岡村島の魅力が詰まった食堂

関前食堂

目の前には海が!

島の魅力がたっぷり

詰まった居心地のいい食堂

大学生ライターのはなです!
松山市から車で約1時間の今治港にやってきました。今回はなんとフェリーに乗って取材に行ってきます!

今治港からフェリーで1時間半。見えてきたのは、関前諸島の1つ、岡村島です。岡村島は、広島県呉市と「とびしま海道」でつながっている島で、「とびしま海道」は、「しまなみ海道」と同じように、サイクリングコースとして有名です。今回は、岡村島の港から歩いて3分の所にある、関前食堂の店主、加藤成崇さんにお話を聞いてきました!

はな:今日は、食堂のことや料理のことなど、加藤さんにお話をお聞きしたいと思っています。よろしくお願いします。

加藤さん:よろしくお願いします。

おしゃれで居心地がいいお店

はな:まず、関前食堂を開いたきっかけを教えてください。

加藤さん:元々地域おこし協力隊で岡村島に来て、東京から通っていたんです。1ヶ月に1回岡村島に来て、滞在して帰って、その時に、食事する所に困ったので自分でお店をやろうと思いました。

はな:なるほど!岡村島を選んだのはなぜですか?

加藤さん:島暮らしをしたいなと考えていて、東京で瀬戸内フェアに行った時、とびしま海道を知り、遊びに来た時、いいなと思って通い始めました。

はな:岡村島のどんな所に魅力を感じましたか?

加藤さん:人が良かった。歩いていたら知らない人がみかんくれるんですよ。どっから来たん?って(笑)。東京でいきなり渡されたら怖くないですか?

はな:確かに怖いですね(笑)。

加藤さん:東京だと絶対食べないですよね(笑)。
でもここなら食べれるなと。あと、島のサイズ感。大きい他の島とかも見たんですけど、大きすぎて島にいる感が足りなかった。岡村島だと集落がこの近くしかなくて、どこからでも海が見える。コンパクトなサイズ感が良かった。

はな:みなさんこの近くに住んでいるんですね。島の人達は顔見知りですか?

加藤さん:そうですね。みんな顔見知りです。

はな:大家族みたいでいいですね。お店に着いた時、見た目が他の建物と違うように感じました。元々ここは何の建物でしたか?

加藤さん:同じ関前諸島にある小大下島という島が明治時代に石灰で栄えていたんです。それからいろんな企業が来て、その企業のお偉いさんをもてなしたり、打ち合わせの場に使われていました。建物自体は大正時代に建てられていますが、当時にしては、モダンな作りだと思います。

はな:天井の模様とか、とてもおしゃれですね!リノベーションしたのですか?

加藤さん:全部私と奥さんでやりました。床も貼って、カウンターも板を削って作りました。

はな:このガラスも作ったのですか?

加藤さん:実は、このガラスは奥さんが拾ってきたんです(笑)。

はな:拾ってきた?!

加藤さん:東京で暮らしている時に、これが捨ててあって、いつか使えそうだなと思って拾いました(笑)。

はな:とてもきれいなガラスですが、拾おうという発想になるのが凄いです(笑)。

加藤さん:ちなみに、トイレの小屋も作りました。

はな:小屋!本格的ですね!元々、リノベとかはやったことはあったのですか?

加藤さん:全くやったことがなかったです。島の大工さんに道具を借りたり本を読んだりして作りました。

はな:そうだったのですね!本当に素敵な建物です。木のぬくもりで居心地が良く感じます!

愛情と島のものがたっぷり詰まった料理

ここで、食堂の料理をいただきます!
今回食べたのは、人気No1である島レモンのバターチキンカレー、島レモンのラッシー、魚の漬け丼定食、レモン薫る自家製プリンです。

まずは、島レモンのバターチキンカレーから。スパイスの香りがおなかを空かせます、、、

ピリッとした辛さとレモンの酸味が感じられます。また、ルーが濃厚でコクがありクセになるカレーでした!また食べたい!

