新居浜に生まれた焼き鯛めしは禁断の組み合せ!?

若宮食堂

東予・洋風焼き鯛めしを徹底レポート!

新居浜・みかんソース+焼き鯛編

こんにちは、まじめしライターの山本清文です。

今回は新居浜市へ。2025年新たに東予地域に誕生した「第3の鯛めし」についてご紹介。
情報を得た住所に若宮食堂さんがあると伺ったのですが、これはどう見ても、食堂ではなく、小学校。
これは情報が間違っていたのか!?
大丈夫か、今回の取材。上手くいくのか!?と心配しつつもとりあえず施設へ。

第3の鯛めしとは!?

南予地域の鯛めしは、出汁と醤油ダレ、生卵をしっかりと混ぜ合わせ、そこへ新鮮な鯛の切り身を加えてご飯にかける、豪華なたまごかけスタイル。
中予地域の鯛めしは、鯛の身と出汁を吸わせながら、ご飯と一緒に炊き上げる炊き込みご飯。

そして、今回誕生した東予発の洋風焼き鯛めし。
洋風の味付けというこれまでにない切り口の鯛めし。洋風と一言でいってもその可能性は無限大。鯛めしの概念をさらに広げる第3の鯛めし。今回はどんなハイカラな味が待っているのか!?
しかも、今回は学校!?洋風というよりも、校風!?本当に大丈夫か!?

第3の鯛めしとは!? 西条・石焼鯛めし編はこちら>>

緑あふれる施設内。散歩しても気持ちがいい場所。

いきなり目の前に大きな階段が!?どうやらこちらはワクリエ新居浜という施設。廃校をリノベーションして、新居浜市民の憩いの場所になっているとのこと。学校の良さも残しつつ、生まれ変わっているのです。

と、なにやらいい香りがしてきました。もしかして若宮食堂はすぐ近くなのか!?

給食室をリノベーション!?

発見!ここは、元々給食室があった場所でしょうか?!

食堂という名前で、すっかり昔ながらのお店をイメージしていましたが、びっくり。ここに焼き鯛めしがあるのでしょうか!?

若宮食堂は、室内のカウンター席と、学校の中庭を利用したテラス席もあって開放感あふれる空間になっています。この学校には通っていない場所だけど、不思議と懐かしい香りがします。

若宮食堂さんの焼き鯛めしに迫る!

店長の安岡さんに元・給食室でお話を伺います。

山本:安岡さんは料理歴、どのくらいなのですか?

安岡さん:25年くらいでしょうか。

山本:超ベテランですね!若宮食堂ではどんなお食事がいただけるんでしょうか?

安岡さん:地元の食材を活かした料理を提供しています。私はどちらかというと和食が得意なので、それを活かして作っています。

山本:では、若宮食堂さんで提供されている鯛めしについて伺いたいのですが、こちらが鯛ですね。

安岡さん:はい。鯛を切り出して、塩こしょうをして小麦粉をつけたものです。 ‎鯛はもちろん愛媛県産です。

山本:1人前のお料理に鯛はどのくらい使用されるんでしょうか?

安岡さん:切り身の大きさにもよりますが、通常は5〜8枚ですね。

山本:いいですね!どんぶりのご飯が見えないくらい敷き詰めていただきたいですね。さて、この鯛をどう調理するのでしょうか。

安岡さん:焼いていきます。鯛のムニエルですね。

山本:わ!もう美味しそうですよ。

安岡さん:そうなんですよ(笑)。これを、美味しく綺麗に焼き上げますよ。

鯛の香ばしい香りが店内に広がり始めると、連携よく、他のスタッフさんがご飯を用意。
そこで山本が異変を察知するのです。

山本:ちょっと安岡さん?このご飯、普通の白ご飯ではないですよね?ほんのり黄色い気がするのですが。これはいったいなんでしょう?サフランライスとかでしょうか。

――この後、安岡さんの口から衝撃の言葉が発せられるのです。

安岡さん:ポンジュースで炊いたみかんご飯です。

山本:いやいや、安岡さん(苦笑)それは?え?本当ですか?

安岡さん:本当です!

――このやりとりが何ターン続いた後・・・・。

山本:改めて、この鯛めしのコンセプトはどのようなものですか? ‎

安岡さん:今回、洋風の鯛めしを作るということで。しかも焼き鯛めしですよね。そこに愛媛らしさも加えたいと思い、愛媛=みかんということで、みかんジュースでご飯を炊きました。‎

山本:安岡さん料理歴はどれくらいでしたっけ?

安岡さん:25年くらいです。 ‎

山本:ですよね・・・。

――山本は、このまじめに語る料理歴25年の安岡さんがふざけて作ったとは思えない。と思い直し、信じてみることにした。

山本:では、盛り付けについて教えてください。このソースは何ですか?

安岡さん:はい、当店特製の赤ワインと醤油で作ったソースです。 ‎

山本:醤油と赤ワインですか!?確かに洋風ですね。

――山本は、赤ワインというワードに安堵を憶えた。

安岡さん:では鯛を並べていきます。

と、もう一つのソースが、鯛にかけられていきます。その色は、黄色。

――山本は再び戦慄を走った。まさか、黄色の正体はまたしても!?いやそんなはずはない。しかし、確認するしかない。それが、山本の仕事なのである。そして、恐る恐る問いかけた。

山本:安岡さん、これって、ソース、ちょっと黄色い感じがするんですけど、正体は?

