心と身体に沁み渡る愛媛の満漢全席

毎日のおいしいもの まとか

旬の食材をたっぷり使ったランチやパフェ!

そこに込められた店主の想いとは?

こんにちは!まじめしライターの岩畑です。
突然ですが、皆さんは毎日自炊をしていますか?!ご家族と住んでいたり同棲をされている方も多いと思いますが、会社員・一人暮らしの私は毎日自炊するのが難しく…。時々母の作るごはんの味が食べたいな〜と思ったり。
そんな時に見つけたのが、愛媛県松山市の柳井商店街にある「毎日のおいしいもの まとか」です。毎日のおいしいもの…店名だけでおいしい食事が食べられそう!ということで、お店に行ってきました!

お店の看板はふんわりとした優しさに溢れたデザイン…!
店内はウッド調のインテリアを基調としていて、広々とした空間。テーブル席の他にもカウンター席もあります。

一人でもグループでも利用できるお店ってありがたいですよね。落ち着いた雰囲気なのもリラックスして食事を楽しめそう!早速ランチをいただきます。

まるでエンターテインメント!まとかのランチメニュー

毎日のおいしいもの まとかではランチタイムとディナータイムがあり、今回はランチメニューをいただきます。
もうね、メニューがたくさんあるんですよ!何にしようか悩みに悩んでようやく決めました(笑)。
「日替わり贅沢膳(サラダ付き)」。ご飯は玄米ご飯、玄米粥、玄米中華粥から選べて、私は玄米中華粥の「干し海老とホタテと竹の子の中華粥」をチョイスしました。
その日の体調や食べたいものを考えながらご飯の種類を選ぶことができるって嬉しいポイントですよね。
どんな食事がやってくるのかな〜と思いながら待っていると運ばれてきたのがコチラ!

ご覧ください!この量を。お盆の中にひしめく沢山のおかず。中国の満漢全席を思い出しちゃいました(笑)。
ご飯+サラダ+おかずがなんと12品もついています。しかも、おかずの内容は日替わり。まだ食べる前でアレですが…すでに毎日でも通いたい!自炊云々と言っていましたが、やっぱり…お店で食べる食事万歳!

まずは温かいうちに、干し海老とホタテと竹の子の中華粥を。干し海老の香ばしい香りがたまりません。

干し海老とホタテの旨味をしっかりと吸った玄米。美味しすぎて鼻の穴も膨らむほどです。失礼。

お次は「南瓜と小豆とさつま芋のカレーマヨサラダ」と「スンドゥブチゲ」、「アサリとほうれん草のオムレツ」を。

食材そのものの味わいや食感は残しつつ、スパイスなどを使ってアクセントを加えたおかずはどれも美味しい〜!

サラダに至ってはドレッシング3種の中から選ぶことができます。野菜のシャキシャキとした食感は新鮮だからこそ。どれも美味しいなあ〜。

おかず全部を紹介するのは量が多すぎました(笑)。この日食べた残りのおかず9種は文字ベースで。悪しからず。

・鴨の炙り わさび添え
・鶏もも肉の塩こうじから揚げ
・イカとゴボウと人参かき揚げ
・小松菜と白ネギとエノキのガーリック炒め
・ちくわと小松菜と大根の塩こうじ炒め
・鶏と南瓜とさつま芋のチリマヨ炒め
・ちくわと大根と白菜の玉子とじ
・小松菜と切干大根のナムル
・キャベツとじゃが芋のゴマ高菜和え

お腹いっぱい!大満足!炒め物や和え物はどこか母の味を思い出すような優しさがあり、幸せな気持ちになりました。

お腹はパンパンですが、まとかのInstagramで見つけたパフェもどうしても食べたいので、注文しちゃいます。「パルフェマリアージュ KUCHIDOKE」です!

このパフェ、なんと16層もあるんですよ!食べる前からワクワクが止まらない〜上の層からいただきます!

それぞれの層の味わいや食感が全く違うので、食べ進めるごとに驚きと幸せが一緒にやってきます。
個人的に一番びっくりしたのが、真ん中あたりにある「ピリッとチリ フロランタン」です。フロランタンに練り込まれたチリのピリピリとした刺激と辛さは今までに味わったことがない!
辛いのはちょっと〜と思った方、待ってください。まとかのパフェのすごいところが、フロランタンの前後の層が「ブルーチーズのアイス」と「洋梨のソルベ」で、この冷たさと優しい甘さが口の中に一緒に入ることで、なんとも絶妙な味わいに変化するんです!本当に衝撃的!