次にいただいたのは、島レモンのラッシー。

レモンの味がして、さっぱり!甘すぎなくてごくごく飲めちゃうラッシーです!スパイシーなカレーとすごく合います!

次は、その日に島で採れた魚で出してくれる魚の漬け丼をいただきます!この日は、コブダイでした。定食の内容は、漬け丼、あら汁、煮物、お漬物です。

まずは、コブダイの漬け丼をいただきます。

たれの味が染み込んでいてご飯と合います!卵と絡ませることでよりまろやかになり美味しすぎて止まりません。かかっているゴマの風味との相性も抜群!コブダイは、当日採れた新鮮なものなので、歯ごたえも抜群で美味しい!あら汁は、魚の出汁がしっかりと出ていてとても美味しかったです。煮物も魚の身が柔らかくてほろほろでした!

次にいただいたのは、島レモン薫る自家製プリンです。

レモン×プリンってどんな味かあまり想像できなかったのですが、とても美味しい!固めの食感で、ずっしりしているのにレモンでさっぱり感じられて食べやすかったです。カラメルのほろ苦さもあって、甘すぎないプリンでした!

はな:料理のことも少しお聞きしたいのですが、人気No1は、島レモンのバターチキンカレーだとお聞きしましたが、加藤さんが好きなメニューはなんですか?

加藤さん:全部好きですね。お客さんに寄せているというよりも自分が食べたいのを出しています。あと、全商品奥さんが美味しいと思うものを販売しています。

はな:全商品に愛があるんですね。それは、選べないですね笑

加藤さん:でもプリン好きかな、特に。

はな:プリン、とても美味しかったです!なにかこだわりはありますか?

加藤さん:プリンは完成まで何年もかかりました。レモンを使っているところが他とは違うと思います。

はな:プリンとレモンって意外と想像できないような気がします。あと、島レモンのラッシーを飲んで思ったのですが、レモン以外何かの味がしたのですが、何か入っていますか?

加藤さん:スパイスが入っています。企業秘密なので言えないです(笑)。

はな:スパイスだったんですね!わかりました(笑)。

加藤さん:ラッシーってインド料理屋で食べるともっとドロドロした甘いものだと思うんですけど、岡村島には、レモンがあるので爽やかにしたのとスパイスを使って、飲みやすくしました。

はな:ここでしか飲めない、特別なラッシーですね!

ワークライフバランスを保つことができる島暮らし

はな:地域おこし協力隊についてなのですが、東京で最初働かれてたじゃないですか?どうして地域おこし協力隊になろうと思ったのですか?

加藤さん:元々地域おこし協力隊になりたいと思っていたわけではなくて、島暮らしがしたいとただ思っていたんです。岡村島に通っていたら、地域おこし協力隊があるよと聞いて、面白そうだと思い、応募しました。

はな:そうなんですね!東京で働かれていた時は、地域や飲食店に関係するお仕事だったんですか?

加藤さん:地域の仕事はしていないですが、飲食関係の仕事をしていました。

はな:そこから食堂開くことってすごい勇気がいることだと思うのですが。

加藤さん:そうですね。でも協力隊の3年間があったので。協力隊では、食をテーマにこの島を盛り上げられたらなと決めて、食を中心にやっていました。

はな:食堂以外にも何かやっていたことはありますか?

加藤さん:しま味噌っていう味噌なんですけど、協力隊の時に、島のおばあちゃん達と一緒に味噌製造業の資格を取って、作り始めました。

はな:Xでおばあちゃん達との写真を拝見して、素敵だなと思いました!味噌製造は、毎年行っているのですか?

加藤さん:そうです。毎年味噌は足りないぐらい売れます。今年は160kg作ったんですけど、あと3パックなんです。

はな:すごく人気がありますね!地域のおばあちゃん達と作っているというのが良いですね!

加藤さん:そうですね。昔、岡村島の詰め合わせセットがあったんですよ、今で言うふるさと納税返礼品みたいな。みかんとか味噌とか詰め合わせで売っていたみたいなんです。その味噌が美味しいと言われていて。でも味噌を作る人がどんどんいなくなっちゃって、それで、私が教えてもらっていて、関前地域活性化推進協議会を通じて復活させました。

はな:昔からの伝統の味噌なんですね!味が気になります!加藤さんは何をモチベーションに働いていますか?

