大洲市で古民家フレンチ

ルアン NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町

世界に認められた城下町
お城を眺めながら食べる本格フレンチ

はじめまして、まじめしライターのきよです。
今回は、大洲市のシンボルである大洲城を眺めながら本格フレンチが楽しめる「ルアン NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」に取材に行ってきました。

大洲市の肱南地区では、明治時代や大正時代などに建てられた歴史的な建造物がいたるところに存在していました。しかし、老朽化が進み、維持管理が難しくなり空き家が増えるなど、歴史的な建物がなくなってしまうことが問題となっていました。地元出身者や若者が中心となって「YATSUGI」というボランティア活動を行い、空き家の清掃や片づけ、修繕などを行いワークショップやイベントなどで活用し始めました。そこへ大洲市や地域の銀行などが協力し歴史的建造物を活用した観光まちづくりをはじめました。

今回紹介する「レストラン ルアン」も以前までは空き家となっていました。その歴史的建造物をレストランに改装したため、どこか懐かしさを感じるような造りとなっています。

私は大洲市出身ですが訪れたことがなく、大洲市のサイト等で目にすることがあり、大洲にこのようなレストランがあることを知り、とても気になっていました。季節によってコースのメニューが変わるため何度来ても楽しめるようになっています。
今回は夏に楽しめるコースを紹介します。

地元食材とフレンチの融合!本格フレンチを実食!

まずはお酒のペアリングから。季節の料理に合うお酒を4つ用意していただきました。
今回は砥部町の協和酒造さんで作られている日本酒「初雪盃」、内子町の酒六酒造さんで作られている日本酒「一刀両断」、2つの赤ワインです。協和酒造さんの「初雪盃」は、香りが高く、すっきりとした旨味があり、酸味とのバランスが絶妙で飲みやすいです。酒六酒造さんの「一刀両断」はまろやかな味で、魚料理などに合い、一太刀ですぱっと切れるような冴えを魅せる超辛口が特徴です。

お酒のペアリングが終わると前菜が運ばれてきました。
それでは早速いただきます!

前菜は、「媛っこ地鶏のガランティーヌ トウモロコシ」です。

3種類の媛っこ地鶏の部位が使われていることによって様々な食感や、ムースやソースをつけることで一口一口変わった味を楽しむことができ、特にバルサミコ酢のソースをつけて食べるとあっさりしていて美味しかったです。周りに添えられているトウモロコシや野菜は大洲産のものが使われていました。

スープは、「焼きナスの冷製スープ」です。

滑らかなポタージュと、中央に乗ったトロっとした二つの食感の焼きナスを、この一皿で楽しめ、その周りにナスの種に見立てたキャビアやチアシードがかけられており、とてもオシャレです。あっさりとした焼きナスのポタージュの味わいとキャビアの塩味がマッチしていて美味しくいただきました。

魚料理は、「鱧のフリット ピぺラード」です。

大洲市の長浜でとれた鱧をエスニック風に味付けされており、その中のチリソースがスパイシーで食欲をそそられました。思っていたよりも柔らかく、ふわふわとした食感でエスニック風の味付けにぴったりでした。

メインの肉料理は、「日野出豚のロースト 夏野菜のティアン」です。

日野出豚のローストの下に使用されているソースは、大洲市の河辺町で採れるわさびを使用しています。わさびの辛さがツンと鼻にくると思っていましたが、程よい刺激で美味しくすぐに食べきってしまいました。

お食事は、「鯛めし ル・アン風」です。

愛媛で有名な鯛めしに、卵黄と酢を混ぜたサバイヨンソースというフレンチのソースを載せた和食と洋食のコラボです。シェフ特製の醤油と出汁を混ぜた泡醤油をかけて食べます。大洲市の醤油蔵「梶田商店」さんの醤油が使われています。大洲の味を感じながら食べることができ、新たな鯛めしを楽しむことができます。

最後に頂いたのは、デザートの「河内晩柑のババオラム」です。

愛媛県産の河内晩柑を使用しています。スポンジ生地にカスタードクリームと内子町で作られているラム酒が染み込まれていて、少し大人な味になっています。柑橘のジュレや生クリームをつけて食べると、河内晩柑の控えめな酸味と生クリームの甘味が絶妙に合わさって、美味しくいただけます。

自然豊かなところで料理を

オシャレで美味しい料理でお腹いっぱいになったところで、レストラン ルアンについて、シェフの杉本和弥さんにお話を伺いました。

三瀬:早速ですが、レストランの名前「ルアン」の由来を教えて下さい。

杉本さん:バリューマネジメントという会社が色々な店舗を運営しているのですが、最初にレストランを始めたところが、神戸の須磨にある神戸迎賓館のところにあった「ルアン」というレストランを始めたので他の店舗でもルアンという名前を使っています。

