40年以上愛される松山のケーキ

GIV

松山で40年以上愛されるケーキを作る職人さんは〇〇屋さん!?

自分の舌を信じ、自分がおいしいと思うものを作り続ける男のケーキに対する思いとは?

松山市竹原へやってきました。松山市立図書館や体育館、プラネタリムなどがあるコミュニティセンターのすぐ近くに今回ご紹介するお店があります。
どうも。ライターの山本清文です。

松山市総合コミュニティセンターのすぐ近く!

松山で40年以上愛されているケーキ店・GIV。
これだけ長く続けられているのには秘密がありました。

まさに今回の企画にふさわしい、まじめに愚直に丁寧に質の高いケーキを作り続けているお店です。
さっそく中に入ってみましょう!

白を基調とした店内。甘くて香ばしい香り。奥からビーー-っと音がします。オーブンでクッキーが焼けたのでしょうか。目に入るのは美味しそうなケーキが並んだショーケース。たくさんの焼き菓子も私を迎えてくれます。

1980年に松山市三番町にGIVをオープン。
その七年後、にGIVのケーキがいただけるカフェ・グレイズを松山市千舟町にオープン(現在も営業中)。

GIVはその後、藤原町へ移転。そして2015年に今の竹原にやってきました。

この時間はブルーベリータルトの仕上げ中でした

完成!おいしそう!

オープン当時は、パイやクレープなど松山市内では扱っているお店は少なかったとのこと。
お洒落で美味しいとGIVはあっという間に人気のケーキ屋さんになりました。
 
その後も根強いファン、リピーターに愛されるお店になったのですが、移転をせざるを得ない状況が続き、昔のお客さんの中には、もう閉店してしまったと思っている方もいらっしゃるそうで、竹原にあるお店を見つけて久しぶりに食べられてうれしいという声は今でも多いのだとか。
 
この記事でGIVのファンでした!という方が一人でも再会いただけたら幸いです。
 
さて。そんな長年愛されているケーキ店・GIV。一体どんな方がその人気のケーキを作っているのでしょう。

こちらが、ご主人の松波俊雄さん!

恥ずかしがりや!?

と、松波さんは顔出しNG!普段なかなか取材も受けないという。恥ずかしがり屋だから?人見知りだから?普段は接客をすることも稀で、もっぱらケーキを作り続けている職人さんなのです。ということで今回も背中で語っていただきます。

GIVのチョコレートケーキを見て、TOPSを思い出した方もいらっしゃるのでは?
そう。松波さんはあのTOPSで修行をされた方なのです。若いころ上京し、美味しいものを作りたい!という探求心・好奇心からTOPSへ。ここで様々なことを学んだといいます。

その後、知り合いの勧めもあり、愛媛に戻ってくることに。

ついに独立!

山本:不安はなかったんですか?
松波さん:めちゃくちゃ不安やったよー。ビビってた。当時は作れるケーキの数も少なかったし。振り返ってみると、お店を出して本当に良かった。特に最初の三番町のお店はとても気に入っていた。いい人にも巡り合えて、内装も素敵だった。空間も含めて好きになってくれたお客さんも多かったんじゃないかな。うん。いい店だったなぁ

昔の話を語ってくださいました。
松波さんはご自身のお店、ケーキを愛してるのが伝わってきます。これはまじめなケーキ屋さんなんだなぁと感じました。

松波さん:TOPSは大きなお店だったから、修行時代は自分がまさかこういう個人店を経営すると思っていなかった。今でもケーキ職人だけど、作るだけではない様々なこと試行錯誤した。多くの友人やお客さんに支えられたから、ここまで長くやってこられたのかなぁ

40年以上、愛されているお店のケーキ。気になりますよね?今回はたくさんご紹介しますよ!

最初にいただくのは人気No1のチョコレートケーキ!

GIVの代名詞といっても過言ではないチョコレートケーキ。
TOPSの味をそのまま、、、と思いきや!?そうではありません。TOPSをベースに松波さんのアイディアと工夫が加えられているのです。これは、間違いなく“GIVのチョコレートケーキ”です。

ではいただきましょう!

これこれこれ!!
生地とチョコクリームのハーモニーが最高!そこにカリッとした触感!?これは!?

そうクルミ。あっさり上品な甘さのケーキ。
これ以上ないというくらい引き算のケーキではないでしょうか。無駄がないシンプルさ。だからこそ、流行りに左右されない、信念のようなものも感じられます。 定番として長年、愛され続ける理由がわかります。

2つ目はあのブルータスも認めたベイクドのチーズケーキ『メイドオブオーナー』!

続いてはこちらのベイクドチーズケーキ。その名も「メイドオブオーナー」。
メイドオブオーナーの名に恥じない。松波さん自信の一品。

松波さん:まぁこれは結構おいしいと思うんやけどなぁ

控え目すぎる言葉ですが、表情からは自信と誇りが感じられます。
ではいただきます!

フォークを入れるとねっとり、しっとりとした手触り。期待できます!いただきます!

美味しい!!
濃厚なチーズが幸福にしてくれます。芳醇なチーズが口いっぱいに広がります。次に表面のアーモンドの触感がやってきます。そしてサクサク触感のタルト生地が口の中で一つに!なんという幸せなケーキ!チーズ好きにはたまらない一皿。

と、ケーキのショーケースにあの『ブルータス』が!?