加藤さん:お金好きなんで、お金稼ぎたいです(笑)。あと、子供ですかね、家族のために、っていうのがモチベーションです。東京だと、朝早くて夜遅くてほとんど家族との会話も無かったので、島に来てから、ワークライフバランスを保って、今はなるべく17時前には家に帰るようにして、子供と遊んだりしています。

はな:とても良いお父さんですね!ワークライフバランスを保つことができる島暮らし、憧れます!お話を聞いていると、生活が楽しそうなのが伝わってきます!

加藤さん:そうですね、楽しいです。お店も週3しか開けてなくて、ゆっくりしているけど、忙しいっちゃ忙しいのかな。島に来てもっとゆっくりかなと思ったら意外と忙しくて、でもその忙しさが苦じゃない。ストレスがない忙しさ。あと、農業やったりしています。レジの横にある「はるか」は僕が作ったんです。

はな:レモンですか?

加藤さん:はるかっていう柑橘です。食べたことないですか?

はな:ないです、、、

加藤さん:ぜひ食べてください!切ってきます!

はな:ええ!いいんですか!ありがとうございます!

こちらがいただいた「はるか」です。見た目は黄色で酸っぱそう、、

食べてみたらびっくり!とても甘い!スイーツ感覚で食べられちゃう果物でした!食感は、プチプチしていて、ジューシーさを感じます。
無肥料無農薬で作っているので安心して食べることができます。「食べチョク」というサイトで販売していて、一昨年は果物部門で入選しているそう!
気になった方は是非、「自然農園SEKIZENFARM」で検索してみてください!

はな:柑橘栽培と食堂とあと、宿泊施設もしていると拝見しました。

加藤さん:はい、そうです。関前ふるさと交流館という所です。市から委託を受けて運営しています。

はな:そうなんですね!

加藤さん:古い建物なんですけど、大部屋が何個かあって、安さで売っているので、団体様におすすめです。1泊3,000円ぐらいで。

はな:とても安いですね!

加藤さん:食事とかはないんです。若い人が泊まるなら近くにグランピングができたのでそっちがオススメですよ!(笑)。でも関前ふるさと交流館、眺めは良いです!こうやって、宿泊施設の仕事もやっていると意外と忙しいんですよね。

はな:食堂と農業と宿泊施設の三刀流、、忙しいですね、、

人間らしい生活がまじめ

はな:関前食堂は岡村島にとってどんな存在にしたいとお考えですか?

加藤さん:関前諸島とか岡村島っていうのを知ってもらうための食堂ですね。だから、店名を関前にしました。それで、島の食材を使って岡村島をPR出来たらなと。岡村島は、サイクリングやツーリングが主で、広島から来る人はゴール地点・折り返し地点、愛媛から来る人はスタート地点で面白い地域なんです。これからが見込める地域かなと思っています。

はな:だから島のものを使用したメニューを販売しているのですね!たしかに、面白い地域ですね。最後に、加藤さんにとって“まじめ”とはどのようなものですか?

加藤さん:まじめじゃないから難しいなぁ(笑)。でも、まじめってなるかわからないんですけど、人間らしく過ごすことかな。東京にいるときは、会社の歯車だった。移住するときは、人間らしく生活できるところを探そうとしたんですよ。だから、人間らしく生活していることが“まじめ”なのかな。

はな:かっこいいです!ありがとうございます!

インタビューを通して、島のため、家族のために熱心に働かれている真剣さと無邪気さを感じさせる加藤さんの人柄で温かい気持ちになりました。島の人、観光客、たくさんの人に愛される関前食堂。是非行ってみてください!

関前食堂

愛媛県今治市関前岡村甲852-4

営業時間:金曜日11:30-13:30/土・日・祝祭日 11:00-14:00
定休日:月・火・水・木曜日

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