東京から愛媛へ。想いが込もった倉庫カフェ

ODEON食堂とカフェ

松山市にある人気カフェの、空間づくりから料理まで全てのこだわりを徹底レポート!

こんにちは、まじめしライターの野本鈴夏です。

今回は、JR松山駅から車で約25分の場所にある「ODEON食堂とカフェ」にやってきました。
どこか懐かしさを感じる倉庫を改装したカフェで、1階はチーズケーキ直売店、2階は食堂とカフェになっています。

ボリューム満点のメニューやチーズケーキが人気のこちらのお店。一体どんな魅力があるのでしょうか?早速潜入してみました!

まるで映画のワンシーンのような空間

もともと農機具メーカーの事務所兼倉庫だった建物を、オーナーの株式会社エイガカンの安田尚吾さんが、お父さまや奥さまと共にDIYで改装したという空間は、まさに圧巻の一言!スタッフさんも協力してくれたそうで、手作りならではの温かさが感じられます。

「ODEON食堂とカフェ」は、2013年7月に東京でガラス屋さんの倉庫をリノベーションしてオープン。その後、2019年に安田さんの出身地である愛媛に移転しました。

「色数を増やさないということを徹底しています。」と安田さん。統一感のある落ち着いた色調の中に、手作りのテーブルやアンティーク家具が絶妙に配置されていて、長時間いても飽きない心地よい空間が広がっています。

今年3月に新しく作られたというバーカウンターでは、お酒も楽しめるそう。種類も豊富で石鎚酒造の日本酒など、料理に合うお酒が揃っています。

無機質ながらも温かいスタイリッシュな空間でいただく料理は、一体どんな味わいなのでしょうか?早速、メニューをいただいてみましょう!

こだわりが詰まった絶品メニューをいただきます!

まずは人気No.1の「鉄板ハンバーグステーキ」からいただきます。デミグラスとしそみぞれポン酢から選べて、私はデミグラスをチョイス!

一口食べてまず驚かされるのは、その圧倒的な肉肉しさ!合い挽き肉にざく切りの牛肉を合わせることで、ステーキのような食べ応えに。

ハンバーグは、最初に表面だけ焼いて、オーブンに入れて中までじっくり焼き上げています。お肉から溶け出す脂だけで焼くため、お肉本来の味わいがダイレクトに楽しめるんです!肉汁をぎゅっと閉じ込め、ナイフを入れた瞬間に肉汁が溢れ出します。

タネにはクミンとシナモンを効かせ、豊かな香りが余韻となって広がる!
東京の名店のレシピをベースに独自のアレンジを加えたデミグラスソースは、深いコクと濃厚な旨みがハンバーグの魅力を一層引き立てています。

続いていただくのは「グリーンカレー〜チキンステーキ添え〜」。

グリーンカレーはあまり辛くしすぎないよう、チーズや玉ねぎのソテーも入れてまろやかに仕上げているとのこと。辛すぎず、でもしっかりとスパイスの複雑な風味が楽しめます!

添えられたチキンステーキは、専用の焼き機「チャーブロイラー」で調理されます。これは、炭火のように強い遠赤外線を使ってじっくり火を通す機械で、外はパリッと香ばしく、中はふっくらジューシーに仕上げてくれるんだそう。
チキンを焼く際にも、油は一切使わず、チキンから出る脂だけで焼き上げています。そのため、旨みがぎゅっと凝縮されています。

さらに野菜も同じようにチャーブロイラーで焼かれていて、素材本来の甘みが引き立ちます。グリーンカレーとの相性もぴったりで、スプーンが止まらなくなります!

お次はインパクト抜群の「ベーコンレタストマトチーズバーガー THE DAMNED」。
名前の由来は、イギリスのパンクバンド THE DAMNED のアルバムジャケットにあるんだそう。そのジャケットは、パイを顔に投げつけられ、メンバーの服や顔が汚れているコミカルなビジュアルが特徴的。
「汚れるくらい豪快にハンバーガーを楽しんでほしい」という安田さんの思いから、このメニュー名になったんだとか!

