ゴトウ洋菓子店
「どこにもないおいしさ」にこだわり続けて50年余り。
四国中央市の手土産で大人気「午後のチーズ」を販売する洋菓子店を取材!
まじめしライターの井上です!
今回は、四国中央市で長年愛される「ゴトウ洋菓子店」さんにやってきました♪
以前からこのお店の大ファンであるため、みなさんに少しでも魅力が伝わればいいなと思います!
長年愛される理由はいかに!?
おすすめのケーキを実食!
取材にお伺いしたのは10月下旬。
ショーケースを見ると看板メニューである「午後のチーズ」や秋の味覚である栗・さつまいも等を使用したケーキがお出迎え!
キラキラしたケーキを見ると一気に気分があがります!
店内の甘い香りに包まれながら、どれにしようか迷う時間が至福の時間ですよね♡
「ゴトウ洋菓子店」さんでは購入したケーキをイートインスペースで食べることも可能です。
シェフにおすすめを聞きながらいくつかいただきました。
まずは、看板メニューである「午後のチーズ」。
お、おいしすぎる(涙)。
「午後のチーズ」のファンである私は、既に何度も食べたことあるのですが、いつ食べても感動するおいしさ…見てください、この幸せそうな顔…。
なめらかな舌触りにチーズの豊かな香り。チーズの味がしっかりするのに後味はあっさりとしていて、初めて食べたときに衝撃は忘れられません。
手土産にもちょうどいいサイズ感なので、ギフト需要も多いのだとか!
次にいただいたのは、「ピスタッチオ」。
鮮やかなグリーンがショーケースの中でひときわ存在感を放っており、選んでみました。
「ピスタチオ」のケーキなんておいしいに決まってる!と思いながら1口パクリ。ケーキの見た目からは想像しなかったサクサクとした食感にまず驚き!そして食べ進めると中からはチェリーの層が。ピスタチオの味もしっかりと感じられて、想像を上回るおいしさに感動しました。
そして、最後にいただいたのは「鎧塚俊彦シェフ監修 中山栗のとべもりジップモンブラン」。昨年、「とべもり+(プラス)※1」の一部エリア限定で販売されたモンブランです。
このモンブランは鎧塚俊彦シェフ(Toshi Yoroizukaオーナーシェフ)監修のもと、ゴトウ洋菓子店に考案・制作しています。
「中山栗」と商品名に入っていることもあり、使用している栗はもちろん中山栗100%!
1口食べると栗の味が口いっぱいに広がります!
栗好きには一度食べてみてほしい、そんなモンブランです♪
※1「とべもり+(プラス)」とは、えひめこどもの城、とべ動物園、愛媛県総合運動公園、えひめ森林公園4施設の総称です。
いつ行っても「おいしい」と思えるものを作り続けたい
ここからは、後藤大輔シェフにお話をお伺いしたいと思います。
井上:お店をはじめられて、50年余りということですが、お店はお父さんがはじめられたのですか?
後藤シェフ:はい、52年目になりますかね。父がはじめました。
井上:お父さんがパティシエをされていたということも大きいかと思いますが、後藤シェフがパティシエになろうと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?
後藤シェフ: 一番は家業がお菓子屋さんで、小さいころから作っているのを見てきたということが大きいです。帰ってお店の裏で勉強しているとお菓子をもらったりして・・・。
遊びに来てくれた友達がお菓子を食べて喜んでくれるのが嬉しかったです。
でも、中高の時はなりたいと強く思っていたわけではなく、4年生の大学に行きましたし、別の業界にも興味がありました。
井上:製菓の専門学校とかではなかったのですね。
後藤シェフ:普通の4年制の大学でした。ただ、パン屋とお菓子屋さんでアルバイトをしていて、製造もしていたので、必然的に触れる機会はありましたし、将来はパティシエになるのだろうなと漠然と思っていました。そのあと1年東京の製菓学校に行って、東京のお菓子屋さんに就職しました。
井上:そこから四国中央市に戻ろうと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?
後藤シェフ:地元が好きなのと店舗があったのが大きいです。直接は言われませんでしたが、父親の帰ってきてほしいという思いも感じていました。
あとは、僕が帰ってくるまでに田舎のお菓子と都会のお菓子とのレベルの差を埋めるために、以前東京のお店で働いていた経験のあるパティシエの方にプライベートで色々教えてもらって、父親自身もレベルを上げて待ってくれていました。
そうやって帰れるような環境を作ってくれていたのも大きいし、娘がパティシエになるのであれば、僕もそうしたいと思っています。
井上:とても素敵な親子関係ですね。ここからは、店舗としての取組みについてお話を聞かせて下さい。
現在、ECでの販売やふるさと納税の返礼品としての販売等、様々な取り組みをされているかと思いますが、そのような中、「えひめスイーツプロジェクト※2」の事業の一環で、鎧塚シェフ監修スイーツの制作にも携わっているとか。鎧塚シェフとの監修スイーツに取り組もうと思ったきっかけは?
