優しさと砥部焼の魅力満載のカフェ

Zoo's Kitchen

砥部焼への敬愛が溢れるカフェでいただく

心も体も喜ぶランチ

こんにちは!ライターの岩畑です。
早速ですが、みなさん「砥部焼(とべやき)」をご存知でしょうか?
愛媛県にお住まいの方は「もちろん知ってるよ〜」という人が多いと思いますが、県外の人はいかがですか?!

砥部焼は愛媛県砥部町を中心に作られている磁気で、なんと240年以上の歴史を持つ、優れた伝統工芸品。地元で採石される陶石を砕いて作られる器は、白磁が美しく、ぽってりとしたフォルムが特徴です!

砥部焼の魅力を語り出したら止まらないので、詳しくはまじめえひめホームページをご覧ください!

>>砥部焼を知る!

そんな砥部焼の産地、砥部町で砥部焼を愛してやまないオーナーが営むカフェ「Zoo’s Kitchen」があると知り、お話を伺ってきました!

 

いざ!Zoo’s Kitchenへ!

やってきたのは、砥部町にある「砥部焼陶芸館」。 砥部にあるたくさんの窯元で作られる砥部焼の器を購入したり、実際に器づくりを体験できる施設です。
おいおい、砥部焼が好きすぎて目的地を間違ってるよ〜と思われた方、ご安心を!Zoo’s Kitchenは砥部焼陶芸館の2階にあります!

砥部焼陶芸館はこの大きなサインが目印!

建物の至るところに砥部焼のタイルが使われています!かわいい〜

1階フロアでは、たくさんの窯元で作られている様々な器を購入することができます。
と、前置きが長くなりましたが、いざ2階にあるZoo’s Kitchenへ!

階段を上がったら目の前に現れるのがZoo’s Kitchen。
可愛らしいサインボードと美味しそうなおかずが盛られた砥部焼の器の写真が目印です。

落ち着いた色合いで統一された店内。広々とした空間にはカウンター席やテーブル席があります。

みなさま、お気づきでしょうか?
店内には至る所に砥部焼が……!

ランプシェードやテーブルに埋め込まれたタイル……
砥部焼愛が感じられます。

 

砥部焼の器で彩られたランチをいただく

まずはランチを!ということでメニューをチェック!

Zoo’s Kitchenでは週替わりメニューのパスタとカレー、日替わりメニューの本日のごはんランチよりお肉とお魚の全部で4種類のメニューから選べるそうです。
ガッツリ食べたい気分だったので、本日のごはんランチ「鶏もも肉の和風チキンタツタ」をオーダー。

早速やってきました!ボリューム満点のランチ!

ご覧ください。主菜・副菜・ご飯・味噌汁・小鉢にデザート!そして食後のコーヒーとクッキー!さらに!!取材に伺った金曜日はデトックスウォーターのサービスがありました。テーブルの上がパンパンです。笑
温かいうちに、いただきましょう!!

まずはメインの鶏もも肉の和風チキンタツタから〜

味がしっかりと染み込んでいて、柔らかい〜。白ごはんに合う味付けにはどんな工夫がされているのでしょうか?!後ほど聞いてみましょう。

ご飯の上にはちょこんと乗ったバラの形のカリカリ梅。この演出は心掴まれます!
お味噌汁には愛媛では超メジャー(岩畑調べ)な「松山あげ」。このフワジュワ食感がたまらない〜

食後はコーヒーとクッキー。そしてデトックスウォーターを!