もう一つ。オプションで注文した「ル・ビルル」という、リンゴと栗のリキュールをパフェにかけて食べると、一気に大人の味わいに。甘くとろっとしたリキュールがパフェの味わいをより深いものに変化してくれます。

この他にも、まとかのランチでは「日替わり玄米定食」や「ヘルシー定食」、「選べるカレー定食」などいろんなメニューがあります。どれも旬の食材をたっぷりと使ったメニューなので、最近野菜食べてないな〜なんて思っているみなさん、まとかで栄養をチャージしてみてください!

旬の食材で作る毎日の献立

美味しい食事を堪能したところで、毎日のおいしいもの まとかの店主・栗田麻由さんにお話を伺っていきます。

岩畑:「毎日のおいしいもの まとか」という店名が素敵だなと思ったのですが、どんな想いが込められているのでしょうか?

栗田さん:「まとか」はフィンランド語で「旅」という意味です。このお店をオープンする前にフィンランドを旅した経験から名付けています。「毎日のおいしいもの」というのは、「肩肘張ることなく、毎日でもお店に来てね」という想いを込めています。

岩畑:食材の味わいが感じられるような味付けに優しさを感じました。食材へのこだわりはありますか?

栗田さん:食材はどれだけこだわっても、手に入らないものは入らないので、オーガニックや無添加にこだわりを置きすぎないようにしています。「オーガニック」を謳うとお店の敷居も高くなってしまいそうな気がしますし、材料代が高くなるとその分、お客さんに跳ね返ってしまうので。もちろん無添加や無農薬で手に入るものはそうしますが、全てをそれで賄うのは難しいので、一般的なものを使うという感じです。野菜などは近所の八百屋やJAで旬のものを仕入れています。醤油・味噌・塩・砂糖などよく使う調味料は添加物が入っていないものを選んでいます。

岩畑:メニューのおかずが毎日変わるというのも、店名に込められた考えそのものですね。

栗田さん:日替わり定食は5つのおかずが付いているのですが、毎日1~2品ずつ変えています。毎日お店に来ても少しずつおかずが変わるので、お客様が食事に飽きることなく楽しんでいただけるようにしています。
他にもランチで言えば、お肉や魚介類を必ず入れること、玉子のおかず、野菜だけのおかずがあったり、焼きや炒め、揚げ、煮物、冷たいものと、食材もそうですが調理方法も変え、構成しています。

岩畑:私がいただいた贅沢膳はおかずが小鉢で提供される料理だったので、勝手ながら和食なのかな~と想像していました。ですが、スンドゥブチゲやスパイスを使った料理などがあり、多国籍で面白いなと思いました。

栗田さん:和食だけ、イタリアンだけだと、どうしても提供するものの幅も狭まってしまいます。それに、私自身が何かのジャンルの料理を極めたというわけではないので、広く浅くにはなりますが、いろんな国の美味しい料理や日本人の口に合うものをチョイスしながら提供することで、お客様も楽しんでくれるんじゃないかと思います。
例えば、和食材を使いつつも味付けはペペロンチーノのようなガーリックの効いたおかずを作るといった工夫をしています。お客様からも、「こんな食材の組み合わせ方があるんですね」とか、「こんな味付けの仕方があるんですね」と言っていただけます。

岩畑:贅沢膳に入っていた「小松菜と白ネギとエノキのガーリック炒め」もとてもびっくりしました。見た目は和食っぽいのに口に入れるとガーリックのパンチが効いていて…とても美味しかったです!
そして、パフェも見た目も美しいですが、味も最高に美味しくて…。パフェも栗田さんが考案されているのですか?

栗田さん:はい、そうです。季節の食材を使うので、冬だったら少しコッテリと、夏だったらサッパリとできるパフェを開発しています。とても好評で、2ヶ月ごとに新しいパフェを考えて提供しています。
パフェというと想像するのが逆三角形の器に盛られたものだと思うのですが、まとかのパフェは縦長のグラスを使っていて、絶対に上から下に向かって食べ進むようにしてあります。そうすることによって、ストーリー性が生まれるんです。
最初に口にする「ホワイトチョコのラングドシャ」の甘さや少しほろ苦さのある「林檎のシブースト」、途中の「ピリッとチリ フロランタン」のピリッとした味わい、最後に「いちごと実山椒の白ワインジュレ」でスッキリして終わるという、味や温度、食感の違う食の起承転結を16層を通して楽しんでもらえるようにしています。

まとかで提供される食事はどれも、口にした時や食べている時間を楽しんでもらえるよう、こだわり考えられているんだなと改めて感じました。
贅沢膳もパフェも栗田さんの術中にハマりまくった私は、食べるごとに発見があり、楽しくなっていました(笑)。「毎日のおいしいもの」に込められた想いのように、毎日でも通いたくなるし、通うときっと体の中からそして心まで元気になれそうな気がしました。

お店作りにも徹底したこだわりを!

