大衆酒場 ぶり丸
食べたものを虜にする
栄養と脂をしっかりと溜め込み
丸々太った愛媛県で養殖されたブリを堪能!
みなさんこんにちは!まじめしライターの岩畑です。
私事ではありますが、愛媛に通い始め2年強。ずっと気になっていたお店があるんです。その名も「大衆酒場 ぶり丸」。店名だけで何が食べられるかお気づきですよね。そう!ブリです!
ブリといえば氷見の寒ブリなど、日本海側で獲れるイメージを持たれる方も多いかと思います。かく言う私もその一人。しかし調べてみると、愛媛県は全国でもトップクラスのブリの生産量を誇る産地であることを知りました。
愛媛県宇和島市の離島で育てられる「戸島一番ブリ」や、みかんの皮を食べて育った「みかんブリ」など、愛媛県の中でもさまざまな養殖ブリがあり、今回伺うぶり丸では愛南町の久良漁協で養殖された「久良(ひさよし)のぶり」を味わうことができるそう。
冬に旬を迎えるブリに心躍らせ、行ってきまーす!
ぶり丸は松山市朝生田町にあるショッピングモール「ジョー・プラ」近くにあります。
大漁旗のような看板と提灯が目印です!
「ぶりしゃぶ始めました」の文字に期待も最高潮(笑)。
店内はテーブル席とカウンター席。昭和レトロな雰囲気が落ち着きます。
みなさんお気づきですか?どのテーブルにも卓上IHヒーターが設置済み!ぶりしゃぶ人気が伺えますよね。ということで、まずは大衆酒場 ぶり丸の冬季限定メニュー「ぶりしゃぶ」を味わいます!
冬に旬を迎えるブリを味わい尽くす!
まずはこちら!「ぶりしゃぶ(2人前)」です!ドーン!
脂の乗ったツヤッツヤのブリがドーン!
沸騰した鍋に、白菜・豆腐・水菜・春菊を入れ、再度沸騰したら、たっぷりのネギをブリで巻き、出汁にさっと潜らせます。
ブリの表面の色が変わったらポン酢につけていただきます!
脂がノリにのったブリは甘みが凝縮されていて美味しい!旬の時期だけあって、身がギュッと引き締まっていて旨味も強く感じます。
ブリの脂と一緒に巻いたネギのさっぱり感&シャキッとした食感も相性抜群です。
これは何切れでも食べられる美味しさ!箸が止まらないとはこういうことか!と驚きました(笑)。
美味しいぶりしゃぶを堪能した後は…やっぱり〆の雑炊!ということで、店主に準備いただきます。その間にいただいたのがこちら。「鰤のぶった刺(五合升)」。
大きな切り身がたっぷり!
この画像で、一切れの大きさが伝わりますか?!大盤振る舞いにも程があるサイズ感です(爆)。
脂でキラキラと輝くぶった刺をいただきます!
もうね、歯応えがすごいんですよ!ブリンブリンの身はコリッコリ!この食感は新鮮なブリだからこそ。
さらに口の中の熱でブリの身から溶け出す甘い脂。これは美味しすぎます!
しゃぶしゃぶ、刺身ときたら焼きもいきましょう。「ぶりかま塩焼き」です。
じっくりと焼き上げたぶりかま塩焼きはほっくほく。ほぐした身には、溶け出した脂が満遍なくおおわれ、ツヤっと輝きます。
ふっくらジューシーな身とパリパリの皮がたまりません。
「ブリってどんな食べ方をしても美味しいね」なんてカメラマンと話をしていたら、やってきたのがこちら!「〆のたまご雑炊(2人前)」。
ちょっと待ってください!よ〜く見ると、雑炊にブリの切り身が…。
大盤振る舞いすぎるメニューに感謝しながら、いただきます!
ブリの脂が溶け出した出汁が染み込んだお米は、旨味が凝縮していて口の中で大爆発を起こします。大袈裟な〜と思ったみなさん、これ本当ですから!
最後の最後までブリを味わい尽くせる、ぶり丸のぶりしゃぶに大満足!ごちそうさまでした。
大切に育てられたブリを、美味しく味わってもらうため
ブリ好きにはたまらないメニューを提供する、大衆酒場 ぶり丸の店主・野本明洋さんと奥さまの和香さんにお話を伺います。
岩畑:ブリをメインに取り扱おうと思ったのはなぜでしょうか?
