愛媛の人の舌に馴染むコーヒーを探し続けるカフェ

しらかた珈琲 sirocafe

「愛媛県のコーヒー」を作りたい!

愛媛の食文化としてコーヒー広めたい店主が営むお店を取材!

ライターの眞弓莉沙子です!

愛媛の食を語るとき「甘い」という言葉をよく耳にします。醤油、ラーメン、ミートソースに至るまで「甘い」味がする愛媛の食文化に、神奈川出身の私は移住したての頃驚いた記憶があります。愛媛県の方は、その「甘い」味に慣れ親しんでいる方が多いです。
愛媛の人の舌に馴染む味。それをコーヒーでも表現できないかと考え、研究を続けているお店を発見しました!
今回は、コーヒー豆の量り売りとカフェを営んでいる「しらかた珈琲 sirocafe」をご紹介します!

店主の目標は“みんなに気軽にコーヒーを楽しんでもらう”こと

JR松山駅から車でおよそ10分。
市内中心地から少し離れた場所に、居酒屋さんと並んでお店を構えているのが、「しらかた珈琲 sirocafe」です。
今回は、まじめしライター研修生の片野さんと玉ちゃんと一緒に取材をします!後ほど2人には食レポをしていただきますので、お楽しみに!

落ち着いた雰囲気の店内で、カウンターにはコーヒーを淹れるための道具がズラリ。店内に入った瞬間、コーヒーのとてもいい香りがしてきます。
「しらかた珈琲 sirocafe」がオープンしたのは2017年12月。店主の白形学さんは愛媛県出身で、広島県にあるコーヒーの製造を営む会社に16年間勤務したあと独立し、愛媛に帰ってきてこのお店をオープンしました。

眞弓:お店に初めて伺ったときに印象的だったのが、コーヒーの種類の数でした。お店のこだわりはなんですか?

白形さん:基本的にはこのお店は、喫茶店というよりは、コーヒーの量り売り屋なんです
僕が最高の一杯を提供するというよりは、みなさんに家でコーヒーを楽しんでもらいたいと思っています。だから「コーヒーの種類、端から端まで揃えていますよ。何でもできますよ。どんなんがええですか?」っていうのがやり方ですね。
元々製造業の時も、ご依頼をいただいてコーヒーを作りよったんで、こんな感じにしてくれとか、もっとこうしてくれ、っていう要望がある中でコーヒーを作っていました。そうやっていく中で、みなさんが家でコーヒーを楽しむとなった時に、「これしかやりません」っていうのはおもしろくないなと。
今は15種類くらいの豆を常時店頭に置いているんですが、今ぐらいの種類が、ある程度の方向をカバーできるギリギリですね。おいしいうちに売り切れる範囲で、減り幅考えたら今以上増やすと、余ったりしてしまって難しくなってくるので。本当はもっと倍くらい増やしてもいいんだろうと思うんですけど

コーヒー豆の量り売りをメインに営業している「しらかた珈琲 sirocafe」。
ただ、量り売りのみにしてしまうと、お客さんが普段からコーヒーを飲む方だけに偏ってしまうため、コーヒーを初めて飲まれる方やお友達同士でカフェに訪れてくれた方など、より多くの方にコーヒーの魅力を伝えるため、カフェの併設もしているそう。
夜遅くまで営業していることもあって、隣の居酒屋さんからお客さんが流れてくることもあるそうです。

白形さん:やっぱりコーヒーを飲む人を増やさないと意味がないので、コーヒーの入り口として、カフェに飲みにきていただいて、僕がコーヒーについておしゃべりして、家でもできそうと思ってもらえたらいいなと。
だから、お店での服装は、まずボタンをつけずに部屋着でやるようにしました。器具も何でも使うし、これらの器具は、帰りに近くのデパートで買えるものなんですよ。

白形さん:例えば「濃い目に淹れる」とか「サイフォンに興味があるんでサイフォンでやってみて」というリクエストがあれば全然対応します。何もリクエストがなければ、僕が好きなやり方にプラスして、帰りがけに手に入る道具でやるという形にしています。
携帯の画面で買おうか悩んでる器具見せてもらえば、「それはやめとけ」とか相談にも乗りますし(笑)

カジュアルにコーヒーの相談がしやすい「しらかた珈琲 sirocafe」。敷居が高そうに見えるコーヒーですが、白形さんにとてもわかりやすく教えていただけるので、気軽にお店に通いやすい環境が整っています。

愛媛のコーヒーを作りたい!その想いがつまったメニューとは…?

