体と心が喜ぶ!絶品薬膳カレー

cafe PENGUIN HOTEL

食べると体がポカポカ温まる!

その日の気分で作られる薬膳カレーに詰まったたくさんの愛情とはいったい!?

こんにちは!ライターの岩畑です。

愛媛県松山市の西側に位置する「三津浜地区」。最近はおしゃれなカフェやアトリエが続々とオープンしており、中でも今年4月にリニューアルオープンした「cafe PENGUIN HOTEL(ぺんぎんほてる)」の薬膳カレーを食べると元気になるという噂を聞きつけ、早速行ってみました!

大きな看板とアジアン雑貨が目印!

今日の気分と旬の食材を組み合わせた薬膳カレー?!

毎日でもカレーを食べたいくらい、カレー好きのライターはすでに口の中がよだれでいっぱいです笑

いざ入店!

エキゾチックな壁紙と装飾が目を引く素敵な店内。東南アジアの雰囲気を感じさせる空間に、「かわいい〜」と気分が爆上がり!

出迎えてくださったのは、オーナーの藤倉千夏さん。
いつもは正装でお客さんを迎え入れているそうですが、取材日は定休日。顔出しはNGということです。読者の皆さますみません!でもこの「まじめ」さ伝わりますよね。

キッチンで作業をされている藤倉さんの姿を見ながら、お話を伺います。

岩畑:「ぺんぎんほてる」は今年4月に松山に移転したと聞いたのですが、きっかけはなんだったんですか?

藤倉さん:元々は愛媛の南側、「宇和島」でお店を12年半やってたんだけど、私の子どもの進学をきっかけに家族で松山に来たんです

岩畑:お子様の進学がきっかけだったんですね!宇和島のお店の頃からアジア料理を提供してたんですか?

藤倉さん:そうそう。昔から私自身がアジア料理が好きだったのと、パパがインドやチベット、タイ、ベトナムをバックパッカーとして東南アジアを巡っていたこともあって、私も一緒に旅をして。そんなことがきっかけで元々好きだったアジア料理がもっと好きになったんよね。 だけど、私は仕事人間だから、旅をしている間も仕事のことが気になって気になって笑
だからパパがいろんな国を回りながら調味料を仕入れたり、その日食べた食事の写真を送ってきてくれたりして、帰ってきたら味の再現をして〜を繰り返してたんよね

岩畑:ということは、本場に近い味付けを楽しめるということですか?!

藤倉さん:宇和島の頃は、ファミリーのお客さんが多かったから、お子さんでも食べられるような少しマイルドな味付けにしたんよね。現地の調味料が手に入らなかったとしても、日本の発酵食品を代用して作れるようにアレンジをしたりね。馴染みやすい味だけど、ほのかにアジアを感じられるような味わい。だから松山に移転してもこの味を続けてる

岩畑:子どもも食べられる味付けは家族連れに良いですね!どんな食材を使ってるんですか?

藤倉さん:調味料として使っている発酵食品は、味噌や麹、手作りの柚子胡椒も入れてたりね。私は、地元で手に入る旬の食材を使うことが「薬膳」だと思ってて、日本でずっと食べられている食材にこだわるようにしてます。付け合わせのアチャール(インドのピクルス・漬物)も季節毎に違うし、カレーに入れる食材も毎日変わるんよね!

「ぺんぎんほてる」の薬膳カレーは日替わりで提供されます。このラインナップは毎日でも通いたい!

岩畑:日替わりカレーの種類が豊富ですね。いろんな食材が楽しめそう!

藤倉さん:野菜は松山市の産直市場「太陽市(おひさまいち)」で買うんやけど、本当に旬のものが並ぶから、先週使ったあの食材を買いたいな〜と思ってもガラッと野菜が変っとったりね笑
同じ食材が手に入らないことが多いから、「ぺんぎんほてる」の薬膳カレーはレシピがないんよ!

岩畑:え!?レシピはないんですか?!

藤倉さん:その日の調子や、今日は暑いとか寒いとか湿気があるな〜とか、いろんなことを加味しながら作るから、日によってスパイスの調合も違うし、同じスパイスを使っても、それぞれの量が違うとこれまた、味が変わってくるんよね!

なるほど!看板にかかれた「今日の気分と旬の食材を組み合わせた薬膳カレー」の言葉にどういうことだ!?と思っていましたが、納得しました。
藤倉さんの薬膳カレーやお客さんへの熱い思いを伺っていると、ライターのお腹も空いてきたので、早速今日の日替わりカレーを注文!
スパイスの入った瓶を取り出す藤倉さん。調理の様子も近くで拝見します。

カレーは大好きだけど、自宅で調理をするときはルーを使う、こだわりは特に持ち合わせていないライター…爆
せっかくなのでスパイスの調合を教えてもらうことに。

藤倉さん:スパイスは原型のホールと、細かくすり潰したパウダーの2種類あって、最初に火にかけるのはホール。これは香りが持続するんよね〜。
カルダモンは中の種がいい香りがするから、皮を剥きま〜す。
クミンはいわゆるカレーの香りがするスパイス。私はカレーの匂いだとは思わんのやけどね。どう??