安岡さん:はい。これもポンジュースで作ったオレンジソースになります。 ‎

――山本の予感は的中した。淡々と答える安岡さん。メガネの奥の目は笑っていなかった。真剣だ。

山本:ポンジュースソースには他に何が入っていますか? ‎

安岡さん:ポンジュースとワインと醤油です。 ‎

え?こちらにもワイン?これはもう、安岡さんを信じるしかない。山本は心を決めました。

ピンクペッパーが振り掛けられ、野菜などで彩りが添えられ、いよいよ完成です。

禁断の組み合わせ!? 果たしてお味は!?

山本:いただきます!まずは、鯛から。・・・・・・・・。(食べる間)・・・これは!?みかんのソースと鯛が合う!!

今度は、ご飯と鯛と野菜を一緒に・・・・。

その名は、新居浜焼き鯛めしオレンジソース

正直、ポンジュースご飯の相性がどうかな?と思っていたのですが、そこまで強いみかんではなく、ほんのり香るのが爽やかな印象を与えてくれます。そして、鯛の存在感!ワインの入ったみかんソースが、洋風コースのメインディッシュのよう!さらに食欲をそそるのが、赤ワインと醤油のソースがかかったご飯!ご飯の炊き加減、もちもち食感で、スプーンが止まらない!

山本:安岡さん!鯛とオレンジソース合いますね!!(疑ってごめんなさい)

安岡さん:よかったです!

山本:ちょっと、お料理にまじめに向き合う安岡さんに改めて伺いたいんですが、今回、鯛めしを作ることになって最初どう思いましたか? ‎

安岡さん:無理だろうと思いました。 ‎

山本:え!そうなんですか?なぜ無理だと思ったのですか? ‎

安岡さん:まず忙しい時にフライパンで焼くと、常に見ていないといけないからです。 ‎

山本:どうやってその問題を解決したのですか? ‎

安岡さん:鯛を薄くスライスして、短時間で仕上がるようにしました。 ‎

山本:なるほど、調理工程、オペレーションも考えての大きさなんですね。ソースがすごく工夫されていると思ったのですが、どういったところがポイントですか? ‎

安岡さん:ご飯にかけるために、もともと丼などに使っていたソースをベースにしています。 ‎ローストビーフにも合うんですよ。

山本:このソース、万能ですね!他のお料理にも使われているんですね。まさに秘伝の味ですね。ということは、もうひとつのオレンジのソースも、今回考案されたんですか?

安岡さん:さっぱり食べられるので、いい感じのソースに出来上がったかなと思っています。器は食堂ということもあり、丼スタイルで提供することにしました。

若宮食堂の人気メニューをご紹介!

続いては、若宮食堂の人気メニューを実食!

新居浜にはかつて多くの居酒屋さんで「どて焼き」と呼ばれる商品があったそうです。
牛の頬肉を味噌で煮込んだ品。甘辛い味が癖になるのですが、そのどて焼きを丼として現代に降臨!
2019年に行われた全国ご当地どんぶり選手権 新居浜予選会で見事優勝!全国大会にも出場したのが、このどて焼き丼。

ここからが、さらに驚きの若宮食堂!

なんとさらなる人気メニューが!パン!!!
1番人気はこちらのメロンパン。

パン屋さん!?専門店くらいのレベルのパンが買えるのです。

さっくりと割れて、上のカリカリ部分がほろほろ溢れそうになります。甘さもしっとり感もみんな大好きな味。人気No.1は伊達じゃありません。

そして、こちらも人気のプレミアム生食パン。いわゆる高級食パンです。なにもつけなくても十分な美味しさ。

とはいえ、スイーツのように甘くはなく、毎日食べても飽きないようなバランス。気がつくと、一人で全部食べちゃいそうになるくらいの美味しさ。
お食事をして、お土産にパンを買って帰るのが、常連さんの楽しみ方のようです。

まじめな店長・安岡さん、鯛めし完成までの苦悩

山本:ランチだけでなく、パンまで作られている食堂なんて聞いたことありませんよ!さて最後にまじめなお話をさせてください。今回の料理開発は苦労しましたか? ‎

安岡さん:やはり苦労しました。私は和食畑なので、こういう料理はほとんど初めてと言っていいくらいです。 ‎でも、みかんジュースのソースも、自分なりにまじめに考えて試行錯誤して完成させました。
新居浜はもちろん、東予地域全体で、この新しい鯛めしが面白いなって思っていただけたら嬉しいです。

山本のちょっとおふざけムードのお喋りにも優しく付き合ってくださった安岡店長。取材を終えると、大きな給食用のお鍋で、大量のどて焼きを仕込み始めました。根っからの料理人なんだなと感じました。

パンまで取り扱う、ワクリエ新居浜の中にある「食堂」という名前に縛られない若宮食堂。みかんソースの鯛めしと安岡店長の働きっぷりをぜひ味わっていただきたいと思います。

若宮食堂

愛媛県新居浜市新田町1丁目8-56
電話番号:0897-39-6789
営業時間:10:30~17:00
定休日:月曜日(祝日の際は翌日)
※休日はワクリエ新居浜の休館日に合わせています。
※お店のインスタグラムもぜひご確認ください。

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