地元の食材にこだわったフルーツカレー

まちの駅カフェ金木犀

町の憩いのカフェで提供する、

良い意味で “予想を裏切る” あのグルメを大調査!

こんにちは、まじめしライターの野本鈴夏です。突然ですが、みなさんは「ユニークなカレー」と聞いて、どんなカレーを思い浮かべますか?急にすみません、そもそもそんなこと考えたことないですよね。
というのも、「内子町でちょっと変わったカレーがあるらしい」という情報を耳にし、気になって実際に行ってきました!

愛媛らしい柑橘を使ったカレー?それとも、いも炊きをイメージした和風なカレーでしょうか?全く想像がつきません。みなさんそれぞれの思うユニークなカレーを思い浮かべながら、読み進んでみてください。

さて松山市から車を走らせること約50分。お目当てのカレーが食べられる「まちの駅カフェ金木犀」にやって来ました。お店があるのは、江戸時代から残る古い町並みが魅力の内子町。お店に入ると、木の温もりを感じる空間が広がっていて、大きな一枚板のテーブルが目を引きます。

さあ、一体どんなカレーがあるんだろうと思いながらメニュー表を見てビックリ!そこには「季節のフルーツカレー」という文字が。写真をよく見ると、カレーの上にイチゴやブドウが散りばめてあります。どんな味がするんでしょう…気さくなオーナー吉井健二さんが言うには「美味しい」とのこと。ますます気になってきたので、早速注文して実食していきたいと思います!その他にも吉井さんがオススメのメニューもいくつかいただきました。

食リポは、カレー大好き!ライターの岩畑にバトンタッチ!よろしくお願いします!

フルーツカレーのお味はいかに!

こんにちは!まじめしライターの岩畑です。
得意料理は冷蔵庫の中のあまりもの食材で作るカレー。今まで作ったカレーは数知れず。しかしフルーツを入れたカレーは、某食品メーカーがテレビCMで謳っている、りんごのすりおろしを入れた程度。フルーツ入りのカレーがどんな味なのかが気になりすぎてしまい、いてもたってもいられず食事パートのみ失礼いたします(笑)。

まずは「季節のフルーツカレー」から。
そもそも、カレーとフルーツって合うの?!という気持ちが拭えない状態ではありますが、早速いただきます!

鶏のささみと舞茸がたっぷりと入った白いルー。まずはカレー単体で一口。辛さは控えめでマイルドな味わい。どことなくグリーンカレーのような爽やかさと柔らかい甘みも感じます。この状態でも十分過ぎるほど美味しいのですが…。いざ!フルーツと共に。
フルーツのトッピングはセルフサービスです。これはセンスが問われますね(笑)。

今の時期は、イチゴとパイナップルとブドウの組み合わせ。季節によって種類が変わるそうですが、吉井さん曰く、このフルーツの組み合わせが一番合う!とのこと。
おしゃれに盛ることは…かないませんでしたが、フルーツもりもりで再度いただきます!

口に入れた瞬間はカレーの味わいが広がるのですが、徐々にフルーツの酸味や甘みが巻き返してきて、さらにカレーのほどよい辛さがやってくる。周りくどいですね、一言で、びっくりするほど美味しい!
さらにさらに!味変用のイチゴソースをかけてみます。

イチゴの甘味が凝縮したソースには、ワインが入っていて少し大人な味わいに。カレーにコクと味の奥行きがプラスされました!イメージとしてはデミグラスソースのような感じです!みなさま想像できましたでしょうか(笑)。
カレーに生のフルーツをトッピング?!と驚きはしたものの、お互いの良さを引き立たせる組み合わせに手が止まらず、ぺろっと完食しました。

お次は、こっちのメニューもおすすめだよ〜と教えてもらった「ピザセット」。
季節のフルーツカレーと同じく、サラダと小鉢、ドリンクがついています。

チーズがたっぷり♪とろけます!

マッシュルームもたくさん入っていて、濃厚なトマトソースとの組み合わせが絶妙!
店名の“町の駅カフェ”を体現するかのような、気取らず、どこか懐かしさのある味わいです。

ピザももちろん美味しいのですが、サラダにかけるドレッシングも美味しくて…。

ゆずの味わいが凝縮されたさっぱりとしたドレッシングは、吉井さんの同級生が女将を務める道後の宿で提供しているものを、こちらでも使用しているそうですよ!

そして最後に!まちの駅カフェ金木犀で通年提供しているかき氷を。

旬のフルーツを使った生ソースがたっぷりかかった「イチゴのかき氷」をいただきます!

私たちが取材に伺った4月はイチゴのソースでした。地元産のイチゴを贅沢に使ったソースは、果実感を感じるリッチな味わい。
練乳がかかっている割にすっきりとしているな〜なんて思っていたのですが、聞いてみると、ソースの下にかかっている白いソースは、練乳をヨーグルトで割ったものだそう!
ヨーグルトの酸味が加わることで練乳のもったりとした甘さが軽減され、パクパク食べられます!アラフォーの私の胃にも優しい…(笑)。

吉井さん聞いたところ、お店を利用するお客さんの年齢は様々。近くの学校に通う小学生から地元のお年寄りまで。この店に通うお客様が美味しく食べられるボリュームと味で提供することを心がけているそうです。まじめですね!!

美味しい食事をお腹いっぱいいただいたところで、まじめしライターの野本にバトンタッチしますね!みなさま、ありがとうございました!

