
ロックな老舗レストランで味わうジビエ料理
カフェレストランTOMMY
JR松丸駅から徒歩数秒。地元民や旅人が集うお店をレポート!
ライターの野本鈴夏です!
突然ですが…みなさんの今年の目標は何ですか?私の今年の目標は健康に過ごすことです!
昨年は体調を崩すことが多くて…運動をしたり、健康に気を遣った食事をしたりするようになりました。
そんな私が今気になっているのが「ジビエ」。栄養価が高い食材として注目を集めている食材ですよね。
ぜひ味わってみたい!と思いながらも、ジビエには敷居が高いイメージがあります。
カジュアルに食べられるお店が愛媛県にないかな〜?と思っていたところ、松野町にありました!
居ても立っても居られず、松山市から車で走ること約2時間…
JR松丸駅から目と鼻の先の「カフェレストラン TOMMY」にやって来ました。
お店の外にあるのぼり旗には「まつのジビエ」の文字が!
凍えるほど寒かったこの日…「寒い寒い!」と言いながら足早に入店すると、シナモンのような甘い香りと、あったか〜い空気に包まれます。
店内はイギリスのパブのような雰囲気でとってもお洒落!ボトルキープもできます。
甘い香りの正体は、お店の薪ストーブで焚かれている桜の木!
店主自ら木を切りに行って、薪割りもしているそう。そしてこの薪ストーブ、これからいただくメニューの調理で大活躍します。
気になるジビエ料理のお味はいかに!
松野町は「森の国」というキャッチフレーズで知られています。
町の森林面積は80%以上を占め、その自然豊かな環境が魅力。そんな松野町や近隣で捕れた鹿は、「森の息吹」というNPO法人団体が厳選し、商品化しています。
カフェレストランTOMMYの店主・中宇禰一郎(なかうねいちろう)さんは、森の息吹の質の良い鹿肉に感動し、それをメニューに取り入れることに決めたそう。一体、どんなお味なのでしょうか…
「早く食べたい!」という気持ちが高まってきたところで、さっそくいただいていきましょう!
まずは、「鹿シチューセット」から!
鹿シチューの調理にかかる時間はなんと3日間!お店の薪ストーブで調理が行われます。
まず、鹿の背骨をオーブンでじっくりと焼き、炒めた香味野菜とハーブを加えて、鹿のフォンというシチューで基本になる出汁を取るのだそう。それにブラウンルーを加えて煮詰めた後、鹿肉のステーキとたっぷりの赤ワインでさらに煮込んで完成です。
一口食べると鹿肉の旨味がギュッと凝縮された、奥深い味わいが広がります。鹿肉は長時間煮込まれたことでとっても柔らかい。ジビエ特有のクセがなく、何も知らずに食べると「これって本当に鹿肉!?」と思うほど!セットのフォカッチャと一緒に食べれば、その美味しさは一層際立ちます。
「昔は鹿肉があまり好きじゃなかったんです」と中宇禰さん。
中宇禰さん:父が狩猟をしていて、子供の頃から鹿を食べる機会があったんですが、素人の猟師が解体すると、肉が固かったり臭みが残ったりしていたんですよ。だから、鹿肉にはあまり良いイメージがなかったんです。
しかし、「森の息吹」ができたことで、処理の行き届いた質の良い鹿肉が手に入るようになり、鹿肉の魅力を再発見。鹿シチューの開発に取り組むことを決めたそうです。試行錯誤を重ねた後に、じっくり時間をかけて作る鹿シチューが完成。 「流行り廃りに流されず、本当に美味しいものを提供したい。」という店主の想いが詰まった一品です。
鹿肉を使用したメニューは他にも。お次はジビエコロッケ定食をいただきます!
トマトソースには、鹿のフォンが使用されているんだそう。風味豊かで、鹿肉のコロッケにとっても合う!コロッケの中にクリームチーズを入れることによってまろやかな味わいに。セットのサラダには、自家製ゆずドレッシングがかかっています。ほどよい酸味で、野菜の味を引き立てていて美味しい!小鉢やお漬物は、どれも食べるとほっとする味付けです。
驚くことに、鹿肉は豚肉に比べて高タンパクで低脂肪、低カロリー!体を気遣いながらもしっかり満足できるカフェレストランTOMMYのジビエ料理。何度でも味わいたくなる美味しさでした。
まだまだあるカフェレストランTOMMYの名物メニュー!
続いていただいたのはニラそば。このお店の特製醤油ラーメンなんです。外ののぼり旗で紹介されていて気になっていたんですよね。
以前、東京の下町に住んでいた中宇禰さん。近所にあった中華料理店のラーメンに魅せられ、その味をお店で再現したんだそう!
ニラがたっぷり入っていて、食欲をそそる良い香りがします。ニラともやしはしっかりと味付けされていて、中宇禰さん曰く「レバニラのレバーなし」。ガツンとくる味わいで病みつきになります。スープは醤油ベースの関東風で、コクのあるスープがもちもちの麺にからんで美味しい!ニラのシャキシャキ感がいいアクセントになって、最後まで飽きずに楽しめます。
お腹がいっぱいになったところで、中宇禰さんにお店についてさらにお話を伺います。
大切なのは、やりたいことをやること
カフェレストランTOMMYのルーツは、昭和52年に先代が開いた松野町初のスナック&喫茶店。
中宇禰さん:僕は高校を卒業して上京してね。松野に戻るつもりはなかったの。家に帰らないからね、店は継がないからねと言ってたんだけど、38年前に店が火事で全焼してしまって…。焼け落ちてしまった自分が生まれ育った家や店、がっくりとした親の顔を見た時に、店を継ぐことに決めたんだよね。
「自分の店だから、好きなようにやっちゃえ!と思って。」と中宇禰さん。当時はミックスジュースやメロンソーダが出るような昔ながらの喫茶店だったのだそう。たちまち中宇禰さんのロック好きが反映され、お店は現在のロンドンのパブのような雰囲気に。息子さんが2階を改造し、音楽スタジオを運営していて、音楽好きも集まる場所にもなっています。
中宇禰さん:チェーン店では味わえない、店主やお客さん同士の交流がある場にしたいんです。ちょっと顔を出そうかな、話そうかなって思ってもらえるようなお店を目指しています。
そんな中宇禰さんにとって「まじめ」とは、「自分に正直になること、やりたいことをやること」。
中宇禰さん:今流行ってるからやる、人気だからやるということは、僕天邪鬼だから嫌いなのよ。流行り廃りに媚びないこと。あと、経営において数字を追いかけないことだね。効率とか合理を考えない。じゃないと1品作るのに3日かけないよ(笑)
そのこだわる姿勢こそが、店主のまじめな生き方を表しています!
そんな店主の思いが詰まったカフェレストランTOMMY。鹿シチューやコロッケだけでなく、ここで流れる空気や人との繋がりを感じに、ぜひ足を運んでみてください。松野町でしか味わえないメニューや人との交流がみなさんを待っています。
カフェレストランTOMMY
愛媛県北宇和郡松野町松丸227-2
電話番号:0895-42-0143
営業時間:11:00〜14:00、18:00〜23:00
定休日:水曜日