岩畑:。。。え?!これはカレーの匂いです。。ね笑

藤倉さん:えーーー?!本当?!爆笑

どっと笑いが巻き起こる厨房。気を取り直して。

藤倉さん:中華料理にも使われる八角と花椒(ホワジャオ)を入れて、最後にシナモンをこれくらい〜っと!

藤倉さん:なんか鍋に入れたら茶色いね笑
写真で伝わるかな? あ!赤色が入ったらいいね!唐辛子入れよう!

さすが、その日の気分でカレーを作る藤倉さん。サイトに掲載された時の色合いをも気にしてくださいました! お気遣いありがとうございます!!

藤倉さん:そうしたら油をたっぷり入れまして〜、スパイスの香りを油に移していきまーす!

岩畑:ほんとだ!爽やかな香りがしてきましたね

藤倉さん:そうでしょ〜。ここに、ニンニクと生姜と玉ねぎを入れるよ〜

藤倉さん:玉ねぎがしんなりしてきたら、ターメリック・コリアンダー・クミンのパウダーを入れまーす。そこに、味付けでお塩!

藤倉さん:パウダーを絡めたらトマトを入れて、今日はキーマカレーを作るからお肉もどっさりと入れるよ〜

鍋の中でどんどん変化していくカレーとその香りを楽しんでいると、冷蔵庫からあるものを手にした藤倉さんが。

藤倉さん:冷蔵庫にいちじくがあったから、今日はいちじくカレーにしようか!

岩畑:いちじく!?カレーに入れるんですか!?

藤倉さん:たっぷり皮ごと入れると、いちじくの独特の香りを楽しめるカレーになるんよね〜。で、水を入れて煮込んだら、あとはオクラといんげんもたっぷり入れて完成!!!!

調理時間20分。こんな短時間でカレーができることに驚きです!

「お客さんのほとんどは、あいがけカレーにするけどどうする?」の問いに、二つ返事で「あいがけで!」。
そう、「ぺんぎんほてる」の人気メニューはお薬膳カレーのあいがけ!ということで、いちじくキーマカレー+パクチー入り肉団子カレーのあいがけをいっただきまーす!!

鼻をくすぐるスパイスの香り、色鮮やかなアチャールが美しい!

これはもう芸術作品!


まずはカレーをそのまま食べて、その後カレーとアチャールをいろんな組み合わせて食べると、このプレートを最大限に楽しめるそうです。

早速いちじくキーマカレーを一口。

おいし〜〜い!!!

いちじくがとろっとろ!ピリピリとしたスパイスの刺激といちじくのフルーティな香りがすごくマッチしてます!

さてさて、続いてはパクチー入り肉団子カレーを。

わ!こっちも美味しい!パクチーの香りと、少しマイルドな味付けのカレーの優しい味わい!こちらはココナッツミルクを使っているそうです。
カレーとパクチーの相性がいいことにも驚きました!

酸味のあるアチャールとカレーと混ぜて食べるとキリッとしてこれまた美味しい!!食感も変わって一皿でいろんな味を楽しめる。食べる手が止まりません!!
スパイスの香りが口の中に広がって、鼻からもスーっと抜けてきます。食べ進めていくと体がホカホカしてきました。本当に美味しかったです!ごちそうさまでした!

藤倉さん:食後は、ラッシーとかスカッシュもおすすめ。酵素ラッシーは季節のフルーツを発酵させたシロップを使ってるよ!

岩畑:それは気になります!ぜひ酵素ラッシーをお願いします!

食後の天使「酵素ラッシー」の登場です!

シロップとラッシーをしっかり混ぜて〜いただきます!
マイルドな甘さがいい!酵素ドリンクって独特の味があって飲みづらさがあるイメージだったけどフルーティーな甘味がぎゅっと濃縮されてる感じ。
聞くと、シロップにはみかんと桃とパイナップルを使っているそうです。もちろんシロップも自家製。
確かに少し柑橘の爽やかさがあり、口の中をスッキリとさせてくれますね!

薬膳カレーとラッシーの他にも、ガパオライスやカオマンガイなど、いろんなアジア料理やドリンクを楽しめます。

お腹いっぱいになったところで、「ぺんぎんほてる」に来るお客さんのお話をしてもらいました。

藤倉さん:宇和島の頃に、「ぺんぎんほてるでカレーを食べたらお通じがめちゃくちゃ良くなった〜」って言うお客さんがいたんよね。その子は受験生で、ストレスで便秘になったらしくて、病院で処方された薬を飲んでも効果がない〜って。
で、その子が「お通じが良くなるカレーない?」って聞いてきたんよ笑 受験のこととか知ってたから、なんとかしてあげたい!って思うでしょ。カレーのスパイスの配合を変えて食べてもらって。
そしたら、家に帰ったらすぐに便通が!って連絡がきたんよね笑
人それぞれに体の悩みがあって、相談されることもあったから、本を読んでどんな食材がどんな効果を与えるのかを調べたりしたりもしてたね

岩畑:町のお医者さんみたいですね!

