自家製食材を使ったお菓子店

旬菓 槐

人気急上昇中!?
無農薬で自家栽培した食材を使った、
身体に優しい水菓子や焼き菓子を販売するお店を取材!

ライターの眞弓莉沙子です!
今回は、愛媛県今治市にある「旬菓 槐」さんにお邪魔しました。こちら、実はInstagramのフォロワーさんからおすすめいただいていたお店なんです。素敵なお菓子がたくさんあるとのことですが、一体どんなお店なんでしょうか?

身体に優しい、自家栽培の食材を使ったお菓子

市内中心部から車でおよそ10分。鮮やかな赤い外壁に看板に店名が大きく書かれた幕が目印です。
広々とした店内はシンプルで、今治市菊間町で作られている菊間瓦を使った置物も飾られています。

お店のコンセプトは、「身体に優しい」。
無農薬・自家栽培の食材を使用。糖度を抑えるなど、身体に負担のかからないような商品づくりにこだわっています。また、地産地消も心がけ、なるべく愛媛県産の食材を使用しているそう。

旬菓 槐の売れ筋商品は、水菓子とパウンドケーキ。
水菓子の中では特に水羊羹 「小豆」がおすすめで、北海道産小豆をお店で炊いているそう。
また、取材を行った6月には、季節限定商品として今治市のお隣の西条市周桑で生産されているアムスメロンを使ったパンナコッタ「めろんこった」も販売されていました。

パウンドケーキは、胡麻・干し葡萄・しょこらの3種類が定番。

早速、あみかごを持ってお買い物!どれもこれも気になってしまい、ほぼ全種類のお菓子を買ってしまいました…(笑)

ここからは怒涛の食レポ!槐さんのお菓子を余すところなくご紹介します!

まずは人気の水菓子から!
さまざま種類がある中から、お店イチオシの水羊羹「小豆」や季節限定商品「めろんこった」を含む、こちらの4種をチョイス。
まず目を惹かれたのは、簡潔だけどおしゃれさもあるこのパッケージ。包装は、食材の品質にこだわる分、包装は低コストにし、お客様に負担がかからないように努めているそう。また、封を開けてそのまま食べられるようになっているため、食器の洗い物も少なく済ませられ、手間が少なく食べられるのもポイントなんだとか。

例にならって、パッケージからそのままいただきます!

北海道産小豆を使用した水羊羹「小豆」は、優しい甘さとほどよい食感。また、定番商品のパンナコッタ「キウイ」は、愛媛県産のキウイが爽やかな味わいを出していて、夏頃にもぴったりです。西条市周桑のアムスメロン使用の「めろんこった」もメロンの控えめな甘さとパンナコッタの甘さが絶妙。
「抹茶」は宇治抹茶を使用していて、抹茶のほろ苦さがアクセントとなってとても美味しいです!
どれも食材の味を生かした水菓子になっています。

続いては、パウンドケーキ!
定番の胡麻・干し葡萄に加えて、この夏販売される季節限定商品のぽん柑をいただきます!

愛媛県産のみかん卵を使用していて、テリーヌとシフォンケーキの間の食感です。胡麻は甘さが控えめで、男性客からの人気が高い商品。干し葡萄は女性客から人気があります。
夏季限定のぽん柑には、西条市のお米を使用したポン菓子と自家栽培した柑橘を使用した自家製ピールが使われています。ポン菓子の「ぽん」と自家製柑橘ピールの「柑」の言葉を合わせて「ぽん柑」という商品名にしたんだとか。
自家製のピールは、4ヶ月かけて作っているそう。手間をかけて自家製にすることで添加物を減らし、身体に優しいお菓子に仕上がるそうです。柑橘の爽やかな酸味がきいていて、とてもおいしいです!

シフォンケーキは、にんじんをチョイス。米粉100%でグルテンフリーのシフォンケーキで、にんじんの風味は控えめ。にんじん嫌いでも食べられそうです。
ちなみに、このパッケージに使われている水引は、お店お手製のもの。全て手作業で編んでいるそう!すごく可愛らしいです。

この他にも、豆菓子やみたらし団子などもありました。この日は店頭に並んでいなかったのですが、冬場は練り切りなども販売されるそうです。季節によって販売される商品が変わると、何度でもお店に行く楽しみが増えますね!

食材を最後まで生かしたお菓子づくり

こだわりが詰まった商品を作る店主の森さんにお話を伺います。

眞弓:こちらのお店がオープンしたのは、2024年2月ですよね。「身体に優しい」をテーマにお店を営業されていますが、お店をオープンしたきっかけを教えていただけますか?