眞弓:本当にコーヒーを広めたいという想いからお店をやられているんですね

白形さん:本当にもう、食文化みたいに落とし込みをしたいんですよね。
味噌汁みたいに家で味が違ってもいいと思うし、家々でコーヒーの淹れ方が違ってケンカになってもいいと思うんですよ。そこまでいったら、コーヒーを飲むってことが、文化になるんだろうし。
それに地域色が出て「松山のコーヒーってこんなんだよね」ってなったらおもしろいなって。それが僕のお店のコーヒーだったらかっこいいじゃないですか(笑)。それが夢ですよね

眞弓:その想いから生まれたのが、ちょうどメニューにある「アイスコーヒー3種類の飲み比べセット」ですよね?

白形さん:まぁ、データ収集ですよね(笑)。だいたいわかりやすい3種類出しています。
みなさんが何を持ってして、“アイスコーヒー”と思うのか、というのを知りたくて。焙煎具合や豆の種類を変えたりして。それこそ精製法が違うとか品種が違うっていうのもやりますし、淹れ方も変えたりします。
夏の間はずっと、2〜3週間に1回ずつくらい内容変えてメニューを出しています。マニアックにやりすぎて、お客さんの反応が取れない場合は、すぐやめますけど

眞弓:お客さんの反応見ながら内容変えているんですね

白形さん:グラスを見よっても減り具合が違うんですよ。「今回は飲みづらかったのかな」とか考えながらやるのは楽しいですね

白形さんの試みがとても面白くて、たくさんお話を聞きたくなってしまいますが、そろそろお話に聞くコーヒーを実際に飲んでみたいと思います。

早速、「アイスコーヒー3種類の飲み比べセット」を注文。
ちなみに、飲み比べセットを注文すると、それぞれのコーヒーの豆の生産国や焙煎度合などが書かれているシートが一緒に運ばれてきます。初めは伏せてあるので、まずは一口飲んで味わってから裏面を見てほしいとのこと。今回はどんな種類のアイスコーヒーが出てくるのか…!
また、もう一品プラスで手作りコーヒーゼリーのラムレーズンアイスのせを注文!
こちらは、アイスやシロップ、ミルクと合わせて食べることを想定して、少し深煎りのコーヒーを使って苦味を持たせているそうです。

まずは、飲み比べセットから!

3つ全部飲んで、特に私が気に入ったのは、1番のコーヒー。
さっぱりしていて飲みやすい…酸味が強いので、浅煎りかな…?なんて想像をしながら、シートをめくってみます。

1番は、ルワンダ・タンザニアの豆で、浅煎りの水出しコーヒー。浅煎りの予想は的中!味を比べるのはもちろん、クイズ感覚で楽しめるのもとても素敵です。
まだまだ研究途中の『愛媛のコーヒー』。今後もお客さんの好きな味の傾向を追いつつ、研究を続けるとのこと。いつか『愛媛のコーヒー』も飲んでみたいです!

続いてはコーヒーゼリー。ラムレーズンアイスもたくさん乗っていておいしそう…!

コーヒーゼリーの苦味とアイスの甘さがちょうどいい!コーヒーゼリーは、苦味はあるけどすっきり目でとてもおいしいです。

まだまだ「しらかた珈琲 sirocafe」にはおいしいメニューがたくさん!ここからは、研修中のまじめしライター、片野さんと玉ちゃんに食レボしていただきます!

