白雅
今治で60年愛され続けるぎょうざ!
特徴は“〇〇”の無いこと!
ライターの眞弓莉沙子です。愛媛県今治市にやってきました。
昭和33年から営業を続けるぎょうざの店・白雅(はくが)さんにやってきました。
3代目店主の白石圭亮さんにお話を伺います。「恥ずかしがり屋なので、顔は映らないほうがいい」と白石さん。カウンター席に座らせてもらい、まずはお店についてお聞きします。
眞弓:長く営業されているんですね?
白石さん:そうですね。もう60年以上になります。その間、ずっとメニューも変わらずにやってきました
眞弓:ぎょうざの専門店なんですよね!?フードよりドリンクの方が多い・・・
白石さん:元々は、新居浜、八幡浜、高松にもお店があったんですが、後継ぎがいなくて閉店して、今はこの今治のお店だけなんです
フードメニューは、焼きぎょうざ・水ぎょうざ・冷麺・酢くらげとシンプル。シンプルだからこそ、ぎょうざへのこだわりも強いのでは?味の期待も高まります。
眞弓:白雅さんのぎょうざのおいしさのポイントはなんですか?
白石さん:皆さんからよく言っていただくのは、皮ですかね
眞弓:皮!?一般的な皮とどう違うんですか?
白石さん:ご覧になりますか?
と、今朝作った皮を見せてくださいました!
白石さん:これが皮なんです
眞弓:ちょっと楕円形ですね
白雅のぎょうざ一番の特徴である皮は、先代のお父さまと一緒に仕込みをされているそうです。焼いても良し、水ぎょうざでも良しの餃子皮とのこと。
眞弓:朝は何時からお仕事をされているんですか?
白石さん:朝5時30分ころからですかね
眞弓:早いですね!毎日、皮から作られているんですね
白石さん:そんなに早くしなくてもいいんですけど、早起きが染みついているのかな?(笑)
謙遜される白石さん。毎朝、平日でも100人分(個数にして800個!!)くらいの仕込みをされているそうです。
お店の奥には畳の大広間も。大人数でぎょうざを食べにきても大丈夫そう。
眞弓:お忙しいときにはどのくらいの量作られるんですか?
白石さん:お盆が一番忙しいかなぁ。400人前くらい仕込みますね
眞弓:400人前!?(個数にして3200個!!)すごい!お盆で、今治に帰ったら食べたい味ということですよね。本当に愛されているお店なんですね
白石さん:忙しいのは、ありがたいことです
帰省した方が白雅の味を思い出して、また来店する。長い間、白雅が愛されつづけていることがよくわかります。
さて、そろそろぎょうざを・・・というところで、白石さんから一つご提案が。
白石さん:ぎょうざを召し上がっていただく前に、酢くらげいかがですか?
眞弓:スクラゲ!?メニューにもありましたね。スクラゲって何ですか?
白石さん:常連さんはぎょうざが焼けるまで、この酢くらげを食べて待ってくださるんですよ
眞弓:ぜひ、食べたいです!
と、私も常連さんスタイルに挑戦!
眞弓:いただきます!・・・コリコリしてる!冷やし中華の味がする(笑)
白石さん:夏場にいいですよね。コラーゲンたっぷり。くらげときゅうりだからカロリーも少ないから、ヘルシーですよ。ダイエット食にもお勧めです
眞弓:おいしくて、止まらない。あっという間に食べちゃう(笑)
白石さん:常連さんは、酢くらげとビールですね(笑)実は僕もこれが大好きで良く食べているんですよ
さて、そろそろ、メイン!
白雅さんのぎょうざを作っていただきましょう!水ぎょうざもあるのですが、8割の方が焼きぎょうざとのこと。今回は焼きぎょうざを注文します!
眞弓:焼くところを見せていただいてもいいですか?
白石さん:どうぞ!
特別に厨房へお邪魔させていただき鉄板の方へ行くと、あまり見たことのない、丸い鉄板がありました。普段、この鉄板でぎょうざを焼いているそうです。
眞弓:私が知っているぎょうざを焼く機械って四角のイメージなんですが、これは丸いですね?
白石さん:そうなんです。これが、特徴ですよね。熱が均一に伝わって焼き色もきつね色できれいに焼けるんです。それは、この窯のおかげだと思っています。実は、この鉄板も60年前から同じなんです
眞弓:え!?60年間同じ!?すごくきれいにお手入れされていますね!?
白石さん:はい、きれいにするようにしています
お店の随所に60年の歴史を感じることができます。と、焼く前のぎょうざも見せてもらうことに。
眞弓:ぎょうざはこの木の箱にはいっているんですか?
