珈琲館 乃亜
幅広い世代から愛される、どこか懐かしいお店でいただく
店主こだわりの本格コーヒー。
愛媛県松山市出身、ライターの野本です。
普段はカフェ巡りが趣味の大学生です。
お洒落で美味しいものを堪能できるところが良いんですよね〜!
JR松山駅前の路面電車に揺られて6駅。
高砂町駅から徒歩約2分のところに、レトロな雰囲気を楽しめる純喫茶があると聞きつけ、
居ても立っても居られず “珈琲店 乃亜” にやって来ました!
いったいこの先にはどんな空間が広がっているんでしょう。
お店に入る前から、とってもワクワクします!
入口に続く階段を上がり、ドアを開けると…
そこには、重厚感溢れるインテリアに囲まれた素敵な空間が!
カウンターから「いらっしゃい」と店主の女性が優しい笑顔で迎えてくれました。
オイルショックが起きた1973年(昭和48年)にオープンした珈琲館乃亜。
店名の「乃亜」は「ノアの箱舟」から。
お店のドアの上には、船のトモ(船尾)をイメージしたオブジェがあります。
早速、店主にお話を伺おうとすると…
名前と顔出しはNGで!
店主:表に出るのが苦手な性分で…ここはお客様が1番ですから! 私は2番手、3番手でも…
この言葉からも分かるように、奥ゆかしくて、なんともお客様思いの店主!
そしてちょっぴりお茶目で、可愛らしい店主とお話できるのも、こちらの魅力でもあります。
ということでカメラの外から、お話していただきます。
野本:創業当時からこちらのオーナーを?
店主:いえ、私は2代目です。当時からお店をしていたんですが、初代が亡くなった時に「せっかくこれだけのものがあるのに、なくなるのは勿体ない」と思って、私が買って出て、引き継いだんです
チェーン店が増え、個人の飲食店が少なくなるこの町で、創業から50年。
このお店を続けてくれたからこそ、私はこのお店に出会うことができました…!
食器や内装デザインから感じられる店主のこだわり
野本:とても素敵なお店ですね! この雰囲気は、昔からずっと変わらず…?
店主:そうですね。内装から、メニュー、食器まで、50年前から変わってないです
珈琲館乃亜の魅力のひとつは、創業当時の雰囲気でまとめているところ。
ぜひお店で見てください!!
(↑私のお気に入りは、このアイアンのチェア! 年月を重ねた、レザーの色が味わい深いです)
お話を伺っている間に、ボンボン時計の心地いい音が。
1人でコーヒーを飲みながら、ゆっくり読書など…自分の趣味に没頭するのも良いかも。
幅広い世代から愛されている“珈琲館 乃亜”
私たちが来店した際も、常連さんがいらっしゃって、親しげに話している様子が印象的でした。
野本:どんなお客さんがいらっしゃいますか?
店主:半分以上は常連さんで、県内外からお客さんも来ます。最近は若い方もいらっしゃいますね。思っていることを吐き出して帰る方、1人で静かに飲んで帰る方とか。色んな人が来ますね
野本:純喫茶は若い方を中心に大人気なんですよ!
店主:そうらしいですね!この間も若い女性が「可愛い〜!」って。当時は普通だったものが、今になってみたら可愛いんですって。非日常感を体験できるのが、ウケているのかも
昭和の雰囲気が漂う純喫茶は、当時を知らない若者たちにも大人気。
珈琲館乃亜もそのひとつ。非日常的な、レトロでどこか懐かしいお店に惹かれるんですよね。
そんな素敵な空間でいただく“まじめし”とは?
こちらには、11種類のコーヒーに加えて、喫茶店の定番メニューなどがあります。
う〜ん、どれも魅力的で迷っちゃいますね…!
(ハワイコナNo.1は、豆の輸入が途絶えて飲めないとのこと、残念!)
悩んだ末に私が最初に選び抜いたのは、この美味しそうなモーニングセット!
飲み物にトースト、サラダ、ゆで卵がワンプレートで提供されます。
それではさっそく…
見てくださいこの厚切りトースト!
注文を受けてから、食パンをカットしているんです。
このひと手間にも優しさを感じますよね。
そして、鼻へ抜けるバターのいい香り。たまらない!