三瀬:シェフの経歴をお聞きしてもよろしいでしょうか。

杉本さん:僕は兵庫出身でして、高校卒業後は調理の専門学校に行きました。地元が神戸で、飲食店がたくさんある場所なので最初は地元で働こうと思い、神戸のホテルで約10年働かせていただきました。その後は、人づてに紹介いただいた静岡県のホテルで約6年働いた後、紹介を受けた今の会社に入社しました。
僕が最初に働いていたホテルも料理にこだわりのあるホテルで、オーベルジュスタイルで運営されていました。オーベルジュというのはフランスで「料理を楽しむ田舎風なホテル」のことを言います。2つ目に働いた静岡のホテルも伊豆半島の真ん中にあってオーベルジュスタイルのホテルでした。周りが自然豊かで、そういった環境で料理を作るということが、自分にはとても刺激的で楽しく、次も地方で料理を作りたいと思うようになりました。このような自然豊かな場所で働いた経験が、今の会社に転職するきっかけになったように思います。

三瀬:そうなんですね。大洲にはどのような経緯で来られましたか。

杉本さん:今の会社に転職してどこの場所に配属になるかわからない状態のまま入社したので、偶然の巡り合わせですね。

三瀬:偶然大洲に来られたのですね。

杉本さん:そうですね。僕が入社したのが、コロナが始まったくらいの2020年の2月で、コロナ禍で大洲のホテルがオープンしました。オープンが何ヶ月か遅れたりしましたが、大洲のルアンがオープンするので配属された形ですね。

三瀬:その時に大洲のことを知ったということですか。

杉本さん:兵庫出身の僕としては、淡路島の橋を渡ってくるぐらいでどっぷり四国に来るのは初めてでした。

三瀬:大洲に住んでみてどうですか。

杉本さん:八幡浜や宇和島などの漁場が近くにあり、川のものや農作物など食材にすごく恵まれている土地だと思うので、すごく料理人としてもやりがいがあって良いなと思います。

地域の食材を使う理由

三瀬:メニューのポイントなどはありますか。

杉本さん:メニュー自体は春夏秋冬、年4回変更しています。季節感というのももちろんそうですし、宿泊施設で外から来られるお客様もたくさんいらっしゃるので、遠くから来ていただいたお客様に、地元の食材をできるだけ使った、ここでしか食べられない料理を食べていただけたらと思っています。
お肉や魚などの主材料は大洲のものや愛媛県内のものを使わせていただき、お野菜も地元のもの、調味料などそういったもの以外は地元のものを使わせていただいています。食材は、できる限り地元のものでないとここでやっている意味がないかなと思います。

三瀬:お皿が砥部焼を使用されていて、愛媛らしさをすごく感じました。その中でもヨシュア工房さんのお皿を使われているのにはどんな理由がありますか。

杉本さん:そうですね。ルアンのグランドシェフの石井さんと立ち上げのシェフの方がいて、二人がたまたまヨシュア工房さんを見つけて使用しています。砥部焼でもなかなかこのようなお皿は珍しいと思います。

三瀬:世界の持続可能な観光地TOP100選に2年連続選ばれ、「文化保全・伝統保全」部門で世界1位になった大洲市ですが、国内外からのお客様は増えましたか?

杉本さん:コロナによって海外の方はもちろん、日本中の人が一時的に出歩かなくなったということもありコロナの時に比べて海外のお客様はすごく増えていますし、街を見ても海外のお客様、観光のお客様をよく見るなと実感しています。

三瀬:大洲城の下という立地がとても良く、ロケーションが良いですね。

杉本さん:やっぱり大洲城っていうのは大洲のシンボルでもありますし、大洲城を目当てに来られる観光客の方もたくさんいらっしゃるので、お城を目の前にしながら食事ができるのは本当にすごく良い環境だなと思っています。
ガラス張りなので夜は少し違う雰囲気を味わえて、いつ来ても違った雰囲気を楽しめます。

三瀬:やりがいや今後挑戦してみたいことは何ですか。

杉本さん:いろんな人に大洲市へ来てもらえるよう、料理を通して少しでも貢献できるようになればすごくやりがいを感じられるかなと思います。
挑戦してみたいことはまだまだ大洲歴3年目なので大洲のこと、愛媛のことをたくさん学んでそのことを料理に組み込んでいけたらいいなと思います。知らない食材や知らない生産者の方、地域の文化など料理で表現というかこの空間で表現していくことができたら良いかな。

三瀬:最後に、杉本さんにとって“まじめ”とは何か教えてください。

杉本さん:料理人として、料理に真剣に向き合うことや最後まで全力を尽くす。今できる精一杯のこと、その時できる最善の策を尽くすことだと思います。

大洲産、愛媛県産の地のものを使用した、本格フレンチを作られている背景では、長年の経験や地産地消とフレンチの融合を研究し続ける杉本さんの努力がありました。
大洲市へお越しの際は、ロケーションと本格フレンチを楽しめる「ルアン NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

ルアン NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町

愛媛県大洲市大洲888
電話番号:0120-210-289(VMG総合窓口11:00~20:00)
営業時間:LUNCH 11:30~15:00(L.O. 14:00)/DINNER 17:30~22:00(L.O. 20:00)
定休日:不定休

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