自主制作映画から生まれた食堂!?

食堂ゆすかわ

西予市遊子川で育ったトマト。その美味しさを活かした料理が絶品!

こんにちは、まじめしライターの山本清文です。
今回は、西予市遊子川(ゆすかわ)にある、「食堂ゆすかわ」をご紹介します。

昭和45年、政府による稲作の生産調整が行われたことをきっかけに、遊子川の風土に合った転換作物として注目されたのがトマトでした。

その後、トマトの生産が続けられ、遊子川は次第にトマトの産地として知られるようになりました。

そんな遊子川のトマトを活かしたお料理がいただける食堂がこちらなのです。

2014年4月9日にオープンしたこの食堂。実は、この食堂に先駆けて、同名の映画「食堂ゆすかわ」が制作されました。

さらに地域活性化を目的として発足した、「遊子川地域活性化プロジェクトチーム(通称:遊子川もりあげ隊)」から派生したグループを母体に、2016年に「企業組合遊子川ザ・リコピンズ」として法人化しました。

2014年に完成した映画「食堂ゆすかわ」。わたくし山本清文は、この映画で医師役として出演させていただきました。そんなご縁もあり、今回お邪魔することになりました。

企業組合遊子川ザ・リコピンズ代表理事の辻本京子さんにお話を伺います。

山本:辻本さん、この食堂の暖簾や、みなさんの装い…見るからにトマトですが、遊子川はトマト作りに適しているんですか?

辻本さん:遊子川は標高500〜700mに位置していて、冷涼で寒暖差があります。トマトの原産地・アンデスに近い条件で、トマト作りに適した環境なんです。

ここでは、そうした環境で育ったトマトの加工品を使ったメニューをご用意しています。

山本:加工品もたくさんあるんですね!

辻本さん:トマト酢をベースとした「トマトユズポン」に「こどもケチャップ」、「大人ケチャップ」です。ケチャップは生食用の「桃太郎トマト」のみを使用していて、1本あたりトマト約6個分を使用しています!

山本:めちゃくちゃ贅沢ですね!

辻本さん:そうなんですよ!大手の加工会社さんで使われるトマトは、水分が少ない加工用の品種が一般的です。一方で、私たちが使っているのは生食用のトマト。水分が多いので、3時間以上かけてぐつぐつ煮詰めています。

実は現在、ふるさと納税の返礼品としても、このザ・リコピンズの商品や体験を選ぶことができます。

トマトユズポンやケチャップなどの加工品はもちろん、特に注目したいのが “トマトの収穫体験”!
標高500〜700mの冷涼な環境で育ったトマトを、自らの手で収穫することができます。なんとその後は食堂ゆすかわでランチも味わうこともできるんだとか。

遠方の方にとっても、遊子川の取り組みを応援できるひとつの形。

ふるさと納税を通して、この土地の物語に触れてみてはいかがでしょうか。

辻本さん:ちょうど今、ケチャップ作っているところなので、加工現場を見てみますか?

山本:えー!いいんですか?

ということで加工所へ!

部屋に入った瞬間に、トマトの美味しそうな香りが!

そこでは、大きな鍋を使ってケチャップ作りが行われていました。

なんと特別に、できたてのケチャップを試食させていただくことに!

山本:辻本さん、できたてのケチャップすごく美味しかったです。普段のケチャップとは別物!!別格!!
トマトを作ることと商品を開発することって、全然違う作業じゃないですか?

辻本さん:そうなんですよ!大変でした。生産から加工、販売まで、すべての工程を外部に委託せずに、内製で行っています。都会へ足を運び、商談会にも参加しました。デザイン面も含めて厳しい意見をいただくことも多くありました…。

山本:このデザインは、当初あまり評判が良くなかったんですか?

辻本さん:そうなんです。「もっとおしゃれにしなきゃ売れません」って(苦笑)でも私は、トマトの赤を全面的に出したデザインにしたくて。それに「ゼロから積み上げた地域の物語」をバイヤーさんに説明して、なんとかご理解いただきました。今では、海外での販売もあるんですよ。

山本:海外でも販売!?食堂の味や生のトマトは無理でも、加工品なら世界に届けられますよね。

辻本さん:そうなんです。この食堂は、毎週水曜日と第4日曜日だけの営業ですが、地域の憩いの場所になればいいなと思って始めました。

山本:きっと地域の方にも喜ばれていますよね。

辻本さん:この近くは飲食店もなくて、集まる場所がないんです。ここも、もともとはスーパーだったのですが、閉店してしまって。今では、毎週ここで顔を合わせて、お話しする場になっています。

山本:本当に素敵な食堂ですね!せっかくなので、私も何かいただいてもいいでしょうか?

辻本さん:では、まずはリコピンズランチを召し上がってください!

ということで、作っていただくことに。

辻本さん:お待たせしました!リコピンズランチです!

山本:うわー!美味しそう!

待ちに待ったランチ!さてお味は??まずはメインの大根ステーキから!

トマトユズポンをかけていただきますよ!

まず口の中で広がるのは、ゆずの芳醇な香り。お酢なのですが、つんとこない。それでいてさっぱりしています。そこにトマトの旨みがグッと加わっていて、唯一無二のお酢に仕上がっています。

大根は下茹でされたものを豚肉で包み、焦げ目が付くまでしっかり焼かれています。

中はとろとろ食感で出汁がしっかり染み込んだ大根。豚肉はジューシーで香ばしく、食べると気持ちまで優しくなります!