 

きっかけは、砥部焼陶芸館 元館長のひと言

と、食事のことばかりお伝えしてきましたが、提供されたランチに使われている器は全て砥部焼!どの器も食事を美しく魅せ、手に持った時の馴染みもいい。

この美味しいランチと砥部焼についてオーナーの渡部一代さんにお話を伺っていきます。

岩畑:美味しいランチでした!ごちそうさまです。さて早速ですが一代さんがお店を始められたきっかけを教えてください

一代さん:2015年から「*ずずキッチン♪毎日晴れ*」というブログを書いていて、自宅で作る日々の料理をアップしていました。
読者の方の「レシピを教えてほしい」というリクエストに答え始めると、ブログランキングに入ったり、本に掲載してもらったり、地元の企業とコラボレシピを開発したりとブログの人気が出てきました。
ちょうどその頃、砥部焼陶芸館の元館長さんが「砥部焼の器を使ってもらえませんか?」と声をかけてくださいました。陶芸館で砥部焼の食器を販売しているのですが、食器だけだと自宅で使った時の想像が少ししづらい。だけど、料理を盛った砥部焼だと、どんなふうに食卓に並ぶのかまでが想像できる。
このご依頼をきっかけに、料理の器に砥部焼を少しずつ使用しはじめ、陶芸館のポップにも使っていただきました。
そして、この館長さんからのお声がけをきっかけに、この砥部焼陶芸館の2階でお店を始めることになりました

岩畑:砥部焼陶芸館の元館長さんのひと言がきっかけだったんですね

一代さん:そう!お店を出そうという話になった時も、もちろん器は全て砥部焼にしたいと思いました。定食ではなく、今時のランチを砥部焼に盛り付けたいなと。
砥部焼って古くからの歴史があるからこそ、おじいちゃんおばあちゃんの家にある食器というイメージが付いていて。たっぷり盛られた肉じゃがを食卓の真ん中にドーンと置くというような固定概念を取っ払って、パスタも盛り付けるし、カレーも盛る。いろんな使い方があるということを提案したいと思いました

 

365日楽しめる、器の組み合わせ

工業化が発達し、さまざまな形や色の器を楽しめるようになる中で、長く親しまれてきた砥部焼にいつしか「古臭い」というイメージが付いていたのかもしれません。
そんな砥部焼を、若い人たちが親しみを感じられる使い方を提案するZoo’s Kitchen。提供する料理の器の使い方にもこだわりがあるそうです。

岩畑:お味噌汁の器がそば猪口に入っていることが斬新でした

一代さん:そうそう!お味噌汁は汁椀を使うというのも固定概念。デトックスウォーターを飲む器もそば猪口にしたり、どんな使い方をしても楽しめるのが砥部焼の良いところです!
砥部焼ってたくさんの窯元さんがいるからこそ、デザインも形も色合いも個性があって……それを楽しんでもらうためにも、提供する器は全部違う窯元さんのものを使い、器の組み合わせも1回1回全て変えていています

岩畑:ということは、今日出していただいた器の組み合わせは、今だけの組み合わせ!?

一代さん: そうです!3人組のお客さんが来て、同じメニューを頼まれたとしたら、メインのお皿もお椀も小鉢も全て違う窯元さん。365日同じセットになるということはないです。
「これはどこの窯元さんのですか?」とか、「1階で売っていますか?」と聞いてくださるお客さんがたくさんいます。今まで知らなかった窯元さんと出会えたり、好きな窯元さんの食器が使われていたら、やったーと嬉しい気持ちになってもらえたり。食べることはもちろんですが、目で見て楽しんでもらえることも、とても嬉しいです

食器がここまでランダムに提供されるお店に出会ったのは初めてで驚きました。推し窯を見つけることができるかもしれません!

 

Zoo’s Kitchenの味はみんなの味?!

岩畑:食材にもこだわりが?

一代さん:食材は全て愛媛県産のものです。お米は西条市と東温市にある契約農家さんのものを使わせてもらっています。日替わりランチの肉や魚も県内産の新鮮なものです

岩畑:「鶏もも肉の和風チキンタツタ」もジューシーで美味しかったです。もも肉だから少しコッテリ感があるのかな?と思っていましたが、さっぱりとしてご飯がすすむ味わいでした!味付けが気になります……

一代さん:Zoo’s Kitchenのレシピはインスタグラムで公開しています。「鶏もも肉の和風チキンタツタ」はこの唐揚げのレシピを使っていて……鰹出汁、醤油、みりん、酒、生姜とちょっとのごま油で味付けしてます。笑

岩畑:お店の味を公開しているとはびっくりしました!