藤倉さん:松山のお店だとお客さんがいっぱい来てくれるから、一人一人の悩みを聞くのは難しいけどね。店内で「夏バテ気味で〜」とか「体が冷える〜」て声がよく上がるなって思ったら、胃腸を整えるようなスパイスの配合にしたりして、季節ごとの体の悩みを少しでも解消できるようにしてる

毎日違う薬膳カレーが提供されるというのは、お客さんの体のことも考えられてのことでした!この心遣いは本当に嬉しいですね。
ここで藤倉さんにとって「ぺんぎんほてる」はどんな存在なのかを聞いてみました。

藤倉さん:このお店にいるのが楽しいし、一番楽かな。家にいるよりもお店で過ごす時間の方が圧倒的に多いからね笑 子どもと同じくらい、ずっと一緒にいたいと思えるものやね〜
私は昔から仕事が好きで、夢にも仕事のことが出てくるくらい!絵を見てても料理の彩りに通じるものはないかな?って考えたたり、気がつけば全部仕事に繋がってる。
得た情報を別の形に変換して、自分の仕事や関わるものに繋げていきたい!と思う気持ちが強いかも。それが詰まったのがこの「ぺんぎんほてる」なんだろうね〜

岩畑:普段の生活の中で出会う情報が今の仕事につながるかも!って気がついたときはきっと楽しいでしょうね!

藤倉さん:そうなんよ!はっと閃く瞬間て面白いよね。今はお店で提供しているカレーや焼き菓子に変換できた時、嬉しいし楽しいよね

「ぺんぎんほてる」に対しての想いや藤倉さんの仕事への情熱がとても伝わってきます。最後に、藤倉さんにとっての「まじめ」を聞いてみました。

藤倉さん:2018年の西日本豪雨災害の時、宇和島に住んどったん。被災した人たちは、水が使えなかったり、食事を作って食べる時間すら惜しいと思うくらい、復旧作業は大変で。普段の生活を取り戻すことは本当に大変なんよね。
そんな中でいてもたってもいられなくて、災害に見舞われた人たちや作業をしている人たちを少しでも応援したいと思って、災害があった翌日から炊き出しを2ヶ月間続けてた。私にとって誰かを応援するということは苦じゃないし、頭で考えるより体が率先して動いてる。それはきっとまじめなところかな。
だけど、私は応援をする方に気が回りすぎていて、誰かに応援をされていると思ったことがなかったんよね。もちろん、私が気づいていないだけで、たくさん応援してくれていた人がいるんだけど……。松山で「ぺんぎんほてる」をリニューアルして、自分が応援している以上に、周囲の人は私のことを応援してくれてるんだって気がついた

岩畑:気がついたきっかけがあったんですか?

藤倉さん:お店の場所が変わって、宇和島の頃よりもたくさんのお客さんが来てくれて、それだけでも嬉しいのに、食べたものをSNSに投稿してくれたり、クチコミで新しいお客さんが来てくれたり。宇和島では一人でお店を切り盛りしていたけど、松山ではいろんな縁がつながってスタッフとして働いてくれる子とも出会って感謝の気持ちでいっぱいやね

岩畑:松山に来たことがきっかけで、より人との繋がりが見えたのかもしれないですね!

藤倉さん:そうやね!一人で仕事をこなしていた時よりも、大勢で仕事に携わるとその範囲も大きくなって、新しいことに挑戦できるというのもありがたいし、それはお互いに応援をしているから今の「ぺんぎんほてる」の形になったんだなって思う。そういうことに気がつけたのも良かったな。
お店の形が変わったからこそ、これからできることはなんだろうと勉強もするしね!お店とお客さんの繋がりだけでなく、お店とお店、この三津浜地区の中での繋がり、移住してきた人と町の繋がりや情報交換をどんどん広めて行けたら良いなと思うな!

「ぺんぎんほてる」を営む中で、人一倍勉強をし、お客さんの体調を気遣い、家族やスタッフへの感謝も忘れない藤倉さん。真っ直ぐな姿勢は”まじめ”そのもの。そして、何よりも感じたのは藤倉さんの愛の大きさ。自分のためではなく、人のために応援するというのは本当に難しいと思います。この藤倉さんの人柄もあって、たくさんの人が「ぺんぎんほてる」に魅了されるんだなと感じました。

体も心もほかほかと温めてくれる「ぺんぎんほてる」の薬膳カレーをぜひ味わってください!

cafe PENGUIN HOTEL

住所 :〒791-8065 愛媛県松山市三杉町6-8

電話番号:089-954-3914

営業日:月・水〜日 11:00~17:00

定休日:火曜日

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