※2「えひめスイーツプロジェクト」とは、スイーツの素材となる愛媛県産農産物を活用した「えひめスイーツ」を各フェアなどを通じて県内外に広くPRすることにより、県産農産物のブランド化や販路拡大をはかるものです。
後藤シェフ:鎧塚シェフが直接店舗に来てくれるというので、お店も活気づくし、スタッフも喜ぶだろうなというのが最初でした。
井上:このスイーツは「とべもり+(プラス)」の誘客促進を目的に開発されたとのことですが、後藤シェフ自身「とべもり+(プラス)」のイメージはなにかありますか?
また、そのイメージをどうスイーツに結び付けていきましたか?
後藤シェフ:とべ動物園、えひめこどもの城は僕の幼少期もですし、こどもが生まれたときにも行ったことはありました。のびのびと遊べて周りが豊かな緑に囲まれているイメージでした。そこにジップラインがあるというのは知らなかったです。
井上:では、今回ケーキを考案するとなって初めて知ったということですか?
後藤シェフ:そうですね。このジップラインをケーキで表したら面白そうだなと思って、トッピングのチョコレートで表現しました。
井上:この事業に取り組んでみてよかったなと思う点はありますか?
後藤シェフ:鎧塚シェフに店舗に来ていただき、緊張しましたが、厨房に一緒に入って作る過程を見てもらう中でアドバイスもいただき、よりいいスイーツになったと思います。
また、鎧塚シェフ自身のインスタでも発信いただいて、お客さんから反響がありました。当日立ち会った娘も尊敬するシェフは僕じゃなくて鎧塚シェフと言っています(笑)。娘もパティシエになりたいと言っているので、色々な意味で取り組んでよかったです。
井上:鎧塚シェフからはどのようなアドバイスをいただいたんですか?
後藤シェフ:最初は、香り付けとしてラム酒をきかせていました。ただ、販売する場所が、こどもが多く利用する場所ということもあり、お酒は使わず「誰でもおいしく食べられるお菓子を」というアドバイスをいただきました。
井上:私もいただきましたが、お酒を使わなかったことで、より栗の味が引き立っていて、このほっこりとした味がとても魅力的だなと思いました。今年度はさらにパワーアップということで、見た目もリニューアルしたとお伺いしましたが、どのような点が変わったのでしょうか?
後藤シェフ:昨年度は、トッピングにクランブルというクッキーを乗せていたのですが、抹茶のスポンジを細かくしたものに変更しました。
「緑」を入れることでよりケーキが映えましたし、とべもり+(プラス)の自然豊かな感じが表現できたと思っています。
井上:「緑」が入ったことで、昨年よりさらにとべもり+(プラス)のイメージが連想されるケーキになったなと思いました。
今年度から販売場所も拡大し、ゴトウ洋菓子店さんでも販売になるとお伺いしています。より多くのお客さんに手に取ってもらえる機会も増えるのではないかと思っていますが、お客さんに伝えたいPRポイントはありますか?
後藤シェフ:栗のおいしさを引き立てるモンブランを作りたかったので、メインの部分である中山栗を使用したムースは特に丁寧に作っています。
また、生地やチョコレートのソースの中にも柑橘の香りを足して愛媛らしいモンブランになっていると思います。ぜひ、おいしく食べてほしいです!
井上:様々な取り組みをされていますが、後藤シェフの今後の展望を聞かせて下さい。
後藤シェフ:店舗を増やしていきたいとかそういう思いは今のところはなくて、目の届く範囲で続けていきたいと思っています。これからもどんどんお菓子の勉強をして、今販売しているお菓子も時代に合わせてバージョンアップをし、いつ行っても「おいしい」と思えるものを作り続けたいです。
今のご時世だからオンラインでの販売も大事だと思うので、時代に合った販売にも挑戦しつつ、父親がやってきて今があるので、店舗での販売も大事にして、後があるなら後につなげたいです。
あとは、スタッフも減って家族経営という店舗も増えてきているけれど、専門学校を卒業した生徒さんにお菓子屋さんとはこういうものだよということを僕自身も沢山教わってきたので、色々伝えていきたいですね。
井上:最後に、後藤シェフにとって「まじめ」とはなんですか?
後藤シェフ:お菓子に真摯に向き合うことですね。フランスでの修業中、フランス人はオンオフの切り替えがしっかりしていて、仕事モードの時の集中力や仕事のスピードは凄いと感じました。プライベートも充実させてこそ仕事にも力がはいって良いお菓子が作れると思います。
だから、お菓子に向き合う時は常に真摯に、そして常に向上心を持ってこれからも取り組んでいきたいです。
ゴトウ洋菓子店さんは親子愛、お菓子愛にあふれた素敵な店舗でした。
今を大事にしつつ、さらに高みを目指す後藤シェフの姿はまさに「まじめ」そのものでした。真摯に向き合って生み出される今後のお菓子もとても楽しみです。
60年、70年、きっとその先もゴトウ洋菓子店さんに行けば「おいしい」に出会えることでしょう。
ゴトウ洋菓子店
愛媛県四国中央市川之江町1930-3
電話番号:0896-58-6060
営業時間:8:30〜19:00
定休日:日曜日(不定休、月曜日)
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