 

こんにちは!まじめしライターの片野です。今回、私はチーズケーキとアイスココアをいただきました。

コーヒーや他のメニューも魅力的で迷ったのですが私の好きなチーズケーキとアイスココアがあって惹かれたのでこの2つのメニューにしました。

見た目の可愛さに目を奪われ、チーズケーキの甘酸っぱさとアイスココアの冷たくも濃厚な味わいがまるで学生時代の恋のときめきのような印象でした。
チーズケーキやアイスココアがお好きな方にはもちろん、コーヒーのお好きな方や甘いものがお好きな方にもぜひ味わっていただきたいメニューです。

メニューの考案は店主の奥様がされているそうです。店主曰く「僕は甘いものに詳しくないので奥さんの好みのメニューになっている」とのこと。この話を聞いた時も店主と奥様の仲の良さにときめきを感じました。
今回はチーズケーキとアイスココアをいただきましたが他のメニューも飲んでみたり食べてみたくなりました。このお店に訪れた方は私と同じ気持ちになること間違いなしです!お気に入りのメニューを見つけてみるのもとても楽しいです。

そしてコーヒーの種類やお客様の好みに合わせてメニューをおすすめしてくれるので、あまりコーヒーを飲まれない方もコーヒーの魅力を感じられます。
私もあまりコーヒーを飲まないのですが「しらかた珈琲 sirocafe」に伺ってコーヒーの魅力や知識を知る度にコーヒーをもっと飲んでみたいな!コーヒーについてもっと知りたいな!と感じました。
店主のコーヒーにまつわるお話を聞くのも楽しみの一つになるのではないでしょうか!是非とも聞いてみてほしいです。

 

みなさん、はじめまして!コーヒー大好き、こう見えてスイーツも大好き!ライターの玉ちゃんこと玉川です!コーヒーと甘いものの組み合わせって最高ですよね!

さて、今回私が注文したのは「黒蜜コーヒーゼリーオレ」です!まず見た目!コーヒーゼリーの黒色とミルクの白色、2色のコントラストが美しい!この黄金比率にほれぼれしてしまいます。

早速黒蜜を投入し、ぐ~るぐるとかき混ぜます。

黒蜜の香ばしい香りがオレの中にゆっくり溶けていくのを感じます。十分に混ざり合ったところで、いよいよ実食!

コーヒーゼリーのほろ苦さがミルクでマイルドになり、黒蜜の優しい甘みと香りが絶妙にマッチ!口の中いっぱいに幸せが広がります!コーヒーゼリーのプルプルとした食感も心地よく、一度飲みだしたら止まりません!私自身コーヒーと黒蜜という組み合わせは初体験でしたが、これは運命の出会いでは?と思えるぐらいのおいしさでした!

ところでなぜ黒蜜を加えようと思ったのか、白形さんに訊ねたところ、『奥さんが黒蜜好きなので笑。』とのこと!お部屋の内装やデザートについては奥さんのアドバイスを基に作られたそうです。少し照れくさそうに話す白形さんのほっこりするエピソードに、思わず笑みがこぼれました。

そんなコーヒーと黒蜜の調和が楽しめる、これからの暑い季節にもぴったりな「黒蜜コーヒーゼリーオレ」。みなさんもぜひご賞味ください!

白形さんにとって“まじめ”とは

今後の展望を伺うと、松山の人に家でコーヒーを淹れてほしいという白形さん。
コーヒーを飲む習慣を広めて、地域のコーヒーを生み出したいと考える白形さんにとって、“まじめ”とは何か、伺いました。

眞弓:最後に白形さんにとって“まじめ”とは何ですか?

白形さん:“まじめ”という言葉の意味の中に、当たり前とか通常運転っていう印象があるんですよね。
ただ、それだけじゃ疲れるから、息抜きじゃないですけど、うまくやったりすることもあると思うんですけど。
僕が今松山にいて、みなさんのためにコーヒーを作ってコツコツやっていくと、「えひめのまじめし」になると思うんですよね

白形さん:当たり前のことを何日続けられるか、当たり前のこととして、いかに続けられるかというのが“まじめ”になるのかな。
それがお客さんには見てとれると思うので。そこで、「あ、今日は手抜いてるな」と思われたらそれはまじめしじゃなくなると思うんで、それをいかにやっていけるか、ということだと思います

コーヒーを飲んで楽しむのはもちろん、コーヒー談義に花を咲かせるにもうってつけのお店「しらかた珈琲 sirocafe」。
コーヒー好きの方もコーヒーに少し興味があるという方も、一度お店に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

しらかた珈琲 sirocafe

愛媛県松山市朝生田町5-8-29

電話番号:089-968-2330

営業時間:11:00〜23:00

定休日:水曜日

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