?

梶原さん:やっぱり地元のものを使いたいと思って、愛南町産のホンダワラ(海藻)を使っている藻塩を使うようにしています。愛南のホンダワラが町外に出て行って、そして藻塩になってこの町に戻ってくるんです。それをうちでは使用しています。

柔らかなおもちの中に、なめらかなクリームと梶原製菓さんこだわりのあんこが詰まった「藻塩大福」。実際にいただいてみます。

指でつまんだだけでも形が変わってしまう、口の中でとろける柔らかさです!ほのかな藻塩の味わいがあんこの上品な甘さを引き立てています。軽くぺろりと平らげて、ついもう1個と手が伸びてしまうおいしさです。

インパクト大!リアルなカワウソのパッケージに注目

田村:梶原製菓さんといえば、この「カワウソもなか」のパッケージも忘れてはいけませんよね!

梶原さん:そのデザインを決めたのは父親だと思いますが、絵は誰かに頼んだんだと思います。ずっとイラストは変えていません。

田村:デフォルメされたデザインが多い昨今では、逆に新鮮かもしれません。この絵のリアルさ。

しっとりとした皮の中には粒あんがぎっしり!頭から尻尾の先まで美味が詰まっています。
昔はかわうそ村という地名があり、たくさんのかわうそが見られたという愛南町。ご当地キャラクターなーしくんもカワウソをモチーフにしたキャラクターです。
そんな愛南町で買える「カワウソ最中」。おいしさはもちろん、見た目のインパクトも手伝って1度見たら忘れられない甘味です。ぜひ、手土産にいかがでしょうか。

「藻塩まんじゅう」や「藻塩サンド」もご賞味あれ

梶原製菓さんこだわりの藻塩やあんこを使ったお菓子は他にもあります。

こちらはあんこぎっしりの藻塩まんじゅう。藻塩大福よりも前から販売されていたという、3代目もこだわりのあんこをたっぷり味わえる人気商品です。

「藻塩サンド」は、指が沈み込むふわっふわのスフレのような生地に挟まれたクリームとあんこのバランスが絶妙!
梶原製菓さんではほかにも河内晩柑(愛南ゴールド)を使ったフルーツ大福なども販売しています。ここで紹介できなかった商品もたくさんあります!
ぜひ、実際に店頭で自分のお好きなお菓子を探してみてください。

梶原製菓さんにとってまじめとは?

田村:梶原さんにとってまじめとはどういうことでしょうか?

梶原さん:やっぱり、嘘がない、ということでしょうね。例えば、藻塩大福は自分が食べてもおいしいと思います。自分が本当においしいと思ったものをお客さまにお出ししたいと思っています。

田村:本心からおいしいと思える味をお出ししているということですね。

梶原さん:はい。お客さまには本当においしいものを、安く届けたいと思っています。材料でも味でも、ごまかしたり、嘘をついたりしない。それが僕にとっての「まじめ」ということです。

自分にもお客さまにも誠実に向き合い続ける「梶原製菓」さん。
皆さまも南予までお越しの際は、愛南町まで足を延ばして、地元を愛し地元に愛される甘味を味わってみてください!

梶原製菓

愛媛県南宇和郡愛南町城辺甲2671

電話:0895-72-0372

営業時間:AM8:00~PM6:00

定休日:なし(臨時休業有)

記事をシェアする

その他の #パン・スウィーツ

Page TOP