岩畑:私がお店に来たのが14時頃でランチタイムを過ぎたあたりだったのですが、それでも性別も年代も様々なお客さんが沢山いらっしゃいました。おいしい食事はもちろんのこと、お店の居心地が良いのもあるんでしょうか。

栗田さん:お店をスタートする時にこだわったことの一つが、「おしゃれすぎないこと」です。男性一人のお客さんなんかは、綺麗に整頓されたおしゃれすぎるお店だと、入りにくいんじゃないかなと。肩肘張らずに、誰でもお店を利用してもらえるように、おしゃれだけど一息ついてリラックスできるような空間を心がけました。
あとは、開店して間もない頃、小さな子どもを持つ友達がお店に来てくれました。その時に、おむつを替えるコーナーが無い!となり、他にお客様がいなかったので、店内でささっと替えてもらいました。
その後、一般的にスーパーやデーパートの多目的トイレに設置してあるようなベビーシートの設置を検討したんですが、とても高くて…。そのことを施工会社さんに相談したら、板一枚でできますよ!と提案していただき、今のおむつ替えコーナーが完成したんです。

板一枚で完成したというおむつ替えコーナーがこちら。小さなお子さん連れの方でも安心できますね!

栗田さん:体に優しい食事を提供することが、まとかの食事のコンセプトです。なので、妊婦さんや、お子さんが産まれ夜泣きで心も身体も疲弊してしまったようなお母さんもお客様の中にいらっしゃいます。キッズスペースがあるお店のように、お子さん連れのお母さんグループに楽しんでいただくというよりは、一人で癒されたいというお客様にまとかを利用してもらいたいなと思います。
栄養たっぷりの食事に集中してもらえるようなお店にできたらいいなと思います。

店内にはおむつ替えコーナーの他にも本棚もあります。小さなお子さんに向けた絵本だけでなく、大人に向けた様々なジャンルの書籍も。食事の時間だけではなく、提供される間の時間や食後も思い思いの時間を過ごせそうです。

お客さんとお店が喜ぶ関係性

岩畑:2018年にお店がオープンしてもう少しで6年となりますが、オープン時から変わったことはありますか?

栗田さん:オープン当初はパフェも贅沢膳もやっていませんでした。コロナ禍に入り、お客さんが減った時に、毎日忙しくお店を切り盛りする中でなかなか踏み出せなかった挑戦をしようと考えたんです。パフェと贅沢膳はこの時に考え出した新しいメニューです。お客様にも好評をいただいています。

岩畑:お客さんは一時的に減ってしまったかもしれないですが、その期間を有意義に使われたからこそ、まとかの今があるんですね!
いろんな変化があったのだと思いますが、これから挑戦してみたいことはありますか?

栗田さん:いつというわけではありませんが、いつかは東京でお店を出してみたいなという思いはあります。それまでの間は、このお店やメニューをアップデートしたいと思います。お客様が満足しているものだとしても、もっと満足度が上げられそうなものはアップデートしていきたいなと。
こんな小さい店の割には、「こんなことまでしてくれるの?」と思ってもらえるくらい、痒いところに手が届くようにしているつもりです。
オードブルの販売もしているのですが、好きなおかずが選べて、人数に合わせて作るなど、お客さんに喜んでいただきながらも、お店側も他の人がやったことがないような経験を積むという挑戦をこれからも続けたいです。

岩畑:お客さんからの小さな要求にまで応えられるようにしているのは本当にすごいです!最後に、栗田さんにとっての“まじめ”とはなんでしょうか?

栗田さん:食事もお店作りもそうですが、お客様にとっても嬉しい、提供する側も嬉しいという関係性を作ることだと思います。美味しいものを食べてお客様も嬉しい、その美味しそうに食べるお客様を見て私たちも嬉しい。おむつ替えスペースにしても、これがあることで喜んでもらえるお客様もいて、その喜んでいる姿で私たちも嬉しい。
お互いがwin winになれる仕事をするということかなと思います。どちらかだけが良いと思うだけの関係性じゃしんどいしですしね。

真剣に、時に笑顔を交えながら話してくださる栗田さんからは、「毎日のおいしいもの まとか」を利用するお客さんだけでなく、お店に携わる人全てへの愛情が感じられました。
こんなに大きな愛で包んでくれるお店は都会ではなかなか出会えないんじゃないかなと。
地元の方はもちろんですが、ぜひ県外の方にもまとかの味と空気感を味わっていただけたら嬉しいです。

毎日のおいしいもの まとか

愛媛県松山市柳井町1-13-12

営業時間:11:30〜16:00/17:30〜21:00

定休日:日曜日(そのほかの休み・貸切はInstagramでご確認をお願いします

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