お肉博士1級の小宮山利恵子です。
「愛媛あかね和牛」皆さん、聞いたことありますか？？
私はこれまで愛媛に何度も来ていますが、それでも初めて聞きました。
聞くところによると、愛媛県内の人にとってもまだ出合ったことがない人もいらっしゃるようです。

今回は愛媛育ちのブランド牛「愛媛あかね和牛」を求めて、生産者・新開俊之さんの牧場「和牛 新（あらた）」さんを訪れました。

田園風景の中にある新開さんの牧場

大きな牛と子牛が出迎えてくれました。
か、かわいい。。。

【まじめな豆知識】
「和牛」と名乗れるのは「黒毛和種」「褐毛和種」「無角和種」「日本短角種」の4種のみ。
全国の和牛の飼養頭数の約98％が黒毛和種。

＜愛媛あかね和牛とは？＞

私はこれまで全国の和牛を食べ歩いて来たのですが、本当に初めて出合う和牛です。
それもそのはず、新しい和牛ブランドで出荷頭数が少なく、まだ東京まで出荷が届いていないとのこと。
「あかね和牛」の特徴は、黒毛和牛では珍しいヘルシーな肉質。サシ重視から赤身と脂肪のバランスを重視した肉になっているということです。
そこで新開さんにいろいろと伺ってみました！

小宮山：今何頭くらい繁殖・肥育されていらっしゃるんですか？

新開さん：全部で250頭ほどで、その内100頭ほどが「あかね和牛」ですね。その他は同じ黒毛和牛ですがブランド違いの「伊予牛絹の味」と呼ばれるものになります

【まじめな豆知識】
肉牛生産の特徴は、子牛を生産する繁殖専門の生産者と肥育専門の生産者に大別される。近年では、新開さんのところのように一貫経営（繁殖から肥育まで行う）の生産者も増えてきた。

愛媛あかね和牛

小宮山：ヘルシーな肉にするために、どのような工夫をされていらっしゃるんですか？

新開さん：飼料に愛媛県ならではのかんきつの搾りかすやアマニ油を加えています。それによってビタミン豊富な牛肉になります。通常はサシを増やすためにあまりビタミンは与えない時期もあるのですが、「あかね和牛」の場合には赤身と脂肪のバランスが大事なので、ビタミンを与えています。
また、藁の餌は重要ですね。自分たちで稲作農家さんから毎年秋に稲わらを買って1年分の藁の飼料を作っています。牛の胃って4つあるんですよね。第1のミノ、第2のハチノス、第3のセンマイ、第4のギアラです。
牛は、一度咀嚼して胃に送ったものを再度口の中に戻して咀嚼する「反芻」を繰り返すのです。藁はなかなか消化しないのでとても大切な役割を果たしていて、反芻が上手くできる牛の肉はとても状態が良いですね。藁とともに穀物系の餌（濃厚飼料と呼ばれる）も加えてます

飼料として使う藁

穀物系の餌（濃厚飼料）

小宮山：なんで「愛媛あかね和牛」と言うのでしょう？

新開さん：和牛というと「しもふり」というイメージがある中、ちょっとヘルシーに気軽に食べられるものを目指していました。例えると、夕方の食卓に並ぶようなものをと。夕陽の茜色を想起して「愛媛あかね和牛」と名付けられたようです。その他にも、愛媛県特産であるかんきつのオレンジ色に由来しているという話もあります

【まじめな豆知識】
銘柄牛は全国で320以上あると言われており、牛の品種、牛の最終飼育場所（かつ産地＝最長飼育場所）、肥育期間、肉質等級などの取引規格、指定小売制度などによって定義されている。

小宮山：「あかね和牛」を東京でいただけるお店はありますか？

新開さん：フェアなどで一時的に食べられるお店はあるようなんですが、常設はないですね。
肉の販売は「篠崎畜産」さん（県内２店舗）で取り扱いがあります

！！！！！

これは食べて帰らなければならない。笑
そして、家族にも食べてもらいたいので、肉を買って帰らなければならない。笑

（ここから、私の感動と興奮の感情がかなり入りますので、これまでの文体と異なりますことご了承ください。笑）

＜愛媛あかね和牛 実食！＞

あかね和牛を開店当初から仕入れているという松山市内のお店「鉄板ダイニングゆう」さんへ。

おおおおおおお！！「愛媛あかね和牛ステーキ」がある！！

「愛媛あかね和牛使用 ビーフシチューオムライス」も！！
…あかね和牛のすじ肉をとろけるまで煮込みました。
これも頼むしかない。笑

ステーキとビーフシチューオムライス。
素敵な響きである。
期待が無限大に膨らむ。

始まった！
目の前の鉄板でジュージュー音を立てて。

動画でお伝えできないことが残念で仕方ない。
ステーキ肉の６面を丁寧に火入れし、ミディアムレアでいざ実食！

うわっ！柔らかくてめちゃくちゃさっぱりしてる。
それなのに、噛めば噛むほど、肉の旨味を感じられる。赤身が美味しい。
これはいくらでも食べられてしまう。
100gにしたけど、200g食べられたな・・・。笑

そうこうしているうちに、ビーフシチューオムライスが作られ始めた。
なになに、鉄板にバターをひいて、溶き卵が焼かれて、うわああああ、これだけでも美味しいやつだ！！笑
それをご飯の上に載せ、「愛媛あかね和牛」がたっぷり入ったビーフシチューがかけられて・・・。

半熟卵とビーフシチューのマリアージュが美味しい。
美味しくないわけがない。

お店のオーナーの大城祐司さんに話を伺った。

小宮山：ビーフシチューオムライス、その名前だけだと重たい感じがしたのですが、これはぺろっと食べられちゃいますね！

大城さん：このオムライスも人気で、普通サイズでもかなり多いと思うのですが、女性でも一人で召し上がる方いらっしゃいますね

小宮山：どうして「愛媛あかね和牛」を扱い始めたんですか？

大城さん：元々地元の肉を扱いたいと思っていたところ「愛媛あかね和牛」に出合って、これだ！と思ったんですよね。なので2018年の開店当初から提供しています

小宮山：価格も高くないですね？

大城さん：リーズナブルに美味しい「愛媛あかね和牛」を食べていただきたいと思って、価格を抑えて提供させていただいています

ありがたやありがたや。

ご馳走様でした！
愛媛県内で常時「愛媛あかね和牛」を頂けるお店。
また松山を訪れる際には伺います！

忘れずに、帰りにいよてつ高島屋にある「篠崎畜産」さんへ。
違いを確かめるため、「伊予牛絹の味」と「愛媛あかね和牛」のステーキを購入。笑

「愛媛あかね和牛」、ぜひ愛媛県にいらっしゃってご賞味くださいませ！
取材にご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。

お肉検定とは？
“お肉検定とは、私たちの身近な食材であるお肉「牛肉・豚肉・鶏肉・ハムやソーセージなどの食肉加工品・内臓肉などの副産物」の生産から流通、消費、調理にいたるまでの知識を深めるための検定試験です。”
http://www.nikuken.com/what-is.html
※豆知識の参考・出典：『第11回お肉検定1級テキスト2022』全国食肉検定委員会