そう、実はこのメイドオブオーナー。ブルータスにも取り上げられたケーキなのです。
多くの美食家の舌を唸らせてきたチーズケーキ。愛媛県松山市でいただけるです!

山本:やっぱり美味しいですね!?
松波さん:そうかなぁ?

にこーっと笑って嬉しそうな松波さん。

山本:どんなチーズを使っているんですか?
松波さん:やっぱり質のいいものだよね。アーモンドの量、レモンの量、お酒の具合。いろいろ何度も何度も試して今の形がある。まぁお客さんは食べても気が付かないくらいの変化なんだけどね。自分が納得する。自分が美味しいものを作りたいっていうのがあるんだよなぁ

試行錯誤し、現在の形に。お客さんもわからない微妙な違い。自分の舌を信じ、自分の味を追求したものが今日もショーケースに並びます。松波さんは今でも自分のケーキを試食して変化がないか確かめているそうです。

続いては、レモンパイ。

リピーター多数の夏の限定ケーキ!

6月から9月の夏季限定の品。作るのはとても手間がかかるそうで・・・・。
「作るのめんどくさいんだよなー」と。松波さん。

正直すぎる笑。
しかし、これは裏を返せば美味しいものを作るために毎日毎日、まじめに高い質のケーキを作り続けている証拠ではないでしょうか。
手を抜こうと思えば抜けるわけです。しかし、めんどくさい、でもやるかーとなるわけです。
良いものを作るためのは手間が掛かる。それを知っているのは一流だからこそ。それを惜しまない。松波さんがまじめに作るケーキです。

レモンの風味とクリームが相まって、酸味と甘みが口いっぱいに広がります。これは癖になります!
なんと爽やかなケーキなのでしょう。ぜひ一度ご賞味いただきたい期間限定の逸品!

さて、私が喉を掘ってご紹介したいのが、GIVのクレープ。 初めて食べたときあまりの美味しさ衝撃を受けました。

慣れた手つき。あっという間にクレープ生地が焼きあがります。
とにかく生地が別格。しっとり、もっちもち。生地だけでも食べていただきたい!

まずはベース。プレーン、カスタード、ホイップクリーム、ホイップチョコクリーム、ホイップカスタードから選びます。私のおすすめは、ホイップクリーム&カスタード。
さらに、トッピング。フルーツはもちろん、ナッツも合います。というか合わない組み合わせはありません!

今回はホイップカスタード+いちご+ビターチョコ!

ここで、私が最初にGIVを好きになった理由を。
もう10年以上前のこと。当時藤原町にあったころです。甘党の私はGIVのファンになりました。
少しずつ通い、顔も覚えてもらい、話をしていただけるようになりました。松波さんにクレープも美味しいよと勧められ、初めてクレープを注文したときのことを忘れもしません。私はチョコバナナを注文。
―――とここで衝撃の一言が松波さんから発せられたのです。

松波さん:あ、今日バナナ買うの忘れたわー。バナナはないなぁ
私:・・・・・・・・!!!!!
どうですか、この正直さ。

普通、「申し訳ございません、本日バナナをきらせておりまして」もしくは「バナナ売り切れました。」ですよね!?それも、「買うん忘れたー」!?衝撃!!
しかも、クレープ勧めたん松波さんやん!!(笑)

このときはそこまでの仲でもなく、「じゃ、あるやつでいいですよー」と私。
そのときに何を食べたかは覚えていませんが、とにかく美味しかったのが思い出。そして、このご主人のファンになってしまったのです。

今でもこの話をすると、笑いながら、そんなことあったっけ?と覚えてもいない松波さん(笑)。愛されるお人柄です。

最後に焼き菓子をひとつ。

お土産に、伊予柑パウンドケーキ。
愛媛県の伊予柑でケーキが作れないか?と開発。
パウンドケーキは昔からあったがなかなか自分の納得のいくものが出来なったといいます。

松波:なんかパサパサしたり、おいしいんが出来んかったけど。これは、まぁいけるかなーというのがようやくできたかなぁ

これまた試行錯誤すること、なんと10年以上!

ここのケーキを食べたら、いかにまじめにお菓子作りに取り組んでいるか伝わります。今回お話して再確認出来ました。
変わらない味。高い質を維持し続けているからこそ、固定のファン、リピーターが多いわけです。

松波さん:味は好みだから、うちのケーキが美味しいかはわからんよ。わしの好みのもんを作りりよるだけやけんね

まじめとは、自分がおいしいと思うものを作り続けること。
かもしれません。

松波さん:もう腰が痛いけん、いつまで続けられるかなぁ(笑)

自分に妥協しないで、作り続ける姿勢に脱帽です。これからもおいしいケーキ期待しています!

※喫茶として営業はしておりません。また現在イートインはご利用いただけません。取材時は特別に撮影させていただきました。

GIV

住所 :〒790-0053 愛媛県松山市竹原2-13-24-1階西

電話番号:089-947-9500

営業日:火~金 11:00~20:00 土日 11:00~18:00

定休日:月曜日 第3火曜日

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