明洋さん:もともと愛媛県内で飲食店を始めたいなと思っていた時に、どんな食材を取り扱うかを考えていました。私自身、愛媛の南側の南予と呼ばれるエリアに知り合いが多く、そのつてで「久良(ひさよし)漁協」との繋がりができました。
漁協のみなさんが美味しいブリの養殖に力を入れていることを知り、一緒に頑張りたいという思いから、「久良のぶり」をはじめ、愛媛のブリをメインにしたお店にしました。
岩畑:初めて久良のぶりを食べて感じたことはありましたか?
明洋さん:やっぱり美味しいですよね。脂のノリもいいですし、何より新鮮。お店に運ばれてくるブリも、久良漁協で揚げてすぐのものを新鮮な状態で一匹丸々直送してもらっています。
岩畑:一匹丸々なんですね!
明洋さん:そう。送られてくるブリはこんな感じ。
明洋さん:頭から尻尾まででいうと大体80cm超くらいかな。普通の魚って、まな板の上に置いた時、身とまな板の間に隙間ってほとんどできないけど、旬のブリは丸々太っているからまな板の上に置くと、お腹の当たりを点にしてコマみたいにクルクル回るんです。
春に産卵時期を迎えるブリは冬になるとエサを活発に食べて、脂と栄養を体に蓄えて丸々と太った姿になるからです。
ぶり丸では10月半ば頃から3月くらいまで、久良漁協の栄養を蓄えたブリを使ったぶりしゃぶを提供しています。
ぶりしゃぶが冬季限定メニューの理由は、脂と栄養を蓄えたブリを使うため。もちろん年間通してぶりしゃぶ以外のメニューは味わえるとのこと。
岩畑:「鰤のぶった刺」や「ぶりかま塩焼き」も美味しかったのですが、ぶりしゃぶの美味しさにはびっくりしました。ブリの身の脂が出汁に溶けだすから、多少パサっとしてしまうのかな?なんて思っていましたが、そんなことは全くなく、むしろしゃぶしゃぶした時の熱で脂の甘みを引き出しているんじゃないかと感じるほど美味しかったです。毎年、ぶりしゃぶを楽しみにされているお客さんも多いのでは?
明洋さん:います!います!うちのぶりしゃぶを一度食べたら、病みつきになるそうです(笑)。寒くなった頃に、「ぶりしゃぶ食べにきたよ〜」と来るお客様も多いです。
岩畑:病みつき。まさにその言葉がピッタリですね。そういえば、ぶりしゃぶのテイクアウもできるんですよね?
明洋さん:昨年から始めました。年配のお客さまはお店で食べるよりも自宅で食べる方が落ち着く方も多いと思います。そういう方に向けてスタートしたのがテイクアウトです。お店で味わうのももちろん美味しいけれど、同じクオリティのものを自宅で家族や仲間と気兼ねなく食べてもらえると嬉しいですね。
一家団欒を楽しむのに最適な鍋料理を自宅で、しかもお店の味をそのまま味わえるというのも良い!お客さんを大切に考えている明洋さんの配慮が伺えます。
変わらず続けることの大切さ
ちょうど取材に伺った時期にぶり丸は6周年を迎えたそうです。今後のことなども聞いていきます。
岩畑:これからのぶり丸のビジョンはありますか?
明洋さん:これからも、今までと変わらないスタイルで久良漁協で養殖される美味しいブリを提供することを大切にしたいです。
お客さまと一緒に和気藹々と毎日を過ごしています。この営業スタイルを喜んでくださるお客さまのためにも、いつものぶり丸でいることが大切だと思っています。
岩畑:ぶり丸を愛するお客さんのことを大切にされているんですね。最後に、明洋さんにとって“まじめ”とはなんでしょうか?
明洋さん:不真面目があるから“まじめ”でいられるのかな、と。
お店ではお客さまと一緒にお酒を飲みながら切り盛りをしているんです(笑)。お酒を飲むのもよし。でもその一方で真剣に調理をして美味しい食事を提供する。そのバランスが大事だと思います。
気さくな明洋さんと、優しさあふれる和香さんのお二人の接客と、愛媛県の最南端で栄養分ゆたかな黒潮が回流する久良漁協の養殖漁場で育てられた「久良のぶり」。どちらも堪能できる大衆酒場 ぶり丸へぜひお越しください!
大衆酒場 ぶり丸
愛媛県松山市朝生田町5-8-29
営業時間:18:00〜0:00
定休日:水曜日
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