たっぷりジャムを付けて…
甘じょっぱくて美味しい〜!
バターがじゅわっと染みたトーストに、甘酸っぱいイチゴジャム!
それを口いっぱい頬張る…これが幸せってやつか…
野本:サラダにカボチャが入っているのは珍しいですね!甘くて美味しいです!
店主:自分の好きなものを入れています(笑)
サラダには季節の野菜をひとつは使うというこだわり!全く無駄のない、理想のモーニングです。
やっぱり食後はコーヒー!
私はお店の名前が入った乃亜ブレンドコーヒーをチョイス。
お花が描かれたカップとソーサーで出てきました。
可愛い食器で提供されるのも、純喫茶の魅力ですよね! お店の個性が出ます。
コーヒーのいい香り…!いただきます。
スッキリとした味わいで、とっても飲みやすい!
苦味・酸味のバランスが取れていて、初心者でも飲みやすいコーヒーです。
ブルーマウンテンに近い味なんだとか。
美味しさの秘密はコーヒーの淹れ方にもありました。
こちらではコーヒーをガスで温めたサイフォンで淹れているんです!
家庭ではなかなか味わえない、本格的なコーヒーがいただけます。
野本:やっぱりペーパードリップとは味が違いますか?
店主:違いますね、雑味がでません。
アルコールタイプのサイフォンとの違いだと、ガスは火の調整ができるからいいですね
この淹れ方だと、味にバラつきがなく、コクのあるしっかりとした味わいになるそうです。
誰にでも親しまれる美味しいコーヒーです。
コーヒーはコンビニなどで手軽に購入できますが、やっぱりそれとは味が格別に違いますね!
落ち着いた空間で、可愛い食器を楽しみながら、店主が丁寧に淹れたコーヒーを味わう。
時間が経つのが早く感じる世の中ですが、ここではゆったりと時間が流れます。
あと…忘れてはいけません。純喫茶に欠かせないものといえば!
店主:若い方がよく頼まれますね! お年寄りは年中ホットコーヒーですけど…
野本:そうなんですか!確かに、SNSでよく見かけるような…
お味もさることながら、なんと言ってもこのビジュアル。
こちらのお店の雰囲気といい、フォトジェニックです!写真を撮りたくなりますね!
レトロなグラスに入ったメロンソーダが、宝石みたいにキラキラしていて…!
カワイイ…いただきます!
店主がアイスをもりもりに乗せてくれました。
幸せすぎて笑ってしまいました。子供の時に大好きだったメロンソーダ。
大人になっても心惹かれる飲み物ですよね!童心に帰ることができました。
店主にとっての “まじめ”とは?
“まじめし”をたっぷり堪能したところで、店主にとっての“まじめ”とは何かをお聞きしました。
店主:公私ともに仕事を優先。お店の周りの掃除も気をつけています
細やかな気配りも大切なんですね。それがお店に繋がってくる。そこを怠っていると、どんなに良いお店でも続かない。このお店を長年続けてきた店主がおっしゃっているからでしょうか、説得力が増します。
お店の将来について
最後に、お店の将来についてお聞きしました。
野本:お店をしていて感じた、昔と変わったことはありますか?
店主:昔の人は、常に来てくれる人が多かったですよね。今の人は、忙しい人が多い。決まった時間に来る人はあまりいないですね。特に若い方はお店にこだわらないように感じます
野本:確かにそうかも…私も頻繁に行くようなお店はないですね。
では、そのような人が多い中で、どんなお店にしたいですか?
店主:色んな人が来てくれるような、味だけではなく、空間を提供する、オリジナリティのあるお店になれるように頑張りたいですね!
もう十二分に素敵で個性に溢れたお店です!
前を通りがかる度に気になっていたお店だったんですが、来てよかったです。
純喫茶とは、純粋にコーヒーを楽しむ喫茶店のこと。
美味しい本格的なコーヒーを、非日常的な空間で楽しみたい、素敵な店主に会いたいという方は、“珈琲館 乃亜”に来てみては?
入るのに勇気がいるけど、入るとそこには、居心地の良い空間がありました。
珈琲館 乃亜
愛媛県松山市高砂町3-7-3
TEL:089-924-5898
営業時間:8:00〜17:00
定休日:第1・3・5日曜日