一代さん:Zoo’s Kitchenには固定メニューがありません。その理由の一つが毎日食べても飽きないし、毎日お店に来て欲しいから。メインのメニューはもちろん、小鉢もお味噌汁の具材も毎日変えています。せっかく食べてもらうなら、体も健康になってほしいから!だから、お客さんが自宅でも作れるようにレシピを公開しています。

インスタグラムを見てみると、確かにわかりやすい!ドレッシングなどのレシピも投稿されているのですが、自宅にある調味料だけで作れるというのもお手軽!
あまり自炊をしない筆者にとっても、ハードルが高くないというのはとても嬉しいポイントです。

>>Zoo’s Kitchenインスタグラム

 

砥部焼を使うからこその気遣い

これまでのお話で、食材へのこだわり、お客さんへの心遣い、そして砥部焼への愛情を感じてきましたが、砥部焼の魅力はどのようなところにあるのでしょうか?

岩畑:一代さんにとっての砥部焼の魅力は?

一代さん:一つ一つが手作りの唯一無二というところ。量産されている器もたくさんある中で、砥部焼を一つ作るのに一ヶ月以上の時間がかけられています。形を作って素焼きをして、絵付けをして乾かして、釉薬をつけて本焼きをして……。それだけ丁寧に作られているこの白磁の砥部焼はとても愛おしい。
手間をかけて作られた器を使うからには、私もやっぱり料理には時間をかけたいなと思ったし、食べて違和感のないものを提供していきたいです

岩畑:違和感とはどういったものですか?

一代さん:口に含んだ時に、辛いなとか、味付けが濃いなとか。そういう違和感のないものですね。
例えば、ご飯の上に乗っているカリカリ梅。カリカリ梅って種を吐き出すのがストレスだったりするけれど、そのストレスを無くすことが違和感をなくすことにもなると思っています。
種を取るためにカットするならバラの形にしたら可愛いかなと思ってそうしたのですが、一度ばらの形にすると、お客さんが楽しみにしてくれているので辞めるわけにはいかなくて。笑

砥部焼を大切に思うからこその味付けや気遣いを感じられます。
ご飯の上に乗ったカリカリ梅たった一つ。そんな小さなところにまで気を配っているなんて脱帽です……。

それでは最後に、恒例のまじめを伺ってみましょう。

岩畑:一代さんにとって、まじめとは?

一代さん:優しさ!人に対する優しさですね。家族だったり友人に対する優しさを欠いてしまったら、毎日の「カリカリ梅のバラ」も表現できない。
料理の時のそのひと手間はなんのためなのか?と言われたら、優しさがあるからこそだと思います。冷凍食品を手作り風に提供することもできるくらい、豊かな世の中になっているけれど、そんな中でキャベツを千切りにしたり、唐揚げの衣を丁寧につけて揚げるということができるということは、優しさだと思います。
お客さんから「美味しかったよ」、「また来るね」と言っていただけるのは、私が最大限に表現できるお客さんに対しての優しさの一つだと思っています

お話を伺っていて一代さんに感じていたのは、「優しい」のひと言。
一代さんご本人もそうですが、お客さんに対しての姿勢や砥部焼に対しての考え方、全てが優しさに溢れていました。
ぜひ砥部焼の魅力を感じながら、心と体も健康にしてくれるランチを召し上がってください!

実は!砥部焼陶芸館の入り口にある自動販売機では、Zoo’s Kitchenで提供されるクッキーやミートソースなどを24時間いつでも購入することができます!
気軽にZoo’s Kitchenを味わえてオススメ。ぜひこちらもチェックしてくださいね!

 

Zoo's Kitchen

愛媛県伊予郡砥部町宮内83 砥部焼陶芸館2F

TEL:089-962-3900

営業時間:11:00〜16:00

定休日:水曜日

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