白石さん:そうですね。多いときにはここに七段くらい入っていて、足りなくなったらここに補充してという形で焼いています
近づいてみてみると、何だか私の想像する餃子とちょっと違う・・・。そうだ!ぎょうざでよく見る“アレ”がない!
眞弓:ひだがない!?
白石さん:そうなんです。うちのぎょうざはひだがないんです。皮が小麦粉だけなのでピタッとくっつくんですよ
眞弓:一般的なぎょうざは、皮に水をつけて、ひだを作って成形しますよね?
白石さん:うちは皮から作っていて、もうこれが当たり前で来ているからこれが一般的ですね(笑)
眞弓:そうなんですね!餡はなにが入っているんですか?
大量の餡!
白石さん:これが餡ですね。野菜が多めですね。中には、キャベツ、白菜、ねぎとショウガとにんにくをちょこっとですね
眞弓:キャベツも白菜も両方はいっているんですね?
白石さん:そうなんです。ニラを入れたりもするんですが、ばあちゃんが、ニオイが嫌だと言っていれてません(笑)
皮も餡も毎朝作って、焼いているもの60年変わっていない。これが白雅さんのぎょうざのおいしさの秘密です。
さ、鉄板も温まったので焼いていきます。ぎょうざを並べて・・・・。
少し焼き色をつけてから、蓋をして蒸し焼きにしていきます。
蓋をとると、ジュワーという音ともにモクモクと湯気が!早く食べたい!!
完成です!!ご覧ください。この焼き色。美しいきつね色!!
※写真は2人前
おいしそー―――!
白石さん:酢醤油と、一味のラー油をお好みでお召し上がりください
眞弓:いただきます!
眞弓:ん!おいしい!!
白石さん:ありがとうございます
眞弓:めっちゃおいしい!!皮がもちっとしてて、餡も野菜のうまみが出てきて。一味のラー油の辛みと酢醤油、すべてのバランスが一口に凝縮されていますね
白石さん:一味のラー油は結構辛いんで気を付けてくださいね(笑)
眞弓:そうですね(笑)少ししか入れてないのに、結構辛い!このぎょうざの皮、もちもちの食感がたまらないー!
白石さん:食べる方は年配の方でもおひとりで3人前くらいペロリと召し上がられますね
眞弓:わかりますー!どんどん食べられちゃう(笑)
白石さん:僕は猫舌なんですけど、ちょっと冷えても美味しいんで、焼き立てとちょっとお時間が経ったものを食べ比べていただくのもいいかなと思います
白雅さんのお水は、ずっとこのウイスキーのボトルでお水が提供されています。
ちょっと美味しく感じる気がします(笑)
眞弓:さて、白石さんにとってまじめとはなんでしょうか?
白石さん:そうですね。やっぱりこのぎょうざを守り続けることですかね
眞弓:やっぱり特別なんですね
白石さん:実は祖母が戦争で、中国に行っていたんです。天津でぎょうざの作り方を学んだそうです。戦争が終わって今治に帰ってきてから、ぎょうざの専門店としてスタートしたんです
眞弓:ぎょうざ1本でお店をするというのは、当時としては斬新だったんじゃないですか?
白石さん:そう。まわりからはかなり反対されたようですね。でも、祖母は『やってやった!』と誇らしげでしたよ(笑)
眞弓:すごい(笑)。周りの声に振り回されないで、自分の意思を貫いたんですね。かっこいいですね
白石さん:そうですよね。だから、まじめというのは、その味を、そのまんま変えないで作り続けていくこと。ちゃんとしっかり作って食べて喜んでいただくことですね。当たり前ですけど
眞弓:とても大事なことですよね。お客様たくさん待っていますもんね
白石さん:ありがたいことです。お客さんの『美味しかったよ!』という言葉で、疲れとか、なんもかんも不思議と飛んでいきますよね。そのためにもやっぱり、まじめに今日も、明日も作り続けます
初代のおばあさまが、中国から学んだ白雅の餃子。60年以上の時を経ても変わらずに愛されているって本当に素敵だなと思いました。
素敵なお話を聞いた後もぎょうざを食べる手が止まらない・・・!!
白石さんの言う通り、少し冷めたぎょうざは食べやすくて、さらにパクパクいけちゃいます!
みなさんもぜひ、白雅のぎょうざをご堪能ください!!
白雅
住所 :〒794-0024 愛媛県今治市共栄町2-3-9
電話番号:0898-22-6315
営業日:火~日、祝日、祝前日: 11:30~13:30/16:00~21:00
定休日:月曜日