ありがとうございました!私もいただきましたが、フルーツカレーは良い意味で予想を裏切る味わいでした。ビックリするぐらい美味しいので、ぜひ皆さんにも味わってもらいたいです。

さてここからは、お店についてさらに深掘り!気になるフルーツカレーの提供のきっかけについても吉井さんからお話を伺いたいと思います。

目指すは町のサービスエリア

野本:突然ですが、吉井さんは内子町の出身なんですか?

吉井さん:実は松山市出身なんです。高校まで愛媛で過ごして、その後、京都の龍谷大学へ進学して。そのまま定年まで約40年間、大阪で働いていました。そして60歳を迎えたタイミングで、松山市にUターンしてきたんです。

野本:そうだったんですね。てっきり内子町のご出身かと思っていました。では、どうして内子町にお店を?

吉井さん:高校時代の同級生が松山市の石手で料理旅館を営んでいて、彼女が背中を押してくれたんです。彼女のお母さん―つまり先代の女将さんが内子・五十崎(いかざき)地区の出身で、私もよくお世話になっていたご縁がありました。それで、『ここの物件が空いているから一緒に見に行こうよ』という流れで、話が進んでいったんです。

野本:なるほど、昔からのご縁が今に繋がっているんですね。長年の繋がりが、人生の節目でまた交わるというのは、なんだか素敵なお話です。金木犀という店名には由来があるんでしょうか。

吉井さん:店名も彼女が決めたんです。「あんたセンスないから、私が決めるわ」って(笑)。私が大阪から戻ってきたのが8月で、お店を見に行ったのが9月中頃。ちょうど金木犀が香る季節で!高校のときからの関係なので、そんな感じのやりとりも楽しいんですよ!

看板の文字は、彼女が懇意にしている書道家の先生が書いてくださって。他にもウェブ関連のサポートをしてくれる人、テーブルや内装を提案してくれる人…本当にたくさんの人の支えがありました。1人では絶対に作り上げることができなかったお店ですね。

野本:お話を聞いていると、お店が「人との繋がり」でできていることがすごく伝わってきます。では、なぜお店でフルーツカレーを提供することになったんですか?

吉井さん:実はお店の看板メニュー「季節のフルーツカレー」は、その料理旅館の板前さんが提案してくれたものなんですよ。ワンオペでやってるので、手間をかけすぎず、かつ食品ロスを減らせるようなメニューがいいと。カレーなら材料を無駄なく使えるし、作り置きもできる。それで、いくつか案を出してもらった中から、フルーツカレーを提供することになりました。
メニュー表にある写真は、SNS映えを意識して盛り付けていますが、実際には小鉢でフルーツを添えてお出ししています。お客さんに、好きなようにカスタマイズして食べてほしいんです!

野本:なるほど、見た目も工夫しながら、食べる人に合わせた楽しみ方を提案されているんですね!そのスタイルは観光客や地元の方にも喜ばれそうです。こだわっているところはありますか?

吉井さん:料理にも「地産地消」を意識しています。町の役場から「地元の食材を使うこと」、「店の前に“町の駅”と付けること」を条件に補助金をいただきました。お米もできるだけ内子のものを使い、果物も旬のものを選んでいます。イチゴや桃、ブドウなど、時期によって品種は変わるけど、美味しいものをできるだけ手頃な価格で提供したいと思っていますね。

野本:地元の食材を使うことで、地域に還元しているというのも素敵ですね。このお店をやっていくうえで、大切にしていることは何ですか?

吉井さん:私は料理の修行をしてきたわけじゃないので、料理の道を極めた人が100としたら自分のレベルは70くらい。でも、足りない30は、コミュニケーションで補うつもりです。お客様と一緒にコーヒーを飲んで話をしたり、1時間ほど一緒に過ごすこともある。それがこの店のスタイルであり、魅力だと思っています。

野本:その姿勢、とても素敵です。料理が美味しくても、人との繋がりで心が満たされる時間を過ごせる場所って、あまりないと思います。つい長居したくなるような、そんな雰囲気がこのお店にはあるんですね。インスタグラムを見たのですが、海外からのお客様が多いですね!

吉井さん:最近では、韓国からのお客様も増えていて、松山と韓国をつなぐ直行便の影響も大きいですね。昔のパートナーが韓国の方だったので、少しは韓国語も話せるんですよ。「いらっしゃいませ」や「ありがとう」など、基本的なフレーズですが、それでも喜んでもらえます。

野本:それだけでも心の距離がぐっと近づきますよね。海外の方にとっても、安心できる場所になっているんだろうなと感じます。これからの展望はありますか?

吉井さん:この春で開店から3年目に入ります。ようやく少しずつ蕾が膨らんできたかなと感じています。石の上にも3年ですね。これからも、地元の方も観光の方も、気軽に立ち寄れる「サービスエリア」的な存在になれたらと思っています。

吉井さんにとって「まじめ」とは?

野本:最後に、吉井さんにとって「まじめ」とは?

吉井さん:料理にこだわることでも、ストイックに完璧を目指すことでもなく、ひとつひとつを丁寧に、まっすぐに、人とのご縁を大切にしながら、できることをちゃんとやることです!

一人ひとりとの出会いを大切に、暖かく迎えてくれる「まちの駅カフェ金木犀」。地元の食材を使った美味しいメニューと、どこか懐かしさを感じる空間は、まさに旅の途中に立ち寄るサービスエリアのようでした。

吉井さんとお話しをしにふらっと、ちょっとお腹を満たしに、気軽に立ち寄ってみてください。きっと忘れられない時間が待っていますよ!

まちの駅カフェ金木犀

愛媛県喜多郡内子町内子2023
電話番号:090-4768-5464
営業時間:11:00〜17:00(L.O.16:30)
定休日:木曜日

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