森さん:元々実家に畑があり、両親が自家製でいろいろな作物を栽培していて、子供の頃からその手伝いをしていたんです。
せっかくなので、作ったものを販売しようかと思ったこともあったんですが、無農薬で作っているのでどうしても形が悪くなってしまうものや傷がついてしまうものができてしまい、お客様にも手に取ってもらいづらく、販売には至らなかったんです。
また、農家として畑を扱っているわけではなかったので維持をするのがとても大変な時期があり、畑を売ろうかとも思ったのですが、近隣の農家の方はご高齢の方が多く、それもなかなか難しくて。
私自身、無農薬栽培をした果物や野菜を食べた時にとても感動して、せっかく作った果物や野菜を廃棄してしまうのではなく、元々自分が好きだったお菓子作りに生かせないかと思い、このお店を始めました。

眞弓:見た目が少し悪くてもお菓子になら十分使えるし、食品ロスの問題は今でも注目されていますもんね。

森さん:そうですね。柑橘も皮を捨てるのではなくピールにしたりするなど、少し手間はかかってしまいますが、命ある食材なので最後まで使い切るように心がけています。

眞弓:また、無農薬の自家栽培、と言ってもらえると買いにくるお客様も安心して商品を選ぶことができるのではないかと思うのですが、来られるお客様の反応はいかがですか?

森さん:お店のInstagramのアカウントがあるんですが、そこで投稿している自家栽培の作物の写真をご覧になって、「どうやって実がなるんですか?」とか「これは今の季節のものなんですね」とか、旬や栽培に興味を持ってもらえています。

自分の口にする物がどのように育っているのかを知れるのも、食べる楽しみの一つになりそうです!
森さんの畑では、レモンや枇杷、ブルーベリー、柿、イチジク、トマト、きゅうり、大根など、季節によってさまざまな果物・野菜を栽培しているそう。作られている種類の幅広さに驚きです…!

「食材本来のおいしさを知ってほしい」栽培から商品販売まで手掛ける森さんの想い

無農薬で自家栽培した原材料を使用し、野菜や果物本来の美味しさにも気づいてほしいという森さん。
まだオープンして間もないですが、今後もさまざまな展望を考えているそう。

眞弓:今後、挑戦してみたいことなどはありますか?

森さん:野菜嫌いの方でも食べられるような、野菜を使った商品をもう少し研究したいなと考えています。苦味を少なくしたり、匂いを抑えたりとか。目標としては、大根の葉っぱなどが冬場に結構出るので、それを使ったお菓子を試行錯誤しています。
私も野菜はあまり得意ではないんですが、お菓子にすると食べられたりもするので、お子様など野菜嫌いの方を減らしていけたらなと思っています。

夏に旬を迎えるスイカも栽培。葉の奥にチラッと顔を覗かせています。

あとは、自家栽培や加工し商品にして販売するという強みをもう少し発信していけたらと考えています。お店のこだわりがお客様に伝わるようになればいいなと思っています。

また、愛媛県が誇れる商品を他の地域にも伝えたいという想いから、最近では全国向けに商品発送も始めたとのこと。ぜひ、槐さんのお菓子を通して愛媛の魅力を伝わると嬉しいですね!

眞弓:最後に、森さんにとって“まじめ”とは何か、教えてください。

森さん:“まじめ”かどうかはちょっとなんとも言えないのですが、心がけていることは、初心を忘れないことです。どんな状況でも謙虚や志を忘れないことは大切だと思っています。
また、感謝を忘れないことも大切だと考えていて、お客様やお店に関係している方もそうですが、食材も自分で作っているので、その食材の命をいただいていることに対してなど、小さなことでも感謝を忘れないようにしています。形が悪くても食材の質を生かして、素材と向き合い、無駄にしないよう、心を込めて、手間をかけたいと思っています。
あとは、スリルを味わうこと。食材も鮮度や味など仕上がりに変化があるので、商品として使用できるか、またお客様が喜んでもらえるかなど、いろいろと気にかけながら、スリルを感じて模索しながらも、明日につなげられたらと考えています。

食材の栽培から商品の販売まで、一手にこなす森さんだからこその“まじめ”さを伺うことができました。
今治にお越しの際は、ぜひ旬菓 槐さんの身体に優しいお菓子をご賞味ください!

旬菓 槐

愛媛県今治市郷新屋敷町5-2-8
電話番号:0898-39-3477
営業時間:平日 11:30〜18:00/土日祝 11:30〜16:00
定休日:水・木曜日

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