パティの肉の配分はハンバーグと同じですが、チャーブロイラーで焼き上げているため、外は香ばしくカリッと、中は肉汁たっぷり。ひと口ごとにガツンとした満足感があります。バンズやベーコン、トマト、チーズ、シャキシャキのレタスとのバランスも絶妙で、味も食感も楽しめるハンバーガーです。

最後にいただくのは、チーズケーキ!単品はもちろん、ランチとセットでもいただけます。
年に3、4回ほどいよてつ髙島屋に出店されるほどの人気ぶりで、このチーズケーキを目当てにお店に来る方も多いんだとか。

チーズケーキは安田さんの奥さまが担当されていて、ご自身が甘いものが得意ではないことから、「食事の後に食べても重くない、甘すぎずさっぱり食べられるケーキ」を目指して作っているそう。
グルテンフリーで、素材選びにも徹底したこだわりが。オーストラリア産のチーズに加え、松山市にある丸山農場の朝採れ卵を使用しています。

キャラメルのほろ苦さに、ほんのりと塩気が加わり、チーズのコクがぐっと引き立っています。
ひと口食べると、卵の香りが鼻に抜け、上品で心地よい余韻に包まれます!甘さは控えめで重さがなく、最後まで軽やかに楽しめる味わいです。

どの料理も手作りへのこだわりが伝わり、心まで満たされる美味しさでした。
ここからは、お店のことやメニューのこだわりについて、安田さんにじっくりお話を伺っていこうと思います。

お店についてさらに深掘り!

野本: まずは、お店のコンセプトについて教えてください。

安田さん: 僕らは「ワクワクすることしかやらない」というのをコンセプトにしています!カフェ以外にもグランピング事業をしていて、それもそのひとつです。自分たちが楽しみながらやることで、お客さんにも楽しんでもらえたらと思っています。

野本:なるほど!そんな思いのこもったお店ですが、空間づくりでもこだわっていることはありますか?

安田さん: ここはもともと農機具メーカーの事務所兼倉庫だったんですが、自分でDIYして改装しました。壁を抜いたり、梁をむき出しにしたりして、半年かけて一人で作り上げたんです。東京でやっていたお店も倉庫を改装した空間だったので、その雰囲気を再現しました。家具もほとんど自作で、お金をかけずに、アナログ感を残しながらスタイリッシュに仕上げています。

野本: すごいですね!そこまで手作りだと、愛着も湧きますよね。この映画館の椅子も印象的ですが…。

安田さん:この椅子だけは創業当時からお店に飾っています。アンティークショップで見つけたもので、ずっと手放せない相棒ですね。

店名の「ODEON」はギリシャ語で映画館や劇場という意味だそうで、東京時代から愛媛まで一緒に旅をしてきたこの特別な椅子が、お店の歴史とコンセプトを物語っているようです。

野本:こちらの看板メニューといえばチーズケーキですが、最初からメインで提供していたのでしょうか?

安田さん: 最初はいろんなケーキを出していたんですが、一番評判が良かったのがチーズケーキだったんです。そこから一本化して、今ではチーズケーキが看板メニューになりました。甘いものが苦手な方でも「これなら食べられる」と言っていただけるのが嬉しいですね。

「チーズケーキについては僕じゃなくて奥さんの方が!」ということで、スイーツを担当している安田さんの奥さまの裕弓さんにお話を伺いました。

裕弓さん:機械に頼らず、すべて手作業で丁寧に仕上げています。卵や生クリームを加えるタイミングって、季節や気温によって微妙に違うんです。10年以上作り続ける中で、少しずつ感覚でわかるようになりました。手作りだからこそ出せる味があると思っています。

野本:手作りだからこそ出せる絶妙な味わい、ひと口食べたらきっと忘れられない味になりそうです!

当たり前のことを丁寧にすること

野本:今度の展望はありますか?

安田さん:チーズケーキを県外にも販売したいと考えています。地元だけでなく、もっと多くの人に届けられたらと思っています。

野本: 県外の方にも喜ばれると思います!愛媛からさらに広がっていくのが楽しみですね。それでは最後に、安田さんにとっての「まじめ」とは何でしょうか。

安田さん: 当たり前のことを丁寧にすることです。飲食店をやっていると大変なことのほうが多いですが、その中でいつもお客さんに助けられています。だからこそ、「支えてくれるお客さんに恩返ししたい」という気持ちで続けています。

「ODEON食堂とカフェ」で過ごしたひとときは、手作りの温かさと、お二人の料理やチーズケーキへの深い愛情が感じられる、特別な時間でした。

DIYで作り上げた映画館のようなワクワクする空間でいただく手作りの料理とチーズケーキ。
忙しい日常から少し離れて、心をゆるめたいときに、ぜひ訪れてみてください。きっと、心も満たされる特別なひとときが待っています。

ODEON食堂とカフェ

愛媛県松山市北梅本町603-1
電話番号:089-906-6341
定休日:月曜

1階 チーズケーキ直売店
営業時間:火・水・木・日曜 10:30〜16:00、金・土曜 10:30〜18:00
(チーズケーキは、金・土曜は21:00まで2階でも購入可能)

2階 食堂&カフェ
営業時間:火・水・木・日曜 10:30〜16:00、金・土曜 10:30〜22:00(16:00〜18:00中休み)
※営業日などの詳細はお店のインスタグラムをご確認ください

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