豚肉と大根、ゆず、トマト、お酢の相性がよく、これが渾然一体となってお口の中に広がるのです。

お米もお野菜も地元産。運営しているスタッフさんが作ったものもあるんだとか。

それだからできる美味しさであり、価格なんです。

見た目も美しく、味も美味しい。そして何より運営する方々がキラキラしている。こんな食堂、家の近くにあったら最高ですよね。

続いて、あのケチャップを使ったスパゲッティの登場です。

ナポリタンに目がない私!テンションが上がっております。

ケチャップもいい香り!

美味しい!昔懐かしのナポリタンの良さもありながら、味は本格派。3時間以上の手間暇をかけて作られたケチャップがこれでもかと、パスタに絡み合うのです。甘味・酸味・旨みがちょうどいい塩梅。フォークが止まらない!!

しかも、なぜか味噌汁とも合うんです。これはぜひとも召し上がっていただきたい!そうそう、味噌汁も具沢山で、くたくたに煮込まれた野菜が、気持ちまで穏やかにしてくれるんですよ。

メニューに目をやると、「新メニュー」の文字が!これは食べなきゃでしょ。

いや、レポートをする使命が私にはある。なんて真面目なんだ、私は!

ということで、オムハヤシもオーダー!

このオムハヤシ!見た目のインパクトもさることながら、味もすごいのです。

原木椎茸がこれでもかと入ったハヤシソース。もちろんトマトの旨みも加わり、とてつもない破壊力…。そこに、とろとろの卵にケチャップライスでしょ。とてつもない新メニューだ。

このオムハヤシで、特に私が好きなところは、どこか和を感じられるところ。

気取ったお洒落なオムハヤシではなく、親しみやすさがあるのです。

山本:辻本さん!どれも本当に美味しかったです。

辻本さん:ありがとうございます。喜んでいただけて嬉しいです。

山本:これから、「食堂ゆすかわ」はどんな場所になっていきそうですか?

辻本さん:そうですね。これまで通り続けていこうと思っています。毎週水曜日と月に1度の日曜日に、この場所を開けるということ。そして、500円のテイクアウト弁当も続けていきます。

山本:今の時代に、500円のお弁当というのは大変じゃないですか?

辻本さん:儲けを考えてやっていないんです。ここの食堂も価格も同じで、一番大切にしているは大きくなくても賑わいを作り続けることです。あとは、ザ・リコピンズのメンバーとワイワイやっていくことですかね。これが楽しいんです。

山本:いやー、無理なく長く続けていただきたいです。

辻本さん:最近、移住者も来てくれて、その方もトマトの生産者なんです。頼もしいですよね。また別の移住者は宿泊施設を作ってくださって。そこに外国人の方が1週間くらい遊びに来てくれて。
そういうことが本当にありがたいですね。

山本:きっと、ザ・リコピンズの存在があったからこそ、移住される方も増えているんでしょうね。

辻本さん: ザ・リコピンズもですが、この地域の移住者に対するオープンな雰囲気づくりが魅力なんだと思います。

ザ・リコピンズは現在、遊子川に住む50代から85歳までの女性、約20人のメンバーで活動しています。他のスタッフのみなさんにもお話を聞いてみましょう!

山本:最後にみなさんにとって「まじめ」とは?

えっちゃん:私、昔はとてもまじめで、頑張りすぎるぐらい頑張っていて、ストレスで辛くなったこともあるんです。だからもう、まじめはやめたんです。

山本:初めての答えじゃないですか!?まじめをやめたって!!

えっちゃん:結婚したり、時間が経ったりする中で、今のザ・リコピンズに入って。みんなすごくおおらかで、楽しくて。手抜きができなくて、窮屈でしんどい時期もあったんですが、楽しい方がいいなって。ふまじめではないんですけど。まじめに神経質になるよりもいいのかなって思っています。

山本:素敵ですね!毎日楽しそうですもの!やえさんはいかがですか?「まじめ」ですか?

やえさん:私はこの近くに生まれて、ここで結婚したんです。こっちから、あっちの山へ、みたいな感じですね。まぁまじめといえばまじめだと思うよ。野菜を作っているんですが、野菜って土作りなんですね。土作りをしっかりせんと、綺麗な野菜はできないんです。落ち葉とかいっぱい落ちるからね。この辺は。それで堆肥作って、 土作りは1〜2年はかかります。すぐに成果は出ません。

山本:それは、まじめですね!その美味しいお野菜が、食堂で提供されているのですね。
そして、最後に辻本さんにとってのまじめとはなんですか?

辻本さん:まじめ。まじめとは、一生懸命に生きること。しっかりと生きることです。

山本:しっかり生きる。一番大事なことかもですね。

辻本さん:ちょっと体調を崩したんですね。それからは「毎日を楽しく。悔いのない1日を過ごす。また明日を楽しみにする。」ってことが大切だなって思うようになったんです。

山本:だから「1日1日をまじめに、しっかりと生きる」なんですね。

野菜を育てるには土が大事なのだと、やえさんがおっしゃっていました。遊子川にいきなり移住者がやってきたわけではないと思います。

ザ・リコピンズのみなさんの土地を肥やす作業があり、トマトを活かした加工品が生まれ、映画が生まれ、食堂が生まれたのです。

食堂ゆすかわでいただけるお食事は、収穫物。尊いものだと思います。

ぜひお店にお運びいただきたいと思いますし、ザ・リコピンズの商品を見かけたら、ぜひお手に取っていただきたいのです。

そして、召し上がっていただけたら、間違いなく、遊子川の思いが伝わります。そのくらい、味に思いが反映されているのです。

ぜひ一度味わってください、美味しさと、地域への思いを。

食堂ゆすかわ

愛媛県西予市城川町遊子谷2370-1
電話番号:0894-85-0111
営業日:毎週水曜日、第4日曜日
営業時間:11:00~14:00

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